2018/08/07 のログ
ご案内:「王都マグメール 王城/地下」にリュシーさんが現れました。
リュシー > (この辺りに並ぶ部屋は、宴に供される娘たちを、一時、閉じ込めておくためのものだったらしい。
扉の施錠は外側からだけ、室内は清潔に保たれているけれどベッドもテーブルも椅子も簡素で、
いかがわしい行為に使われる道具や薬品類と、そういう行為に使われる人間がしまわれている場所。

―――――けれど己に関しては、ほんの少し事情が違っていた。

なにしろ、身元はとうに判明している。
父親の了承を得ているのかいないのか、とりあえず、実家から引き取り手は来ない。
しかも、肝心の当人の意識が、いまひとつはっきりしていなかった。
下手に外へ出せば、どこかで騒ぎを起こしたり、うっかり野垂れ死んだりするかもしれない。
さすがに「公爵令嬢」を、こんな状態であっさり放逐するわけにもいかない、と、
考えた誰かが居た、のだろうか。

かくして、首輪と薄絹のローブだけを与えられて、己の身柄はこの部屋にある。
物好きが望めば扉を開き、玩具にすることもできるだろうし、
それなりの身分か金のある者なら、持ち出しても文句は言われない、かもしれない。
―――――つまりは、その程度の扱いだった。

ぼんやりと天井を仰ぎ見つつ、ベッドの上に仰向けで寝転がり、
時々、外から洩れ聞こえて来る悲鳴や嬌声を、とくに感慨もなく聞いている。
お腹のあたりに蟠る熱は、もう慣れたものになりつつあった。)