2019/04/03 のログ
ヴェルム > 「シンプルに方針転換して仲良くしましょう~ならいいんだけど。
帝国のコレは明らかに目的ありきだし、小競り合いは続いてるからね。
その目的がわからないと、いつまでも後手に回ったままだよね、ウチの国は」

政治家としての彼女の懸念はもっともだ。
今回の帝国の動きは明らかに特定の目的ありきのもの。
それをわかっていながら受け入れたにも関わらず、今や国のお偉いさんは帝国淑女の方々に骨抜き状態。
おまけに市民の中でも帝国ムーブメントが起こっている。
結局、内側に敵を招き入れただけで何のメリットも無いのだ。
少なくとも彼女らのような理性的な面々にとっては。

軍人として見れば、ハテグの小競り合いは引き続き行われている以上、今回の出来事は比較的冷ややかだろう。
寧ろ警備に兵力を取られるようになり、帝国や魔族の国に備える力が弱まる懸念もある。
どこまで、そしていつまで振り回されるのか、先の思いやられる話だ。

「んん?
ああ…なるほど、今回のついでにお見合いでも提案されたわけか。
それでムスッとした感じだったんだなぁ」

彼女の悪態、そして宴の場にいたときのなんとも不機嫌さを孕んだ雰囲気の理由はそれかと。
納得したようにくすくす笑い飛ばす。
政敵を嫁に行かせようとか考える者もいただろうが、中には親切心で嫁がせようというもの好きもいたことだろう。
年寄りからそんな提案をされている彼女の姿を想像し、楽しそうにして。

と、二人きりという言葉に反応した彼女。
途端に見せる仕草と、すらりとした脚を見せつけるように組む姿。
頬が染まって見えるのはアルコールのせいだろうか。

「ふむ…言われてみれば、二人きりだね。
とはいえここでお楽しみに興じるのは、なかなか勇気が要りそうだ」

手すりに背を向けてこちらを見る彼女の姿は、衣装の相まって扇情的。
背後から聞こえる喧騒など耳に入らず、彼女の腰に腕を回していこうか。
確かに二人きりと言える状況…だがいつ誰の目に止まるかわからない状況でもある。

「どうかな、ここはひとつ…抜け出してしまうのは。
酔いつぶれたお姫様を介抱するのは、騎士の務めだし」

彼女に身を近づけ、その熱を感じられるくらいの距離感。
ここで至るのもまたスリルがあるが、彼女の今後を案じれば場を移す提案を。
彼女の耳元で囁きかけるように訪ねよう。

ナイン >  あぁ。勿論、目的は有るだろうさ。
 ――正直に聞くけれど。貴男の眼からすると、どう見える?

(目的の詳細迄は分からない。戦に対する時間稼ぎかもしれない、内憂を孕ませる事かもしれない。
王侯貴族を色香で惑わせる等という、古式ゆかしい色仕掛けの側面は間違いないが。
それだけで済ませるには――大々的すぎる。
関係者として更に大勢の者達が訪れているし、流行を鑑みて積極的な交易も始まっている。
つい先日迄、物や技術の漏洩で大騒ぎしていたというのに。
臣も民も浮かれる今は、人も物も出入りが拡大する一方。

…だから、彼へと問い掛けてみせながら。少しばかり、今し方出て来た広間の方へと向く瞳。
少女が行うのは謀り事。彼が行うのは争い事。
互いの、異なる視点を合わせれば。あの美姫達や、彼女等と共に訪れた数多くの帝国民達に対しても。
亦異なる見方が出来る、何かを見出す事が出来るかもしれないと。)

 ――――ご明察。私にも、道具になれだとさ。
 降ってきた皇子の一人でも婿入りさせて。グリューブルム家を継がせる男子を産めと。
 ったく…血を継いでいく事は吝かではないよ、勿論。
 けれど、それは私の為、私と共に在る者達の為だ。老人共の為じゃない。

(実際の所。本当に、孫娘を気に掛けるような好々爺達も。居たのかもしれないが。
厭戦派や親帝国派。巻き返しを狙う反王族派の差し金やら。
単純に同じ王族派だろうと、帝国との繋がりを得ようとする者達。
それに利用される可能性の方が高いのだから。思い返すにつれ、ますます、不機嫌は増すばかり。

…だから、なのだろう。酔いに倦かせた挑発めいて。以前と逆に此方から。
彼へと、誘い文句じみた言葉を向けたのは。
腰から抱き寄せられたなら。肩口…迄は背丈が足りず、上腕の何処かに預ける頬は。確かに、常よりも熱っぽく。)

 あぁ。実に魅力的な誘い文句だな?
 今夜此処から抜け出せるというのなら。どんな酒池肉林の狂宴よりもそそられるよ。

(ならばと。己を抱いた彼の腕に。此方も、腕を絡めていこう。
このテラスを出る迄、極数瞬でしかないだろうが。腕を組んで共に歩く、男にエスコートされる女として。)

ヴェルム > 「一軍人の言うことなんかアテになんないけど…
僕には、この公主受け入れそのものが盛大な目くらましに見えるかな。
本当の目的は別にあって、そこから視線を反らすための…的な?」

彼女もまた様々な予測を立てているであろうから、騎士の考えなど足しにもならないだろう。
とはいえそれでも一人の王国人として考えてはいるので、その自分の予想を伝えてみる。
それは目くらまし、つまり今回の出来事そのものが囮であり、帝国の目的は全く別のところにある。
いや、公主受け入れどころか、戦場で続く小競り合いもまた、その目的のための視線反らしにしか過ぎないのではないか、というものだ。
王国人が帝国ブームに盛り上がったのは、あくまで副次的な事象に過ぎないと。

やはりというか、年寄り連中から見れば十分にはねっかえりな娘である彼女。
当然お見合いなど受け入れる器ではないだろうし、その心配は無用だ。
ましてや政争に利用されるなどなおのこと。
そんな不機嫌になる出来事が多かった反動か、それとも酒の影響か、ずいぶん積極的に思える。

「酒池肉林で楽しんでた女とは思えないセリフだなぁ。
でもそれはまた今度で…今夜は二人きりで我慢してもらうよ」

師団の拠点でどれほど乱れ切ったことか、知る者は割と多いがここにはいない。
そういったものが好みである彼女にとっては少々物足りないかもしれないが、二人きりの時間を存分に愉しみ、日ごろの鬱憤を発散してもらおう。
テラスから宴の場に戻るわずかな間だが腕を組み、そして別のタイミングで会場を後にした二人が向かった先は、はたして…

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