2018/05/27 のログ
ご案内:「マグメール 王城」に紅月/コウゲツさんが現れました。
紅月/コウゲツ > さて…何とか城までは来たものの、何処に報告すりゃあいいのか。

「確か…砦を守るのは第7師団だったっけかねぇ?」

首を傾げて思案顔。
となれば、第7の詰所を探せばいいはず。

「いや、いやいや…タナールの護り手って事は超絶魔族嫌いとか、ありそうだよなぁ。
…むしろ、私の命が、危ない?」

立ち止まり、固まる…口許がひきつる。
いくら人間好きで『よき隣人』と胸を張れる私だとしても、さすがに人類の為に殉職しろって話なら遠慮したい。

ならば、他に、王城に出入りできる知り合いは…

「…第5だっけ、フォーコんとこ」

迷惑をかける事になりそうだが、知り合いなんてフォーコかフェイくらいしか思い付かない。
なら、きっと、頼るならフォーコだろう…少なくともタナールで一度会ってるし。

紅月/コウゲツ > 「いや、でも…なぁ。
そもそも証拠も何もないのに、言ったところで信じて貰えんのかねぇ」

歩いたと思えばまた立ち止まり、思案。

一般冒険者の証言の信憑性ってどんなもんなんだ…この国に来て日が浅いから、その辺の常識から、わからん。
…しゃがみこんで、頭を抱える。

「もう、そこら辺の人に丸投げしてやろうかな…」

ハァァ…溜め息ひとつ。

ご案内:「マグメール 王城」に黒須さんが現れました。
黒須 > 「…くぁ…朝は暇で良いねぇ~?」
(眠そうな目をしながら道を歩く。基本、仕事は夜であるために、あまり表に出る事はない。仮にあっても、客との用事を合わせて返金をする時ぐらいである)

「…ん?なんだ…?おい、どうした…?」
(歩いている最中、しゃがみ込み、頭を抱えている人間を見ては近寄り、声をかける)

紅月/コウゲツ > 「……、…ふぇ?」

不意に掛けられた声に、見上げる。
目が合うだろうか…きっとキョトンとした顔になっていると思う。

「…もっふもふだ」

こんな状況じゃなきゃあ、抱き付いた。
そりゃあもう間違いなく怒られるくらいもふもふしたはずだ。
…が、今はそれどころではない。

「って違う違う…っあ、あの!
第5か第7師団の詰所知りませんかっ!?
うぅ、えーと…ちょ、ちょっとタナールの砦がピンチっぽくてですね…!?」

どう説明すべきか正解を知らぬ為、とりあえずはしょってざっくりと。
この人が城内を知ってる人…獣?ならいいんだけど。

黒須 > 「あ…?」
(もふもふ…?ああ、これのことかと思いつつ、自分の胸の玉の様になっている毛を押すようにもふっている。手を離せばわさぁっともとに戻る)

「第5?第7?…さあな?あーでも…待てよ…?…わかるかもしれねぇな。」
(先日、依頼で王城へ向かう冒険者と行ったことがあり、そこで見たかもしれない。そう思うと、ついてこいとは言わずに一人でその師団があると思われる方向へ歩き出す)

紅月/コウゲツ > 「あっ、うん、もふもふはソレなんだけど…そうではなくてですね?」

思わず真顔でツッコむ。
いやむしろ本当はそこに手を突っ込みた…こほん。

「やっぱわからな…えっ、わかるの!?
ぁああ待って!置いてかないでもふもふ様…!」

一瞬しょんぼりするも、ぱぁあっと目を輝かせて。
とりあえず行くだけ付いていってみようと後を追う。

黒須 > 「…じゃあ、なんで言ったんだよ…。」

(本当に手で突っ込まれると真顔で返す。当たった体は筋肉質で、軽く触るだけでもがっちりしているのがよくわかる)

「早く来いよ?朝っぱらだから良かったな…客の居ねぇ今はここいらをぶらついてるしな…。しっかし、ホント暇だな…。朝だと酒もの飲めねぇ、女も抱けねぇ…。ま、午後の楽しみにすりゃいいか…。」

(歩きながら師団へと近づいていく道中、朝で出来ないことを独り言のようにぐちぐちと言っている。)

紅月/コウゲツ > 「そこにもふもふがあったから。
条件反射といいますか、もふりすととしての血が騒いだと言いますか。
…あの、やっぱり後でそのフワモコ触らせて頂けませんかね?」

思った事を思ったまま正直に…何故か得意気な表情をしているかもしれない。
視線はひたすらもふもふに。

「いやホント、助かりました…!
…あ、お兄さんも飲む人なんだ?
私は朝からでも気にせず飲んじゃう派だなぁ、お兄さん律儀ねー?」

どうせ暇だからと、ニコニコついて行きながら男の愚痴を拾ってみる。

黒須 > 「あ…?構わねぇよ…触られるのは別段嫌じゃねぇしな…。」
(よく公園でボーっとしていると子供が触ってくることもあり、その結果、触らるのをどうでもよく考えている)

「気にすんな…。
あんたは朝から飲むのか?まぁ、俺も飲むっちゃ飲むけどよ…。どうせなら、飲んでからヤッた方が良いだろうって話だよ…。」
(拾われた愚痴を聞いてもらい、答え返す。酒はある意味気分を整えるための飲む。そのため、仕事前はあまり飲まない。下手してブチギレて客を相手すれば、ただで終わるとは思っていないからだ)

紅月/コウゲツ > 「……っ!…ホント!?
やぁったやった、頑張った甲斐あったわー」

『構わん』と聞けばそこいらの子供と変わらないくらいキラキラと目を輝かせて。

「あら、興奮剤的な用途の方でしたか。
ん~?ヤるヤらないの辺りはちょっと、私にはよくわからんかな。
私は単に酒好きなタイプだから」

不思議そうに首を傾げて。
実際、性欲自体は薄くて、求められるから考える程度の紅月には無縁といってもいいような事で。

黒須 > 「そんな、子供みてぇに喜ばなくても…」
(外見に似合わずにきゃぴきゃぴと喜ぶ女性を見ては少し渋い顔をして見る。)

「だろうな。俺は年中発情してるもんだからよ…。ま、簡単に相手を見つけれるわけでもねぇしな…。」
(飲めばさらに倍増するため、かなりやる気が上がるタイプ。そして、あまり風俗のような所へは行こうとはしない)

「…あーそういや、なんだ?これから仕事か…?時間ありゃ、酒でも交わそうと思たがよ…。」

紅月/コウゲツ > 「いやぁ、だって獣人さんのもっふもふだよ!?
ふふっ、楽しみ!」

ニコニコ、ほくほく…実に幸せそうな表情で。

「あらー…野性が強いのも大変そうね?
いい嫁さんできる事を祈っといたげるよ!」

クスクスと笑って。

「コレからってか、まさに師団詰所の反応次第というか?
先にも言ったようにタナールが魔族に取られたっぽくて。
その報告に来たのよ」

ヤレヤレ、とでも言いたげな顔。
治癒術師なのに攻略の頭数にされそうなのが怖いところ。

黒須 > 「そんなに貴重か…?そこいらの犬で十分だと思うがな?」
(あまりの幸せそうな表情を見て少し、気がそれてはため息一つ)

「嫁だ?馬鹿言え、嫁なんざ作る気はねぇって話だ」
(婚約者を作ってしまえば、いつもの生活ができない。それに、何より面倒である)

「反応次第か…。ま、今日じゃねぇ。時間がありゃ良いって話だ…。」
(魔族だとか師団だとかには詳しいはずが無く、とりあえず時だけだと思いながらもなんとか師団まで到着する)

紅月/コウゲツ > 「貴重!すっごく貴重!!
わんこも可愛いけど、それとは少し違うわねー」

貫禄とか色々、と笑って。

「あー、女遊び万歳な方でしたか。
この国って性に奔放ねー」

ははは、と苦笑して。

「おおっ、良かったついた!!
ホントにありがとう…私、紅月。
今度お酒のおいしい酒場でも教えてね?」

くすくす楽しげに笑うと手をふり、詰所内に入って行くだろうか。

黒須 > 「そうかい…ま、満足行くまでやれば良いけどな…」
(珍しいのかっと自分で疑問を持ちながらとりあえず、この後は好きにさせるかと思っている」

「ああ、そうだとも…。言ったろ?年中発情期なんだってな…。
ま、この国はそう言う所だな、下手すればあんたも対象かもしれねぇな?」
(グフフっと犬の呼吸に似た笑いをする)

「…狼だ。
気を付けろよ。また、酒場教えてやっからな…。」
(そのまま行く紅月を見送り、またフラフラと何処かへ行くのである)

ご案内:「マグメール 王城」から黒須さんが去りました。
ご案内:「マグメール 王城」から紅月/コウゲツさんが去りました。
ご案内:「王都マグメール 王城・訓練施設」にブレイドさんが現れました。
ブレイド > 「………」

真新しい鎧に朱塗りの十字槍。
とつぜん王城…世話になっている第五師団から手紙が来たので向かってみれば
なんでも装備が完成したので試着してほしいとのことだった。
まぁ、王国の正規軍ということで装備も揃いのものであることが重要なんだろう。

「鎧は悪くねーけど……」

見上げる槍。長物を使ったことは殆ど無い。
どうも勝手がわからないというのが正しいか。
突くのか薙ぐのか打ち込むものか…少し困惑してしまう。
というわけで、王城に来たついでに装備になれるため…訓練施設に寄ってみたわけなのだが…。

ブレイド > 身なりの良い…おそらくは別の王国軍の騎士やら従騎士やら
結構な数いらっしゃること。
少なくとも見回した中では自分と同じ装備をしたものはいないようだ。
こちらに気づいた数人は、やや鋭い視線をこちらに向ける。
荒くれの集まる第五師団のしかも客分とくる自分だ。
いい顔はされないとは思っていたが、ここまで露骨だと逆に笑えてくる。

「へいへい、お勤めごくろーさん。オレのことは気にしねーで続けてろよ」

皮肉を言ってやれば相手も舌打ちとともに下がっていく。
まぁ、喧嘩は売ってもポーズだけだろう。ハンと、鼻で笑ってとりあえずは打ち込み用の人形の前に行く。

ブレイド > 鎧の方は割と動きやすい。
説明によれば軽量化だの動きを阻害しない魔力だのが付与されているらしい。
やはり王国の正規軍ともなればいいものを使っている。
正直普段遣いにしたいくらいだ。色合いも好みだし。

「さって、と…」

ぶんぶんと槍を回して……少し考える。

「んー…まずはこっちか」

朱塗りの十字槍を側に立てかけ、備え付けの訓練用の槍を取ってくる。
槍初心者の自分は、まずこれでやり方を覚えるべきだろう。

「……重さはだいぶ違うけど…ま、取り回し方の基礎は覚えとかねーとな…」

槍というものは基本突くもの。腰を入れた構えをとり、一歩踏み出しつつ突き出す。

「ん?んー……これで、いいのか?」

盲点があった。自分は槍の使い方を知らない。
そして、まぁ、現状総スカンを食らっているので教えてくれるものもいない。
つまり、自分の槍さばきがあっているのかどうかがわからない。

ご案内:「王都マグメール 王城・訓練施設」にテオドールさんが現れました。
ブレイド > 何度か槍でカカシを突いてみるも、どうもしっくりこない。
こちらをちら見してた騎士の一人が明らかに嘲笑していた。
ムカつく。

『山出しの客分殿は槍の扱いも心得ていないと見える。
第五師団は勇猛と知れ渡っておりますが、客分殿は炊き出しでもなされるおつもりで?』

と、明らかに馬鹿にしたような声が響く。
それと同時に起こる数人の嘲笑。
ビキッと、青筋がこめかみに走る。

「炊き出し、そりゃいい。
テメーらのメシには高蛋白で栄養価のいいもんを選んどいてやるよ。
お貴族さまにゃもったいねーが、芋虫なんぞお召になられては?」

売り言葉に買い言葉。
周囲がにわかに殺気立つ。

テオドール > 槍を振るう少年の姿を遠巻きに眺めながらクスクスと面白そうに笑う。
一生懸命さが微笑ましいが全く腕がついていっていない初々しさ。
同じくその様子を見ている周りでも小さな笑い声が起きているが、しかし自分のそれとは意味の違う嘲笑。
馬鹿にするようなその態度を内心気に入らないと思いながらも暫く見守っていると、ついには挑発するような発言まで。

「待ち給え!」

粗暴な者ばかりではないが、基本的には体力自慢の騎士たち。
それに対して喧嘩腰になってしまっているあの若者はこのままでは危ない。
そう思うとミニスカートを翻しながら駆け出し、少年の前に壁になるように立ち塞がる。
振り返りながら、槍を練習していた少年に話しかける。

「勇ましいのは大いに結構。
だけどただの無謀は感心しないよ?」

再び前を向き騎士たちを見据えるテオドール。
特に構えたところはなく、騎士たちの出方を伺っている。
流石にここから荒事になるほど短気な騎士たちでなければいいのだが。

ブレイド > 『何だ貴様、無礼だぞ?』

と、騎士たちの数人が前に出る。
その姿にこちらも嘲るように笑う。

「わかんねーのか?喧嘩買ってやろうってんだよ
騎士様は喧嘩の作法もご存じない?
何ならご教授して差し上げても……」

と言い終わらないうちに響く高い声。
その場にいるものはすべてそちらに視線を移す。
間に入る姿は長身の女騎士。あたりがどよめく。
こちらに声を掛ける彼女の諌めるような言葉…だが。

「馬鹿にされて黙ってるほどお行儀よくなくてね。
なんせ、山出しなものでよ」

苛立ちを吐くように告げる。
騎士たちはと言えば、興が削がれたように下がっていく模様。
あのままであればそれこそ乱闘騒ぎになっただろうが、なんとかこの場は収まったようだ。

テオドール > 「全く……。
これはどっちもどっちだね。
騎士とはいえ最低限の礼節と気品というものを持ってもらいたいよ」

演技っぽく肩をすくめてちょっと呆れ顔。
とはいえ機嫌が悪そうではない。
ひとまず何事も無くて何よりである。
走って乱れた髪を払うと、少年を改めて見つめる。
見たところ騎士ではあるが、風貌やあの槍の扱いを見るに新入りだろう。
特に見覚えもない。

「僕はテオドール。
今日は新兵の訓練でも見てあげようと思って出向いてきたというのに、嫌なものを見たよ。
ところで君は?」

先程の騎士たちの態度には未だにご立腹。
とはいえ具体的な行動が起きなかった以上今とやかくするつもりはない。
目下の興味は眼の前の若い騎士である。

ブレイド > 「あんたはちったぁまともそうだな。
オレは客分なんで、騎士ってほどのもんじゃねーよ
礼節とか気品ってもんには縁遠くてね、わりーな」

ふん、と荒く鼻息を噴くと訓練用の槍を肩にかけて。
態度は悪いが、目の前の騎士に喧嘩を売る気はない。
黒い鎧と壁に立てかけた十字槍で第五師団のものだということはむこうにも伝わるだろう。

「オレはブレイドだ。
冒険者…だったんだが、誘われて今は第五師団に客分って形で世話になってる。
まぁ、基本は冒険者だからあんまこの辺にはこねーんだがよ」

テオドールと名乗る騎士。
女性のような姿だが、物腰に少し違和感。
だが、女性であれ騎士というものはそういうものだろうと特に気にしていない。

テオドール > 第5師団の客分。
それなら色々と腑に落ちる。
とはいえ絡んでいた彼らはまっとうな騎士だろうに、格下と見るやあの態度というのは情けない事だ。

「ブレイド君か。
成る程君の事情はよく分かったよ。
そういう事なら、不快な思いをさせてしまって済まなかったね。
同じ騎士として僕にも少なからず責任はある。
何か詫びをしたいのだが……」

思案して、やはり目に留まるのは彼の槍である。
特に壁に立てかけた十字槍。
この調子だとあれは満足に扱えまい。

「そうだな……。
お節介ついでに君の槍の練習を見てあげよう」

ディナーに誘うというのも考えたのだが、冒険者というのであれば堅苦しい食事よりも訓練の方が有益で喜ばれるだろう。

ブレイド > 「別にアンタがわりーわけじゃねーだろ。
騎士だってピンきりだってのはオレだって知ってるさ。
ま、ああいう連中がおおいから一括りで喧嘩売っちまうオレの方も悪かったよ。
別にアンタみてーなまともな騎士を馬鹿にしてーわけじゃねーんだ」

テオドールの言葉にひらひらと手を振る。
騎士貴族といった、礼節や上下関係を重んじる者にとっては
なるほど、腹に据えかねる存在だろうということもわかるだろう。

「ん?槍の?
申し出はありがてーんだが…いいのか?
アンタなんか用事があってきたんじゃねーの?新兵がどーのってよ」

自分も彼女から見ればそううつっているのはわかるが
所属が違うこともわかる。
ちがう師団の団員の面倒を見ていてもいいのだろうかと純粋に思った。

テオドール > 騎士団内の派閥にはあまり頓着のないテオドール。
重要なのは美しい騎士道というだけの事。
ここで立場の弱い少年を捨て置くのはその騎士道に反するからこうしているだけだ。

「だから元々そういう予定だったって事さ。
それにこういうのは新人との交流が目的みたいなものだからね。
さて、嫌ではないようだし早速取り掛かるとしようか」

ブレイドに合わせて槍を取りに行く。
体格差がある分テオドールの槍の方が何寸か長い。

「さっき見た限り槍は全くの素人のようだね。
剣の扱いは?」

練習用の槍を軽く振りながら、ブレイドに尋ねる。
全くのゼロから教え込むのとある程度武術の基礎を知っているのとでは効率が随分違う。
冒険者ということだしこの体格なら剣か短剣が本来の得物といったところか。

ブレイド > 「ふーん、アンタがいいならお言葉に甘えさせてもらうぜ。
交流も槍も、アンタの言う通り素人だからよ
お手柔らかに頼むぜ?」

ようやく表情を緩め、練習用の人形…通称カカシの前に戻る。
槍をもってきたテオドールの姿は堂に入っていて、使い慣れているというのがひと目でわかる。

「剣はそこそこ。もとは二刀でやってるんで
両手で使う槍ってのにしっくりこなくてさ」

得物が大きく変わってしまっている違和感。
鎧も普段は着ない。付与された魔力のおかげで動きに支障はないのだが
どこか勝手が違うのもまた事実。
こういう、鎧を着て隊列を組み槍を振るう戦場の戦いというものに関してはズブの素人だ。

テオドール > 「装備だけ渡して教官もつけないとはね。
まあ剣の経験があるのなら随分違うはずさ」

ブレイドの体格、二刀というスタイル。
一つ一つは長さもそれほどないだろう。
よほどの達人か体格に恵まれてないと、一般的な一刀流よりも軽く短い剣を使わないと制御しきれるものではない。
となると、足回りでイニシアチブを稼いで手数で攻めるといったところか。
集団運用が前提の装備となると独学では厳しいだろう。
ざっと分析を終えると暫し思案。

「しかし、二刀か……。
どの程度動けるか、模造剣でちょっと見せてくれるかな?」

基礎を教えるにしてもブレイドの地力を見ておくのは無駄にはならないだろう。
自分は槍を携えたまま、ブレイドに慣れた得物を使うよう促す。
当然武器を持てばお互いに打ち合うつもりだ。
テオドールは訓練用の防具すらつけていないが、それに関しては何も気にした様子はない。

ブレイド > 「ま、しかたねーだろ。
オレは客分って立場だし、装備ができたってついでに
オレが勝手にここによったんだからさ。
んじゃ、始めようぜ?」

石突を床について、テオドールの発言を待つ。
分析されているとはいざしらず、しばしの間に少し首を傾げ。
概ねテオドールの見立ては正解。
恵まれた体格ではない冒険者の…いわゆる軽戦士系の戦い方を得意としている。
鎧を脱いで身体を見せれば、筋肉のつき方でよく分かるだろう。

「ん?まぁいいけどさ。
この辺の模造剣はちっと長げぇな…まー、いつも使ってるやつみたいなのってあんま
使われねーだろうしな、騎士様の剣術ってやつじゃさ」

槍をおいて、適当な模造剣を手に取る。
両手に持って重さを確かめつつ。

「ちっと重いけどしかたねーか……ま、いいけど」

防具を着ずに構えている。
まぁ、そういうことなのだろう。自信があるのだろう。
攻撃を受けることはないと。むこうがそういう気なら、別に咎めはしない。
無論、手も抜かないが。

「んじゃ、行くぜ?」

槍を構えるテオドールに向かって駆ける。
構えず、二刀を無造作に持ったまま一気に距離を詰めようと。

テオドール > ブレイドの言い様だと今後前線に駆り出される前に訓練は受けられるということか。
それならそれで、今予習をしておくのは悪いことではないのだろうが独学で変な癖を覚える前で良かった。
とりあえず今は彼の地力を見る。
そしてこうして槍を扱うのも見本の内。
あまり変わった型は取らず、中段に構える。

「遠慮はいらないよ!」

突き出した穂先は動き回るブレイドを常に捉えている。
足回りは予想通り、中々の速さ。
槍を振っていた時とは動きのキレが全く違って見える。
こちらから仕掛けるのもいいのだが、最初は受けに回って攻め方を見てみる事にする。
距離を詰めるブレイドに対し、大きく動く事はなくいつでも対応出来るようしっかりと待ち構える。
さて、距離を詰めたところで間合いの差をどうしてくるか。

ブレイド > 「んっ…」

攻撃に転じてこない。
だが、槍の穂先は常にこちらを向いている。
対応が素早いと翻弄はできないが…まずはこちらも様子見だ。
すばやくサイドステップで、槍の穂先から逃れつつも相手の視線からも外れる。
遠間ではフェイントとしての効果は薄いが
こちらの速さが上なら、相手の行動に一つスタックを置くことができる。
その隙を狙えればしめたものだが

テオドール > 勇み足で仕掛けてこない判断力は好感触。
間合いの差は正面から切り伏せるには困難なのを分かっているようだ。
しかし、この距離でサイドステップというのは悪手なのではないだろうか?
同格や格下相手には有効かもしれないが、テオドールがこの程度で見失うことはない。

「どうしたんだい?
かかってこないのかい?」

フェイントに振り回される事無くブレイドを見据え余裕を見せる。
しかもテオドールは僅かな重心移動で動きに対応出来るのに、ブレイドは素早く飛び退く必要がある。
長引くほど消耗が嵩む。
これ以上の手がないのなら、こちらから仕掛けに行くが果たしてどうするつもりか?

ブレイド > 「(ま、そうなるか…)」

それなりの手練ということはわかっていたし
力量差もあることはわかる。
だが、それも織り込み済みだ。
捉えられるならフェイントは用をなさない、ならば

「急かすなよっ!」

槍を構えたテオドールに向かって踏み込む。
間合いの差がある以上仕方のないことだが、悪手にも見える。
相手は格上…どう攻めてもこちらのスペックでは対応される。
だが…

テオドール > 投擲にも少し警戒していたが、この距離でも放ってこないようだ。
一手こちらに回避か防御をさせてその隙きに、という目にかけるのが装備と能力から見て無難なところと思っていたが。
しかしブレイドの地力は随分見えた。
まだ若そうだが中々の腕前だ。
体格と経験がついてきたらかなり伸びそうだ。
力試しはこのぐらいでいいだろうと、ブレイドに向けて決着の一撃を放とうとする。
練習用の槍で防具をつけているとはいえ、体重を乗せた突きは少々危険だ。
二刀の攻撃が届く前に、テオドールが動く。
ブレイドの胴体を狙ったなぎ払いを繰り出した。

ブレイド > 「だろうよ!」

瞬間、とっさに身をかがめる
唯一、劣っていても時折有利に働くもの。
それは体格。
そして、動体視力ならばそれなりの自信はある。
相手は力量差がある、それゆえに手を抜くだろう。ならば、自分でもなんとか見て反応できるはず。
無論、回避に集中していればの話だが。
なぎ払いの下、地を滑るように…顎勝ちにつきそうなほどに。
突撃は誘い。相手の穂先をよく見た上での後の先狙い。
そして、狙うのはテオドールの手、いや…その少し先、槍の柄だ。
低くした体勢ではろくに剣も振れない。だからこそ、腕でかちあげにかかる。

テオドール > 胴体を狙ったなぎ払いをかわされた瞬間、ブレイドを侮っていた事を悟った。
よもやここから更に身を沈めて間合いを詰めてくるとは。
相手がブレイドを超える手練であればこのような油断はしなかっただろう。
かわされたのは防具ごしとはいえなるべく怪我がないよう僅かに加減したせいもあるが、それらを予測して詰めてきたのは見事だ。

「素晴らしい!」

テオドールの力試しなのでここまで見たのならもう降参してしまってもいいのだが、テオドールの方も中々の負けず嫌い。
訓練という事を忘れ少し本気になってしまった。
空振りした瞬間槍を抱えるように脇を締め、姿勢を低く沈めたブレイドの上に伸し掛かるように体を落とした。

ブレイド > 「うおっ!?」

重量差で組み伏せられては脚が使えなくなる。
体勢を低くしていたせいで、とっさのサイドステップは不可能。
ならば方向をずらす。

「足元、失礼!」

くるっとすばやく身をかがめたまま水面蹴り。
集団戦術や騎士の剣術ではおおよそ行われない行為だろうが
だからこそうまくいけば奇をてらえるというもの。
読み違えれば自分の負は決まってしまうが…胸を貸されて素直に負けましたではカッコもつかない。

テオドール > ショートレンジからクロスレンジの踏ん張りは見事なもの。
これが本来のスタイルということなのだろう。
万全の状態ならびくともしないであろう足元狙いの蹴りだが、重心の動いている今なら体格差があろうと払われてしまう。
ならば、泥臭い戦い方になってしまうが少々強引に行こう。
槍を手放しブレイドへと手を伸ばす。
倒れながら関節を取って、共に倒れ込みながら武器も振るえなくするのだ。
成功すれば床に転がりながらもブレイドの動きを封じて勝利となるだろう。

ブレイド > 「んなっ!?」

槍を手放したのは想定できた。
姿勢を崩せば受け身を取るだろうと判断したからだ。
だが、とっさの判断は相手が上だった。
流石にその速度の対応はできない。
そして、無手の組技というのも得手ではない。
腕を取られ、組み伏せられてしまえば身動きも取れない

「ぐあっ!!あが…いたたたたた!!」

テオドール > 関節を取り、体も密着して武器を完全に手放すまで締め上げる。
もはや力試しなどといえるものではない、ほぼ本気だ。
だが先程は油断を衝かれて出し抜かれた以上ここで手を緩める事はない。

「ふふふ、どうだい?
流石にもう打つ手がないようだね」

床に押し倒すような形でブレイドを拘束している。
密着し、胸や脚も押し付けているのだがブレイドは感触を味わうどころではないかもしれない。
そもそも鎧越しである事だし。

ブレイド > 片手は取られ、もう一方ものしかかられては満足に使えない。
脚も封じられ動かせる箇所と言えば口くらいだが、かみつけるような場所に相手の身体がない。
無理やり跳ね除ければ腕は無事ではすまないだろう。
それ以上に関節を極められ続けている手はたまらず武器を取り落としてしまっている。

「っくっ…まいった!
まいったって!!はなしてくれって!」

ここは素直に負けを認める。
無様に床に拘束されている姿は
周囲で見ている先程の騎士たちも胸がすっとしたことだろう。
負けたことはいいが、それがちょっとばかり悔しい。

テオドール > ギブアップを宣言されるとようやく体を離す。
勝ちはしたがそもそも勝敗をつける事が目的ではないのに明らかにやりすぎであった。

「すまないね、つい熱くなってしまって……。
立てるかい?」

先に立ち上がるとブレイドに手を伸ばす。
意外にいい動きを見せてくれたおかげであまり加減ができなかったが、怪我はさせてないと思うのだが。
武器を投げ捨てるような戦い方も、必要があれば実戦でも起こり得る事だが槍の基礎訓練という体裁でやるのはあまり褒められたものではない。
何かしら詫びは必要になるだろう。

ブレイド > 「ふへぇ…」

拘束が解かれればごろりと仰向けになって半身を起こす。
差し出された手をとって立ち上がれば、極められた方の腕をブンブンと動かして。

「立てるし折れてねぇみてーだ」

冗談めかしつつ応える。
相手が手を抜いてくれたからこその善戦ではあったものの
いい勝負ができたのではないかとは思う。
周りの奴らがニヤついてるのがムカつくが、彼女を楽しませる程度には戦えたようで何よりだ。

テオドール > 「ここまでするつもりはなかったんだが、君が思ったよりも強くてついね。
あの動きを見るとスカウトされたのも何となく分かるよ」

戦いの基礎が出来ているのなら、槍に合わせた訓練を続ければそう遠くないう内に扱う事は出来るようになるだろう。
軽量な武器と長物のギャップさえどうにかすれば。

「怪我がないようなら早速訓練を開始しよう。
まずは槍を一緒に構えて、間違いがあればその都度修正するから」

寄り道をしてしまったが本来の目的は槍の練習だ。
まあ基礎の基礎を教えるぐらいになってしまうだろうが、一人で闇雲にやるよりは遥かに良いだろう。
改めて槍を持つようにと促すと先ほども見せたように中段に構えた。

ブレイド > 「そりゃよかった。訓練の方はお手柔らかに頼むぜ?
なんせこっちは本気で初心者だからよ」

再度訓練用の槍を手にとって、肩に抱える。
足を使う戦いを得意としているため、この手の武器には苦手意識がある。

「ん、おう…えっと、こうか?」

テオドールの構えを真似てみる。
やや不格好にみえるというか、やはり槍に釣り合ってない体格のせいか。
姿勢そのものは悪くはないが、槍というものの扱い方に不慣れなためか構えが甘い。

テオドール > 「最初は振る事は考えなくていいから。
脇を締めて、槍から当たりに行った時体がぶれないようしっかりと全身で固定して」

自分の槍を一旦置くと、ブレイドの後ろに立ち腕や脚の開き具合を細かく調整していく。
ある程度形が出来たら再び槍を構えて。

「槍は腕じゃなくて体で振るつもりで扱った方がいい、剣以上にね。
でもまずは振るよりもこうやって固定して……」

そう言うと数メートル先にあるカカシの方に穂先を向け、少し姿勢を落とすと駆け出していく。
正面から穂先が突き刺さる。

「構えが甘いと穂先が弾かれたり衝撃で体勢を崩してしまうから、とりあえずそうならないように当てられればひとまずは合格といったところかな」

振り返り笑顔で解説をしてみせる。

ブレイド > 「ん…まずは、固定か…」

姿勢を正しく調整されつつ、言葉を反芻。
先程よりは槍との一体感がましたような気がする。
なるほど、全身で使う武器なのか、これは。

「身体か。振り回すよりもまずは刺す。
んー、まぁそうか…槍は遠間から一方的に突く武器だしな」

納得しつつ構えを意地。
駆け出しはしないものの、その場で腰を落として槍を突き出す動作。

「オレはあんまタッパがねーからな…足腰ももうちょっと粘れるようにしとかねーとってことか…」

ふむふむとうなずいて感心したように。
剣とはやはり、大きく勝手が違う。これは教えられないとわからない。

テオドール > 「詳しくはそのうち専門の教官にでも聞くといいよ。
それまでの自主練習をしたいのならこのぐらいかな」

素直にアドバイスを聞き入れるブレイドに満足気に頷く。
足と手数を武器に戦ってきた以上違和感もあるだろうが、この調子なら槍にもすぐ慣れるかもしれない。

「もう少し続けるかい?
それなら暫く僕も付き合うよ」

教える事はそう多くはないが、変な持ち方をした時修正は必要であろう。
こうして、ブレイドの気が済むまで練習に付き合うのであった。
そして別れ際に、床に押し倒してしまった事の詫びとして後で何かしたいと強引に約束も取り付けてから屋敷に戻るのであった。

ご案内:「王都マグメール 王城・訓練施設」からテオドールさんが去りました。
ご案内:「王都マグメール 王城・訓練施設」からブレイドさんが去りました。