2018/06/23 のログ
ご案内:「王都マグメール 王城 執務室」にオーギュストさんが現れました。
オーギュスト > 執務室でオーギュストは唸っていた。

サロメからの報告書。
魔族の師団……『翼ある獣』。
その実態は、予想以上の実力を持っているそうだ。

「――さて、どうしたもんかな」

遠征準備は既に最終段階へと入っている。
ここまで来れば、もう止める事など出来ない。
魔族の国へと進撃し、今度こそあの女――ロザリアと決着をつけ、あれを手に入れる。

その為にも、不安要素は潰しておきたい所だ。

オーギュスト > 「――最終仕上げといくか」

一度第七師団であの『翼ある獣』に当たってみるのも良いかもしれない。
吸血姫の城へと侵攻する前の、最終調整だ。
実際にオーギュストが訓練してきた対魔族用の戦術が通用するのかどうか。
それを試す相手とするのも悪くはないかもしれない。

「まぁ、そう都合よく行くか分からんがな」

オーギュストは書類に目を走らせサインをしながら一人ごこちる。
さて、この遠征の結果はどうなる事やら。

オーギュスト > ――そこでふと、一枚の上申書に目を留める。
訓練兵上がりで現在王城の警備をしている新兵に、役職を割り振るようにとのサロメからのものだ。

「――いっけね」

そういえば、このゼロという傭兵あがりはオーギュストが直々に勧誘したのだった。誘うだけ誘って、その後任務を与えるのをすっかり忘れていたのである。

「丁度良い、例のアレを調べさせるか」

ゼロへの任命状を書く。
『タナール砦駐留偵察兵として、魔族の師団【翼ある獣】について調査せよ』

「これで良し、っと」

ご案内:「王都マグメール 王城 執務室」にタマモさんが現れました。
タマモ > この部屋の主が、続けて居た経験は無い。
その経験を踏まえての転移だった…はず?
何も無い部屋に気が付けば居る少女、男にしてみれば、またか、と思われるような現象である。

だが、一度ある事は二度あるかもしれない。
そんな考えから、少女はゆっくりと振り返り…

「………あ」

つい声が零れる。

オーギュスト > 「――凝りねぇなお前も」

やれやれと声を出しながらも書類に目を通し続ける。
大規模作戦が近くなると、流石に将軍決済の書類も多くなる。
サロメが前線に出張り、オーギュストが王城に詰めているのもその為だ。

「今日は仕事中だ、構ってやれねぇぞ」

言いながらまた一枚の書類にサインする。
兵糧の問題はほぼ解決し、輸送の手はずも整った。
遠征最大の問題はこれでクリアした事になる。

タマモ > 「欲は尽きる事なく、無限に湧き出るものじゃ。
これもその一片と思えば………まぁ、何かあるかのぅ?
と言うか、忙しいなら勝手に漁って良いじゃろうか?」

何か語り始めたが、即飽きたのか、いきなり本題に入った。
さすがに部屋の主が居るのを分かって、漁りはしないらしい。
…が、それも、断れば良いとか思っているようだ?

そんな事を問いながらも、ひょこひょこと仕事中らしき男のデスクへと寄ってみる。
ちらりと書類に目を遣って…すぐ逸らした。

オーギュスト > 「そこの棚のなら好きに飲め」

あらかじめ、貴重な酒は師団駐屯地の方に避難させておいた。今あるのは高いが手に入らない事はない酒ばかりだ。

続いて書類を手に取る。
ライフルの量産化は順調。なんとかそれなりの数をそろえる事が出来た。
これならば件の城の魔物にもそれなりに対処できるだろう。
出来れば城外からの砲撃でケリをつけたい所だが。

タマモ > 「うむ、では頂こう」

許可は出た、ならば良し。
少女はさっそくと、言われた棚を開放する。
良さそうな酒、それを選び始める。

「そうそう、そう言えば伝え忘れておった事があったな」

棚を漁りながら、ふと思い出したように男へと言葉を掛ける。

「お主、あちらから…必要以上の物を持ってきておるな?
使える知識、大きな影響を与えぬ程度の小物、その程度ならば良いのじゃ。
じゃが………ここでは創れず、大きな影響を与える物、それを持って来ておるじゃろう?
悪い事は言わん、さっさと始末をした方が良い」

それが何を指しているのか、それを分かるのは間違いなく男だけだろう。
いや、一度だけ王城内で自慢気にそれを見せた者も居たか。

これにしよう、と決めた酒と、グラス2つを手に男の側に戻ってくる。

オーギュスト > 「全部は飲むなよ」

俺が飲む分が無くなったら困る、と言いながら。
書類にサインをして決済済みへ。

そして。

「――さて、どれの事だかな」

本当は分かっている。「アレ」だ。
だが、アレを今手放すわけにはいかない。
アレはこの遠征の切り札だ。

「それが俺に害為すならば、それでもいい。あの島の知識と道具は、俺の覇業に必要なものばかりだ」

そう、オーギュスト一代で魔族を滅ぼす。
その為には、どうしてもあの島から持ち込んだ知識と道具が必要になる。

タマモ > 「………」

男の言葉に、えー?といった感じの表情。
まぁ、実際のところ、そんな大量に飲める訳でもないが。

ことん、とグラスをデスクに置き、酒を注ぐ。
ついでにと、ごそごそご袖に手を入れ何かを漁れば…包みを取り出す。
それを広げて見せれば、先日に平らげたものに近い焼き鳥が十数本。

「やはり、式の一人が作れるようでな…まぁ、タレは企業秘密らしいのじゃ。
…っと、それが、お主だけに害となるならば、こんな事は言ったりせん。
過ぎた文明は、世界の崩壊を近付ける…相応か、少し進む程度で留めるべき…らしいぞ?
まぁ…使うべきところで使い、事を成したら始末しておくと良いじゃろう。
それまでは、それも隠すのも含めて少しは手伝ってやろう。
………少しは、じゃがな?」

まぁ、予想通りの答えだ。
はふん、と軽く溜息を付けば、ひらりと手を振って。

オーギュスト > 「企業秘密か、そりゃ残念だ」

酒はダメだが、これなら良いだろうと一本もらう。
なるほど、美味い。懐かしい味だ。
この甘辛いタレが癖になる。

「――まぁ、そうだな。あの世界で見た。進化した文明が行き着いた最終戦争――『総力戦』だったか」

国家の国力の全てを戦争へと割り振り、国民を徴兵し、銃を持たせ前線へ送り込む。
敵国の内政を徹底的に破壊し、国力そのものを削りあう狂気の戦争。
考えられない事だが、戦争というものの行き着く先にはそのようなものがあるとの事だ。

「さすがの俺も、あれはぞっとしねぇな」

タマモ > 「うむ、まぁ…この程度の数ならば、頼めばまた作ってくれるそうじゃ」

あむ、あむ、と少女は少女で焼き鳥を食べ、酒を飲む。
酒に手を伸ばさない男に、まぁ、仕事中はさすがにあれか、とかどうとか考えて。

「きっと、妾が知るのは…お主が思う以上の狂気じゃろうが…
その一端でも分かっておるならば、それで良い」

うんうんと頷きながら、ぐいっ、とグラスを空ける。
付き合えないのなら、あんまり目の前で飲んでやっても悪いか。
…と、それくらいは少しは考えられるのだ。
うん、少しくらいは?

「して、そろそろ仕事も終わりそうじゃろうか?
………まだまだ、続きそうかのぅ?」

改めて、デスクの上に視線を向けてみる。
書類がたくさん、文字がたくさん…あ、見てて眩暈が。

オーギュスト > 「――――」

オーギュストは何も答えない。
その狂気すら、必要になれば手を伸ばすかどうか。
その答えは、己の中でもまだ決まっていないのだ。

「遠征が近い。しばらくは相手をしてやれねぇな」

そう、遠征軍の出発はまもなくだ。
最終チェックが済むまでは、どうしても手が離せない。

「凱旋してきたらたっぷり構ってやるよ。お前の知ってる世界の話も聞きたいしな」

タマモ > 「………いざとなれば、自分だけが犠牲になろうなんて、考えるでないぞ?
この世界の人間は、それを本当に行動に移す者達が多そうで困る」

一度外へと視線を向け、ぽつりと言葉を零す。
それも、すぐに男へと向け直せば、耳に届くのは続く男の言葉。
むぅ、とした表情を浮かべるも、邪魔はしないでおく。

「うむ、忙しいのであれば仕方あるまい。
結果はどうあれ、事が終わればそうして貰おうかのぅ。
………おっと、一応これを渡しておこう。
連絡手段はあった方が良いじゃろう?」

袖の中を再び漁ると、次に中から取り出したのは、一本の扇子。
それをデスクの上、男の手前に置いておいた。

「扇いで涼を取るも良し、念じれば妾にそれが伝わりもする…まぁ、言葉は交わせん、呼んでいるのが分かる程度じゃが。
妾の力が込められておるからな、壊れる心配も無しじゃ、便利じゃろう?
凶弾が襲ってきた時に、あれじゃ、これが無かったら死んでいたー…なんて事も…いや、無いか」

ふふんっ、と自慢気に、とりあえず、最後にオチを付けた。

オーギュスト > 「阿呆。俺は俺の為に生きてんだ、生き残って帰ってくるに決まってんだろ」

けっ、と言いながら笑い、扇子を受けとる。
なんだかんだと心配はしてくれているようだ。

「おう、ありがたくもらっとくよ」

気持ちを無碍にする事はしない。
懐に扇子を差し込むと、立ち上がるオーギュスト。

さぁ、次は部隊の調練の直接視察だ

タマモ > 「うむ、何があろうと、生き残りさえすれば後はどうにかなるものじゃ」

扇子を受け取るのを見届ければ、満足そうに頷いて。

「残りの焼き鳥は置いておく、後で好きに食べるが良い。
………と、これは、そのタレじゃ。好みの量をな?」

小瓶を一つ、その横に添えた。

「では、妾はそろそろ戻ろう、またのぅ」

立ち上がるところを見ると、移動だろう。
ならば、戻る頃合か。
言葉を掛け、手を振って…ゆらりとその姿が揺れ、そのまま消えていった。

オーギュスト > オーギュストも同時に退室する。
次に向かうのは王城内の訓練施設だ

ご案内:「王都マグメール 王城 執務室」からタマモさんが去りました。
ご案内:「王都マグメール 王城 執務室」からオーギュストさんが去りました。