2019/03/30 のログ
ご案内:「王都マグメール 王城 第九師団執務室」にネームレスさんが現れました。
ネームレス > 「ふ、ざ、け、ん、じゃ、ねぇぇぇ!!!」

第九師団長・ネームレスはこの日何度目か分からぬ叫び声をあげた。

公主降嫁により溢れるシェンヤン人。それにより跋扈する間諜。
あふれ出る情報。抑えきれない諜報活動。
責任者出てこい。この場で叩き斬ってやる。

「無理だろ……無理だろこれ!?」

第九師団員は不眠不休で間諜の活動を抑え防諜活動に走り回っている。
でも無理。だって数が多すぎるんだもん。石を投げればスパイに当たるレベルだ。
軍事機密を守るので手一杯で、これまで守ってきた貴族やらなにやらに関わる極秘情報はほぼ垂れ流しである。

第九師団員、各員ほとんど寝ていない。
寝たら死ぬ。師団長に殺される。

ネームレス > 『アザンクール伯爵の愛人である公主、間諜である可能性極めて大ながら証拠固めに割く人員が足りず』
『シェンヤン文化使節団、構成人員の九割が間諜の模様』
『王城出入りのシェンヤン人の身元確認追いつかず』
『人員不足、応援を請う』
『寝かせて』
『いっそ殺して』

悲鳴のような師団員の要請に必死に答えようと、第九師団幹部たちは書類を回し、人員を回し、予算を回す。
だが、根本的に足りない。海の水を砂場の砂でどうやって食い止めるのだ。

ネームレス > 「――軍事機密、特に対魔族戦線と北方戦線、それに魔導機械の技術流出防止にのみ焦点を絞る。ほかの防諜に割いている人員を回せ」

どよめく室内。
これまで防諜してきた王国内不穏貴族の情報や、九頭竜山脈に関しての警戒を薄めるという事だが……

「ウスジャリルに連絡。九頭竜山脈に竜の眷属を大量召喚して時間を稼ぐ。それと、冒険者ギルドには討伐依頼を出す準備だ」

ぎょっと目を剥く第九師団員たち――
この師団長は、防諜の為に自国領土内に荒れ狂う竜を解き放とうというのか

ネームレス > 防諜体制を立て直し、シェンヤン人への情報流出のコントロールを取り戻す時間を稼ぐ。
それがネームレスの出した結論だった。

「――急げ。どんな手段を使ってもこの危機を乗り切るぞ!」

ご案内:「王都マグメール 王城 第九師団執務室」からネームレスさんが去りました。