2018/11/12 のログ
■ガリア > (薄暗闇の中、近付いてくる姿は、自分には良く見える。
此方の姿を漸く目にとめたか、何よりも先ず疑問符を浮かべる様子に
微苦笑を浮かべて、小さく溜息めいて息を吐き。)
……あー…、……ま、そんなトコだ。 っても、生憎ながら今は休職中だがなァ。
(諸事情により、と付け足す様に告げては。
其れ以上を問われるより前に、「御前は?」と、こんな所に居る理由を問い返そうか。
確かに、決して関係者以外立ち入り禁止、と言う程の場所ではないが
其れでも、相手が手にしているのは、其れなりに専門的な学術書も含まれている様子だ。
此方もまた、相手の事は何も知らぬが故に、僅か首を傾げて見せ)。
■デメトリア > 少々の驚きはあったが、それ以上の他意はなく投げかけた疑問に対し、相手の返答は歯切れが悪い。
おそらくは休職に理由があるのだろう。あまり質問を重ねるのも良くないのかもしれない。
こちらに質問を返してくれたのは好都合で、踏み込みすぎないように心がけ。
「わたしも軍に属してるの。研究職だから表に出ることは少ないんだけど。……用事は済んだの?」
軍属とは縁のなさそうなゆったりした笑顔、口調で話し、首を傾げる。
休職中と明言する彼が城で何をしていたのかは想像に難くないが、その用事が済んだのなら帰路を共にしようかとの心算で。
■ガリア > (研究職、と言う彼女が、こういう時にまで好奇心の塊で無かった事は幸いだった。
其れ以上、休職の理由について追及される事が無ければ、内心安堵する。
決して秘密にしておかねばならない事、と言う訳では無い。 相手が軍の所属で在ったなら尚更だ。
ただ、王城内、関係者ばかりのこの場所で、無為に口に出すのは憚られた。)
……軍属なのか。 ……あー…、……成程、だからか。
……そうだな、次に此処に来るのは、また暫く先に為りそうだ。
帰るかい? なら、道中付き添うぜ。
(何か思い出した様に、そして納得した様に。
最初出会った時、何となく感じた相手の名前への憶え
軍属で在るならば、と、思い当たる節が浮かんだ故の。
王城での用事は、少なくとも自分は済んだ。
頷き返し、相手が岐路に着くというのなら、己も共にしよう、と。
書庫の出入り口へと足を向ければ、慣れぬ臭いの場所から早々に退散。
彼女の方を振り返りながら、付いてきているのを確かめれば。)
―――……で、何処に帰るんだ?
確か…、……其れなりに、デカイ家だったろ、御前のトコはよォ。
■デメトリア > 「ふぅん……。」
しばらく城には来ないという言葉に思わず「そうなの?」と追い打ちしそうになり、それを押しとどめた結果の「ふぅん」。
青年の名を知っていることだし、知ろうと思えば休職の理由はすぐ分かるだろう。
先日の様子ではもっと流暢だった彼の様子を見ると、陰で調べようとは思えなかったが。
どこかモヤモヤとした空気のまま書庫から出て、相手の後ろをついていく。
きちんと正装している青年が休職中で、私服でうろつく少女が職に就いたままというのも妙な図。
踏めばわずかに沈む柔らかい絨毯の感触をブーツのヒールで感じながら、振り返った彼と目が合うと笑顔を見せる。
だが、何も知らない自分とは違い、いろいろと予備知識のある発言に眉をひょこっと上げて。
「うちを知ってるの? そう、その家に帰るつもりではあるんだけど、門の外に馬車があるはずだからそこまでかな。」
屋敷までは歩くには遠く、公爵家の家紋が刻まれた馬車を待たせている。
もともと兵舎に寄ったことは内密で、抱えている本を持ってくることしか家の者には伝えていない。
「良ければ一緒に乗って。ガリアさんのお家に寄るから。」
相手は正装しているし、御者が叔父に報告したとしても変な勘繰りはされない……はず。
■ガリア > (例え休職…否、正確に言えば職務停止、だが。
其の間であっても、王城へと向かう以上は礼服で、と言う意図だったが
恐らく、暫くこの礼服に身を通す事も無いだろう。 或いは、この先ずっと。
ただ、其れはたとえ軍属とは言え、彼女には直接関係の無い事だ。)
―――……名前を聞いた時、何となく、な。
魔獣討伐だのに駆り出されてる御貴族様の中に、そんな名前が在ったなと思ったのさ。
研究職だが、魔術師…違うか?
(なぜ自分が其れを知って居るかについては、職務上、と伝えるだろう。
貴族がいち騎士の事を覚える必要は無いだろうが、騎士側にはある
此処へと訪れる前、王城の前に停まって居た馬車の事かと思い返せば
送っていくとの言葉に、ほんの僅か考えて。)
……そっちに問題が無いんなら、甘えとくか。 なら、好意の護衛、って事にしときな。
(恐らく、其の方が都合がいい筈だ、どちらにとっても。
告げて、そして王城の門を静かに潜って行けば
其処から先は、彼女の後に付き従う形で、騎士らしく歩くだろう)。
■デメトリア > 「そんなに記憶が良かったの?もったいないなぁ。」
自分の本職まで言い当てられて感嘆し、続けて不意に出た<優秀なのに休職はもったいない>という意味の言葉。
初めて会った時の砕けた印象とは違い、正装して軍を熟知している言動は本当にもったいないと感じるものだった。
王国軍には――特に、王侯貴族のために用意されたような立場にある腑抜けた者が
大勢いる一方、彼のような人が何かしらの理由で職務を奪われる。
政治にはとことん興味がないが、友人が絡んでくるとなれば多少考える出来事である。
「今日のガリアさんは紳士っぽい……?調子狂っちゃう。」
往来で可愛い飴を舐めていた青年と同一人物だとは思えない。
場所の違いもあるだろうが、やはり落ち込んでいるのだろうか。というのが印象。
だから、友人のはずなのに今だけは護衛のように付き添ってくれる彼と馬車に乗り、家の近くで別れる時、言ったことだろう。
「元気出して。」
窓から顔を出し、にっこり笑顔で。
事情を知らないので無責任な発言でもあるが、軍属ではなく友人としての励ましなら許されるだろうと。
呑気な少女の台詞を残し、馬車は公爵家の屋敷に向かって走り去っていくのだった。
ご案内:「王都マグメール 王城」からデメトリアさんが去りました。
ご案内:「王都マグメール 王城」からガリアさんが去りました。