2018/06/16 のログ
ご案内:「王都マグメール 王城内廊下」にヴェルムさんが現れました。
ヴェルム > 夜の王城廊下をコツコツと音を立てて歩くひとりの男。
タナール砦におけるプロトタイプのテストを経て王都に帰還し、ついさっき上層部へその効果を報告したところである。
報告を聞いていた上官たちも、同席していた科学者も非常に満足そうだったのが不気味だが。
テロの増加だけでなく統率の取れた魔族軍による攻撃もあって、王国上層部もいろいろ考えているということだ。

「新しい命令か…しばらく大人しくしていたほうがいいと思うがなぁ…」

ガス兵器の使用により不自然な戦果報告となったことで、他の部隊が少々ざわついたらしい。
今まで十三師団が目立つことがなかったからこそ、余計にだ。
ほとぼりが冷めるまで待つべきと思うが、ガスの効果に気をよくしたのか新たなプロトタイプのテストを命じられた。
受け取った書類には、テストのターゲット候補がいくつか記載されている。

「…あのミレーの…」

その中にはあのエルフの女が治めるミレーの里も含まれていた。
どうやら、第二師団の彼女の神通力もここまでということらしい。

ヴェルム > 上層部からしてみればターゲットに選んだ理由は目障りだからということだろう。
正直あの里には攻撃するほどの戦略的な価値もなければ、土地にも価値はない。
将来的な危険を摘み取るという、もっともらしい建前は書いてあるが。

「まぁ、いいか…」

彼はぽつりと呟いて、里の攻撃に納得した。
合理的に考えれば無駄以外の何ものでもなく、ミレーのさらなる反感を買うのは必死だろう。
だが、上手くやればこちらの都合の良い展開に持っていけるだろうと考えれば、多少なりとも価値はある。
あの里も防備を増強させているだろうから、その期待に応えてやらねば。

ヴェルム > あとは頃合いを見てあの里に攻め入るだけだ。
正確に言えば「攻め入る」というのは当てはまらないだろうが。

「もうしばらくは、従順な犬を続けてやる」

ちらりと上官たちの居座っていた執務室の扉を振り返りそんな言葉を呟き、王城を後にした。

ご案内:「王都マグメール 王城内廊下」からヴェルムさんが去りました。