2018/09/10 のログ
ご案内:「王都マグメール 王城」にシチューさんが現れました。
シチュー > 各地の貴族が日夜、王城に集まってきている。王位継承権から小麦畑の領地配分まで、魔導機兵の出現によって大きく各地のバランスが崩れたためだ。様々な話し合いのために侯爵から辺境の男爵までが毎日集い、ワイン片手に権利を主張しあったり責任をなすりつけ合ったりと王城は妙な賑わいをみせていた。

そんな王城内の廊下にて、ミレー族のメイド奴隷はひとり、廊下に立って案内役をしていた。
王城内の手伝いを主に命じられたのだ。

「小王宮はあちらとなります。
ええと……鳳凰の間はこの先、回廊の左手となります」

如何にも淑女然としたふるまいでてのひらを廊下の先へ向けて、案内を求めた貴族へと優雅に礼をして。
――その貴族の背が見えなくなれば、ふわーー、と両手とケモミミ伸ばして欠伸をする。

「お仕事中だけど……。えへへ。ちょっとぐらいいいよね!」

人の姿が途切れたら、しめしめ。
これからどこかへ運ぶのだろう、近くにあった果物が満載のワゴンから大粒イチゴを1つ拝借して。はむりと味わう。

味わったあとは、素知らぬ顔で背を立てて案内役の顔に戻り。

シチュー > 魔族や帝国との抗争で何度も王城へ足を運んだ事のある貴族の他にも、3日前に仕立てたばかりというようなマントを羽織るどこか田舎じみた貴族もいる。此の度の魔導機による危機によって初めて城へ上がる機会を得たという人もちらほら居るらしい。
何度も城へ通い、城内についてはそれなりに知識のあるミレー族のメイド奴隷は自分の勤める侯爵家のメイド長から訓練されたように、非常ににこやかで洗練された笑顔にて、案内役をこなしていく。

そして人が途切れるたびにつまみ食いを続けたため、割り当てられた時間が終わる頃には果物満載だったワゴンから果物が消えていたという――。

ご案内:「王都マグメール 王城」からシチューさんが去りました。