2019/03/10 のログ
ご案内:「王都マグメール 王城内研究施設」にミリーディアさんが現れました。
ミリーディア > 此処は王城内の少し外れに建つ魔導研究施設。
更に施設内入り口の門を管理している室長が控える室長室だ。
専ら出入りの管理を行っているとしている。
他、本人の勝手で魔法や魔導機械に関しての依頼や相談とそんなものか。
一部は依頼人に他言無用とする様な内容も含まれているが。

そんな少女だが、今日も今日とて柔らかな椅子に身を預け寛いでいた。
やる事が無い訳ではないが、急ぎの用事と云うものは無い。
急がないのならば当然乍に直ぐに手を付けたりしないのが此の少女だ。

「困ったものだな、こうも降ってくれると買い物にも行くのも面倒でいかん」

そんな呟きを漏らし、つまらなさそうに天井を眺める。
別に雨に濡れるのを嫌っている訳ではないが、濡れると後が面倒で。
濡れなければ良いと云われるが、そんな事に力を僅かでも使うのが面倒で。
いっそ他人に任せたい処だが、其の他人が今日は誰も姿を現わさない。
其れはつまり研究が滞り無く進んで良い事の筈だが素直に喜べない状況と云えよう、少女にとっては、だが。

ミリーディア > 最近は今迄に在った魔導機械の改良を行っていた。
其の所為で入り口管理のみに専念していた。
やっと其れを終えて、後は其の改良した魔導機械を試行のみである。
尤も、其の試行を行うのに実験体が必要。
其の実験体も探しに行かなければ為らないのが又面倒なのだ。

中々壊れない頑丈な奴隷が一番有力候補だろうが、まだ奴隷市場都市バフートからの連絡は無い。
実験体の依頼も出しているが、此れは期待は余りしていない。
後は自分の足で探しに行く事だが、此れに関しては問題外である。
因みに、其の魔導機械とは淫具の類で在る。

等とそんな考えを頭の中で巡らせている訳だが、今の姿を見て誰もそうは考え付かないだろう。

「……にしても、何故に儂に此れが来ているのか。
被害と云っても此の程度は魔族達の軽い御遊びだろうに。
まだ儂の関わる程の案件では無いな」

デスクに向けられた視線の先、其処に散らばった資料の一つ。
最近王城内で起こった魔族に依る被害報告書が在った。
城下で起こっている程度為らば放置も問題無かろう、事の次第にも依るが。
だが、王城内で起こった事に関しては無下に放置出来ないらしい。

人の手に余る案件だろうと此方に寄越せば何とか出来る。
事実では在るが、其の最終的な判断はあくまでも此方が決める事なのだ。

ミリーディア > 「……ああ、そうだ、又時間を作っておかなければ為らないな。
余り異世界の者達に此の世界を掻き回されるのは面倒だ。
別の存在を内包した狐の娘。
此の世界の竜との秩序を乱し掛けた竜の娘。
力を持つ者はもう少し行動を自重して欲しいものだが…」

尤も異世界の住人は他にも何人か確認はしていた。
取り分けて力が目立つのは其の二名とも認識していた。
だから、其の二名に関しては依り厳重に監視をしているつもりだ。
厄介さで云えば狐の方が上だろう。
起こす問題の大きさでは竜の方が上だろう。
人知れず頭を悩ませる問題と云え様か。

一旦思考を留め、窓の外へと目を向ける。
今だ降り止まぬ雨に深い溜息を吐いた。
此の天気では来訪者も期待出来ないだろうと。

ご案内:「王都マグメール 王城内研究施設」にヴェルムさんが現れました。
ミリーディア > 「そう云えば、シェンヤンの例の石も割れていたか。
……まあ、向こうも今は放置で良いだろう。
此のたった数年で大きな変化が幾つも起こるとは、本当に珍しい。
歴史書作成を任せた連中が大忙しなのが目に浮かぶものだね」

可笑しそうに小さく笑い、再び其の身を椅子へと深く沈める。
歴史は更なる動きを見せるだろう。
其の時に、世界は如何成り、此の世界の存在は如何動くのか。
非常に楽しみなものではある。

ヴェルム > 「研究施設って聞くと、なんだかワクワクするねぇ」

珍しく城に用のあったヴェルムは、その要件を済ませるとある場所に向かう。
ミリーディアの管理する研究施設だ。
当然、おみやげである甘味も持参して、コートの中に仕舞い濡れないようにしていた。
わざわざ雨の降る中、城内の外れに設置されたそこへ訪れたのには、まぁちょっとした理由というか、相談事だ。

「ミリーディア、いるかな?
早く中に入れてくれないとお菓子が濡れちゃうよ~」

門の前までやってくれば、おみやげであるお菓子を人質に開門を迫ってるぽく第一声。
まぁ傘もないし寒いので、早く開けてくれないと風邪をひいてしまいそうだが。

ミリーディア > 「さて、今日の処は……おや?」

此の侭寝てしまっても大丈夫だろう、そう呟き掛けた言葉が止まる。
施設に向かって来る存在を感知したからだ。
尤も、少女には其の存在が何なのかは直ぐに分かる事と為る。
一度自分が診た事の在る人物だからで。

そして外から掛かる声に其の身を起こす。

「直ぐに入り給え」

言葉を返し乍、同時に閉まっている扉を即開放する。
其れこそ普段の少女を知る者達からすれば非常に素早い行動だった。