2018/08/27 のログ
ご案内:「王都マグメール 王城/地下」にルビィさんが現れました。
ルビィ > 「――――ちょっと!誰だか知らないけど、好い加減にしなさいよ!」

聞こえないかも知れないと承知の上で、しかし、声を張らずにはいられなかった。
声だけでは己の怒りは伝わらぬかと、両手首に繋がる鎖を、ガシャガシャと打ち鳴らしてやる。

コトの起こりは数刻前、久方ぶりに城での夜会に参加すべく、
城門を潜った直後のことだった。
突然、衛兵の格好をした数人の男に取り囲まれ、あれよあれよという間に拘束されて、
気がついたら地下の牢獄に繋がれ、虜囚と成り果てていたのである。

四方の壁も天井も床も、冷たく湿った石造り。
激しく抵抗したからか、それとも男たちに別の意図があったからか、
着ていたドレスは胸元や裾が大きく引き裂かれ、襤褸布のごとき有り様に。
靴は両方とも何処かへ取り落としてしまったらしく、ガーターストッキング越しの素足に、
ざらつく床の感触が不快なことこの上無い。
けれど、もっと不快なのは、天井付近の壁から伸びた鎖と、それに繋がる金属の枷で、
大きく左右へ引き伸ばされた格好の両腕が拘束されていることだ。

公序良俗に反することなら、幾らでもしてきた自覚はあるが、
理由も告げられずに行き成り、こんな所へ放り込まれる謂れは無い。
プレイとしてなら拘束もSMもわりと歓迎だけれど―――――

「こんな湿っぽい所に放置とか、有り得ないでしょ、普通!
尋問するなり拷問するなり、とっとと済ませたらどうなのよ?!」

鉄格子の填まった小窓のついた扉は、先刻、衛兵たちが閉ざして行ったきり。
おどろおどろしい部屋に、悍ましい拷問器具たちと一緒に残された女は、
怯えるでも無く―――――誰か、次に男が現れたなら、そいつのモノをかみ切ってやろう、
ぐらいの物騒な考えを巡らせていた。

ルビィ > ―――――がちゃ、がちゃん。

扉の施錠が解かれる音を聞いて、女はぴたりと口を閉じる。
殊勝げに項垂れ、疲れ果てた振りをして、来訪者を迎え入れる気だった。

女の口に猿轡をしておかなかったこと、
そもそもこの女に、口淫などさせようと思ったことを、
現れた貴族と思しき男が、文字通り死ぬほど後悔するのは、ほんの少し先の話。
阿鼻叫喚の地獄絵図が展開された結果、女の拘留期間が長引くかも知れないが、
それはまた、別の機会に語られる物語となる筈で―――――。

ご案内:「王都マグメール 王城/地下」からルビィさんが去りました。
ご案内:「王都マグメール 王城庭園」にユーノさんが現れました。
ユーノ > 昼寝がずいぶんと長引いてしまったらしい。
木の幹に背を預けて眠っていた少女は煩わしそうに眼をこすると、すっかり暗くなった庭園を見渡し不思議そうに瞬いた。
いつの間に夜になったのか。首を傾げると、華奢な肩の上を茶色の髪がさらりと滑り落ちる。

特に当てもなく歩く内、やがて大きな石造りの噴水へと行き当たった。
水面いっぱいに映る星屑に惹かれて駆け寄ると、石縁に腹這いになり、手を伸ばして掬い上げてみる。

「んう…? とれない…?」

それがただの反射であることは、この娘にはすぐには理解出来ないようだ。
胸元が水に濡れるほど上半身を乗り出すと、スカートが捲れ、下着を纏わぬ白い尻が剥き出しになってしまう。
が、そんなことにも気に留めず夢中で水面を叩いた。

ユーノ > しばらく水と戯れている内、遠くからさわさわと葉擦れの音が聞こえ、遅れて夜風が吹き抜けた。
柔らかな芝生をなぎ倒していく見えない力が、娘の白いスカートを大きく躍らせる。

「っ……、くちっ……!」

冷えた夜気に襲われ、思わずくしゃみが飛び出した。ふつふつと鳥肌が浮きはじめ、途端に肌寒さがやってくる。
娘は自分の両腕を軽くさすると、城内へ続く扉へ向かっていった。

ご案内:「王都マグメール 王城庭園」からユーノさんが去りました。