2018/05/23 のログ
ご案内:「王都マグメール 王城」にゼロさんが現れました。
■ゼロ > ――カツン、――カツン。 ――カツン、――カツン。 と、王城の大理石の通路に硬質な音が響き渡る。
夜の見回りの警備の任務に少年は今宵も配置されており、そして、巡回路を一人、静かに歩き、警戒する。
右、左、と周囲を確認するように仮面を付けた頭を動かして、視覚、聴覚、嗅覚などを総動員して周囲を確認する。
何時も通りといえば何時も通りと言えるマグメール王城を進み、通る貴族を、その連れを確認する。
――怪しい存在が変装していないか。
――魔法で隠れて、城の中に潜んでいないか。
仮面は、幻術を破り、魔力を認識する、魔法による隱業はこれで看破ができる。
技術による隠業は、少年の強化された嗅覚が、聴覚が、昼間のように明るく見せる仮面が、看破できる。
―――装備のおかげとは言え、思った以上に少年は、警備の仕事に適性があった模様。
■ゼロ > ただ、適性があろうがなかろうが、やるべき事に変わる事がなく、巡回路が変わることはそうそう無い。
配置を決めるのは上の意向であり、少年の考えることではない。
等間隔に着けられている明かりの魔法が付いた燭台、通路を照らして死角を減らしてくれるものの無くしているわけではない。
窓もあり、そこがちゃんと閉じられているか、窓の外から空を飛び入り込もうとするものがいないか。
少年は、窓の外を確認し、通路を見張り、進んでいく。
―――カツン、カツン、カツン、カツン。
少年のグリーブは、等間隔に時計のように大理石の通路を踏みしめ進む。
「……グリーブ改造したほうがいいだろうか。」
静かなこの通路、足音は少年がいることを示す、つまり、響き渡る足音は破落戸も聞こえるのだから、逃げる余裕が出来てしまうということだ。
ううむ、と一度立ち止まり、足元を見てみる。冷たい金属の足鎧を視界に入れた。
■ゼロ > 「魔法の鎧、だしなぁ。」
今着ているのは、自分用に調整された魔法の鎧なので、色々と改造できるのだろうか、できないのだろうか。
これを作った研究所は……自分のサポートの装備としてこの鎧を作ったが、その時は対軍戦闘用の防御&稼働時間延長の延命用装備として作られたのだ。
だからこそ、防御力と回復力は目を見張るものがある、隠密性は……お察しというやつである。だってそもそも想定されてない。
改造するにしても、この鎧を改造するためにいろいろ知識が必要なはずである。
自分は何一つわからないから、そうなのだろうと思うぐらいでしかない。
布でも巻いておいたほうがいいのだろうか、でも布巻くと格好悪そう。
どうしたものだろう、視線を前に戻し、周囲の警戒を再開しつつ考える。
今考えても流石に仕方がないし、相談できる仲間もいない。
軽く肩をすくめ、少年は歩く。