2018/12/16 のログ
ご案内:「王都マグメール 王城 私室」にマリナさんが現れました。
■マリナ > 少女は久しぶりにこの部屋へ入る。一応自分の部屋と言ってよいのだろうか。
王城を出て仕事を与えてもらい、近頃漸く王都に来る機会も作られるようになった。
主に衣服を買いつけにきたり、パーティに出席する事もある。まだ少しではあるけれど。
そんな生活のなか、久々に従兄に許可を得て自室に入ったのは私物を取りにきたくて。
少女が勝手に王城を出て行った事に表向き許可を出してはいても
納得していない従兄は細かなものは送ってはくれなかった。
「……掃除もきちんとしてあるみたい」
出た日と変わらない様子に時間の感覚が狂うような気分。
掃除し、整えられているのはいずれ戻ってくるだろうと思われているのかもしれないと思えば、複雑でもある。
ここの鍵は従兄と、少女の身体を一晩弄ぶ事が許されたものだけが持っていたため、習慣で扉は薄く開いたまま。
現在では其の事実は伏せられているけれど、人の口には戸が立てられない。
クローゼットを開けては暫し悩み、チェストを開けてはまた悩む。
全て持っていきたいところだけれど、生憎と現在間借りしている部屋は広くない。
「これからたまに取りにこられるなら、一気に持っていく事もないのかな。
でもお兄様嫌がるかしら……マリナの顔、あまり見たくないかも」
現に少女が持っていこうかと思っているものは、ただの思い出の品の面が強く、緊急性はない。
ご案内:「王都マグメール 王城 私室」にキルシュナさんが現れました。
■キルシュナ > ――――パタン……ガチャリ。
薄く開かれていた扉がそっと閉ざされる音に続いて施錠の金属音が不穏に響いた。そこには室内の明かりに照らされて佇む一人の女。何も気負った所のない飄々とした風情で切れ長の金瞳を室内のあちこちに向け、時には「お、この壺めっちゃ高そうやんなぁ」などと花瓶の品評などしつつも緩い歩調はゆっくりと先客たる少女に近付いていく。
魔獣の黒皮とミスリルの鋼糸で作られた水着めいて露出の高い淫靡な衣装が、たわわに実った乳肉の豊かな半球や、しなやかに引き締まった腹部、タイツの食い込む太腿などの褐色肌を惜しげもなく晒している。
今が冬である事を考えても、ここが王城の私室である事を考えても、明らかに場違いと言える人物だろう。その上、黒艷の短髪の天辺からぴょこんと飛び出す獣耳と過剰な色香を匂わせる腰の後ろでゆらりゆらりと揺れる長い黒尾は、その娘がミレー族であることを知らせもする。
普通に考えるならば、この私室の近くに部屋を借りる貴族が愛玩用に連れ込んだ性欲処理の猫奴隷といった所だろうが
「やぁやぁ、最近は寒ぅなってきたねぇ」
黙っていれば酷薄にすら見えるだろう美貌が、ニッと歪めた大口の端から八重歯を覗かせる表情からは悪戯娘の風情が漂うばかりで、奴隷らしさがまるでない。