2019/04/02 のログ
■ラファル > 様々な、シェンヤンの甘味がある。
あんこだったか……たしか、そんな甘いお菓子、もちもちしているものとか、さっぱりした甘さとかとても美味しい。
もぐもぐむしゃむしゃもぐもぐむしゃしゃ。
幼女は楽しそうに、デザートを食べまくる。
不審がるものがいないのは……そう、人の意識の合間をくぐり抜けているから。
そこにいて当然という印象、別に魔力とかではなくて、動き方とか、そういったもの。
心理の隙間を付きながら、甘味を堪能した幼女。
満足じゃと、いうように、けふ、と軽く吐息をこぼして。
そして、人々の中に紛れ込むように、去っていった――――
ご案内:「王都マグメール 王城【イベント開催中】」からラファルさんが去りました。
ご案内:「王都マグメール 王城【イベント開催中】」にナインさんが現れました。
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■ナイン > ――――やれやれだ。此奴は何とも…
(酷く落ち着かなかった。
浮かれに浮かれた、今の空気。ある者は漸く、戦に句切りが見え始めたなどと。生温い楽観論を吐く。
亦ある者は、数多送り込まれた美姫に現を抜かし…例え罠であろうと、女である以上、躾ければ良いのだと嘯く。
この流れは罠に違いない、そう息巻く者は未だマシな部類だろうが。時と場を弁えずに吠え立てるから、実に鬱陶しい。
だが何より。今宵此の場、連日続く宴席の真っ只中。少女に当惑を強いているのは。
公主達と共に送られた、山のような貢ぎ物達から。一応は王家筋に繋がる己にも、下賜された品の一つ。
――シェンヤン伝来であるという、純正の絹で織られたドレスだった。
外つ国のそれは。常知る物とはまるで別物。贈られた以上、義理で纏ってはいるものの、どうしても違和感を禁じ得ない。
――特に。何より落ち着かないのは、その無防備さだろうか。
肩を剥き出しに、頼りなく細い腕を、晒さざるを得ない。
深く、深く。右に左に走る切れ込んだスリットが、少女の腿を付け根近く迄覗かせる。
彼方では、意味も役目もあるデザインなのだろうが。此処では唯、注目の視線を集めるだけだ。
――結局、居たたまれなくて。大人しく、立食の並んだ広間の片隅へと避難する事にした。
八つ当たりの対象として。酒気強めのグラスを一杯、拝借しつつ。)
■ナイン > (さて。宴の目的、それ自体は分かっている。連日続く物と変わらない。
鼻の舌を伸ばした独身貴族が、若く美しい異国の娘達を見初めるか。
彼女等に対して政争の価値を見出す者達が、取り込み服従させんとするか。
何れにせよ敵国へと贈られた公主達を。何らかの欲によって我が物にせんとする者達の為。
正直、これでも女である己は、場違いだと思っていたのに。
招かれ、訪れた後知ったのは。存外、女同士だからこそ、場を持たせる役目も有るという事と。
触れ込み自体は公主――皇家の娘だが。若干名、皇子も居るらしいという事だ。
帝国の男子と、己を見合わせんとする輩の目論見は分かる。
詰まる所、仔娘が政治に口を出すより。とっとと身を固め、子を成し、女としての勤めを果たせと言いたいのだろう。
序でにそれが。彼等にとっての、政治的な価値を持ってくれれば万々歳だと。)
年寄り共め。…余計なお世話という物だよ。
(善意で、悪意で。打算で。慣例で。諸々、理由は有るのだろうが。己にとっては良い迷惑だ。
つぃとグラスを傾け、酒気による眠気覚まし。
…まぁ実際。貢がれてきただけの事は有り、公主も皇子も皆見目麗しい。
精々、眼の保養くらいにはなると思っておこう。)
ご案内:「王都マグメール 王城【イベント開催中】」にヴェルムさんが現れました。
■ヴェルム > 連日続く宴、その立食パーティの広間にひしめく高貴な者ども。
その隙間を縫うように給仕たちが食事や酒を運ぶ、目まぐるしい様相。
そんな光景から目を背け、テラスに続く扉の方へと視線を向ければ、よく知った顔が目に入るか。
市井の者が紛れ込んでいるかのような凡庸な見た目の、師団長の召し物を着用した男は、ナインに向けてにこやかな視線を送り、小さく手を振ってテラスの方へと誘っている。
ヴェルムとしては、良く知る彼女に声を掛けたくとも、このような公の場において、二人が仲良く会話しているところなどあまり見せたくないというのがある。
なので、人気の無いテラスの方へと、彼女を仕草で誘ったのだ。
少なくともそこでならば他人の目と耳を気にせず、素の状態で話ができそうだ。
さて、ヴェルムといえば先の機兵騒動に絡む魔導機械の密輸事件への関与を疑われ、城内に幽閉状態であったことは彼女の耳にも入っていよう。
もちろん嫌疑の理由は彼や十三師団の中心人物がティルヒア人であるということだけなのだが。
その後の進展はご覧の有様のおかげで耳にすることはなかったはずだ。
少なくともこの場にいて、恐らく警備をしている様子なことから、悪い結果にはならなかったと想像できよう。
■ナイン > ―――― …… ふ、ん……?
(ふと。グラス越しに揺れる視界の向こう。
目に留まった一つの影。その仕草。
数多くの貴族が、それ以上に今回ばかりは王族達が集った宴だ。警備の厳重さも当然だろう。
そうして広間を警護する者達の中。目立つ…訳ではないが、少なくとも、一介の衛士とは見間違う筈もない男の姿。
色々と奇妙な縁を結んだ相手だが、此処暫く、顔を合わせられていなかった。
帝国絡みの一件に合わせ、再度、ティルヒア絡みの噂が多く上がっていた為に。彼の周囲も巻き込まれていたという。
…そも、現状帝国とティルヒア絡みの関わりが有る以上。当然といえば当然の疑惑だったのかもしれないが。
好都合と踏んだのは此方も同じ。
空けたグラスを、行き交う給仕の一人へ返し。やや足早にテラスへと向かい、歩き出した。
一歩毎に脚を晒す、黒絹と白膚のコントラストも。似たような姿格好の公主達に紛れ、広間を抜ける事にだけは好都合。
先んじて、示されたテラスへと出てしまおう。…並んで歩く訳にはいかないから。
その際、彼の前を一旦通過するのなら。極一瞬、他者の眼には止まらない程度、片目を瞑ってみせてから。外へ。)
■ヴェルム > これだけの人がいるとそう気づいてはもらえなかったかもしれない。
もしくは先の嫌疑があるために接触を拒まれることも。
そんな心配を他所に、彼女はこちらの誘いに乗り、足早にテラスへと向かう。
共にテラスに出る…と言うわけにはいかないため、先にテラスに出る彼女。
擦れ違いざまに一瞬、向けられたウィンクにほんのりと笑い、彼女が出て十数秒後、さも警備のためという雰囲気のまま、テラスに向かう。
未だ外の空気は冷たいものの、宴の熱気に包まれていた後では新鮮な空気。
「…やぁ、久しぶりだね」
男がテラスに出て早々に、砕け切った口調で話しかける。
テラスには他に人はおらず、それどころか宴に夢中な者どもの誰の目も向いていない。
一時の避暑地となったこの場では、立場の違いも堅苦しさも抜きにできようか。
「そのドレス…セクシーで似合ってるね」
こちらへ向かう際に見せた黒いドレスとそのスリットから覗く白い肌。
彼女がこういったものを着ている姿を見ることはなかったので、ある意味新鮮でもあり。
見目麗しいその姿に、今まで色んな男たちからそれこそ上品で語彙力のある賞賛やらをされただろう。
そんな男たちとは対照的に、ヴェルムはシンプルにセクシーだと感想を漏らし、なんか納得しているように頷いている。
■ナイン > (気付いた理由は。何、簡単な事だ。
大半の男達が、皆して美姫に夢中となっている。
それ以外の男は極少数、だからこそ。必然、目に付く違和感だったという所。
促され、促し返して、テラスへと。
一足遅れる形で、アリバイめいた物を確保して。
彼も亦外へと出て来た所で。振り返ってみせようか。)
あぁ。お互い、苦労が絶えないらしい。…お疲れ様。
(軽く苦笑して。暫く続いた彼等、第十三師団への嫌疑やら。
少女の側も、散々ごたついている反大公派の調定やら。一言に纏めてしまう。
どうせ己等以外、此方に目を向けてすらいないのだと。分かりきっている為に。
此方も端から、以前師団本拠で語り合った時同様。取り繕う事のない素の口調。
…案の定。本日言葉を交わす、誰も彼もに指摘される旗袍姿に。
肩を竦ませてみせた後。)
っは、ん。招いた側が、招かれた側に合わせる義理も。無い気がするんだが…
すっかり流行りになってしまっているからな。
褒められて悪い気はしないけれど、まぁ、こんな時だけさ。
(実際、此の国の女性達には。何とも馴染みのない格好だ。
取り分け王城に出入りする身ともなれば。剰りに薄く、枚数も少なく、心許ない。
…まぁ、それでも。褒められたと思えるのは。多くの男達と異なり、少なくとも彼に関しては。
今日此の場を、お披露目だとか見合いだとか等とは。考えて居なさそうだから。)
■ヴェルム > 「いやぁ、ナインほどじゃあないよ。
ウチの件は聞いてるだろうけど…今回の出来事で有耶無耶になっちゃったし。
ま、人手不足だから十三師団も王都に出張れってお墨付きまでもらえたから、結果オーライかな」
彼女の苦労に比べれば、ヴェルムの方は大したことないだろう。
件の嫌疑も立て続けに起こった帝国公主の受け入れで有耶無耶に。
それどころか兵不足を理由に十三師団の王都進出までできてしまったのだから、棚から牡丹餅とはまさにこれか。
無論、それだけ王都のリソースがカツカツなのだろうが。
「あ、先に言っておくけどマジでやってないからね」
思い出したかのように先に言っておくのは、件の嫌疑について。
もちろん彼女は疑っていないだろうが、こういうのはきちんと言葉にして伝えておくのが良い。
「そりゃあそうだけど、概ね評判は良さそうだよ。
少なくとも僕にとっては目の保養になるし」
確かに、豪に入れば云々どころか、逆に文化流入まで引き起こし、今や王国は空前の帝国ブームだ。
そう考えれば帝国の掌の上と思っても仕方がない。
とはいえ現実的にはどうしても良いと思ってしまうところ。
文化、料理はもちろん、今まさに彼女の着る召し物もまた、ぐっとくるものがある。
「じゃあ、二人きりのときに着てみせてよ」
こんな時しか着ないと聞けば、なかなかに大胆な要求を笑顔でしつつ、彼女の傍に身を寄せるよう近づこうか。
確かにお披露目だとか見合いだとかなぞ、微塵も頭にないが、煩悩だけは人一倍。
二人きりとはつまりそういうシチュエーションのことだろう。
■ナイン > 其処は似たりよったりだよ。
――呉越同舟というのは、共通の敵が存在するからこそ成り立つ訳で。
帝国の存在は、魔族の次か…それと同じくらいに。脅威として認識するべきだったのに。
これはこれで、亦。派閥がバラバラに別れてしまう。
(此迄、得てして主戦派が主流となり。厭戦派が目立たなかったのは。
頑とした驚異として、異国の存在が有ったからだ。
無論魔族の国は今以て、敵以外何物でもないのだが。
前面後背、双方に敵を抱える此の国にとって。どちらか一方とでも、上手く行くかもしれないとなれば。
たちまち其方に靡く者達も出て来る訳だ……それだけ。長い、長い戦が続いている為に。
加えて、先の一件で抜きん出た筈の王家派が。骨抜きになり、再度バランスが崩れ。
折角纏まり始めた貴族達が、亦、反目し合いつつあると。
悪い事だけではない、良い事も亦、有耶無耶になりつつある昨今。
考えるだけで頭が痛い。そう言いたげに渋い顔。…彼等も、王都へやって来たという事も。
それだけを見れば好都合ではあるのだが。裏を返せば、それだけ、何もかもが足りないという事で。)
っく、っくふ……っふは。分かっている。あぁ、分かっているよ。
――あの時、貴男は言った。その事をちゃんと…信じているから。
(言わずとも知れた事だが、念を押したくなるのが人情なのだろう。
…とはいえ。実際、彼を疑う事はない。少なくとも、懸案となったような事態を引き起こすのは。間違いなく、彼が望まない事だろう…
民を護ると、そう言ってのけた彼ならば。
だから、気にする事はないと手を振りつつも。もう一方の手はついつい。噴き出す口元を押さえてしまう。)
その位あからさまに言われるなら、返って納得もいくのだよな…ぁ。
広間では酷かったんだ。帝国皇子のお眼鏡にもきっと叶うだろうとか…
そうしたら、きっと良い夫婦になれるとか。強い子が産まれるだろうとか。
年寄り連中め、そういうのは自分の孫にでも言えば良いじゃないか。
(つい、比較して思い出したのか。ぶつくさと悪態が続く。
道具扱いも気に触るが、嫁入り前の娘やら孫やらのような扱いも。それはそれで鬱陶しい。
あっけらかん、見た目云々で済ませてくれる、男という生き物然とした彼の評価、其方の方が未だ余程。安心という物だった。
…更に一歩踏み込んだ、牝を求める牡、じみた言葉。
それが耳に届くなら。少しばかり、額に掛かる髪を払う仕草で。
酒気に、熱気に、今この瞬間のさざめきに。些か色付いた頬を、片くらいは隠しつつ。
テラスの手すりに背中を預け。見せ付ける如く、脚を組んでみせようか。)
二人きり。――ふぅん?二人きり、ね。
…今が。今此の場が、正に。そうなんじゃないか?ヴェルム・アーキネクト殿?