2018/04/22 のログ
ご案内:「王都マグメール王城地下 仕置き部屋」にフェイレンさんが現れました。
フェイレン > 目を覚ました青年が初めに感じたのは、頬を伝う冷たい床の感触だった。
両手をつき、うつ伏せていた上体を起こそうと力をこめると、体の節々に鈍い痛みが奔る。

汚れ仕事に従事しているため、こうした部屋に来ることは稀ではなかったが、
今日の自分は罰する側ではなく、罰せられる側だった。
このところ任務が上手くいかないことが多く、主人の激しい怒りを買ってしまったのだ。
あちこちに馬鞭と怒号を浴びた後、床に頭を打ち付け気を失ったことを思い出す。

憤ることに飽いたのだろう、既に主人の姿は無く、部屋を出るための鉄の扉は半開きのままとなっている。
青年は這うようにしてなんとか身を起こし、座る体勢を取ったが、まだ立ち上がる気にはなれなかった。
部屋の中央に置かれた台座に背を預け、虚ろな目で扉を見つめる。

ご案内:「王都マグメール王城地下 仕置き部屋」にネコさんが現れました。
ネコ > 王城内を疾駆する一つの影あり。
音も無く、旋風の如き速度で、廊下を駆け抜け。
その影は、あっという間に地下へと潜入。目的地である部屋へと辿りついた。

「……おい。フェイレンだな?」

仕置き部屋に突如現れた影は、中にいる人物に声をかける。
相手からは、まさしく幽鬼の如く出現したように見えるだろうか。

「……助けにきたんだがな。どうやら無用だったか?
 怪我の治療くらいはしてやろうか」

ローブで全身を隠した影は、そう言いながら相手に近づく。
近づけば分かるだろうが、かなり小柄な人物である。

フェイレン > 何の前触れもなく掛けられた声に心臓が跳ね上がる。
近づく誰かの存在などまるで感じ取れなかった。

相手の正体に考えを巡らせる暇もないまま室内に人影が現れ、
青年は光のない目を軽く見張り、弾かれたように立ち上がると、
もたれていた台座を飛び越えて相手との距離を取った。
謎の侵入者へ敵意をむき出しにしたまま、ローブの中の人物を睨みつける。
――無意識に腰に手を当てたが、いつも差している小太刀は主人に取り上げられていた。

「誰だ、貴様……。何故俺を知っている」

言葉を発すると鞭で打たれた口端が痛み、青年は不快そうに血の混じった唾を吐き捨てた。

ネコ > 影の正体、ローブの中身はミレー族の少女である。
ネコのミレー族であり、幼き頃ストリートチルドレンだった少女は、気配を殺し、音も無く行動するのを得意としていた。

「……おい。聞こえてるのか?
 返事くらいしたらどうなんだ」

立ち上がり、台座を挟み距離を取られれば、少女は不服そうに言う。
自分とて礼節などなっちゃあいないが。声をかけたのに返事もされず、おまけに距離を取られては気分が悪かった。
とはいえ、音も無く現れ、いきなり声をかけたのは少女自身悪かったとも思っているが。

「……使いだ。アサシンギルドのな。
 あぁ、知ってるか? アサシンギルド。そんな物騒なものが実在すると思うか?
 実在する。アジトもある。アタシはアサシンギルドから、あんたの救出を依頼された」

血を吐き捨てる相手に向け、ゆるり、とローブの中からポーションを取り出し渡す少女。

「回復のポーションだ。飲め。
 無料じゃねぇぞ。あとで代金は払えよ」

そう言いながら、少女はフードを外す。現れたのは、幼い幼い、悪戯っぽい印象の顔と、青いネコ耳で。

フェイレン > 不服そうな声で返事を求められて尚、青年は応えることをしなかった。
警戒しているせいもあったが驚きと混乱が大きく、何と言えばいいかわからないでいる。
――ギルド? 救出? 相手の言葉の意味が理解できず、先ほど床に打った頭部がズキズキと痛む。

ローブの中から現れたポーションの小瓶にさらに顔をしかめ、首を振った。
仕事上、毒薬の知識もある。初対面の相手から渡されたものに口をつけられるほど平和な生き方はしてこなかった。
試されているのか。理解の追い付かないこの状況に、神経が逆毛立っていくのがわかる。

「……お前、本当に何者だ。救出とは何の――」

そこまで言いかけ、ローブの中から現れた相手の姿に息を呑む。
人影の体格と声からして若い女であろうことは推測できたが、侵入者の正体は想像とあまりにかけ離れた愛らしい顔立ちの少女だった。
柔らかそうな髪の中から獣の耳がふたつ覗いており、ミレー族であることは一目瞭然だ。
その姿を見た途端に幾らか警戒心が溶け出してしまうのは、彼女の持つ技か何かのせいだろうか。

「……意味が分からない。説明しろ」

いくらか険の取れた声でそう尋ねた。

ネコ > いまだ返事をしない相手に、少女の苛立ちが募る。
足でたんたんたん、と床を踏みながら、頭を掻き。
しかし、自身が王城への侵入者であるという点を考慮し、声を張ることはしない。

差し出したポーションを拒否されれば、少女はそのポーションを台座に置く。
しかして、その表情は微かに緩み、笑顔と評していいようなものになっていた。
いや、実際の所正確にいうのならば。まるでからかうか、見下しているような笑顔であるのだが。

「へぇ。素直に飲まないたぁ。ちったぁ心得があるってか?
 ……アタシはネコ。冒険者ギルド所属の冒険者。
 で、アサシンギルドとのパイプを作るためにアンタの救出依頼を受けたって訳だ」

相手の振る舞いに愉快そうに言いながら、少女は両手を広げ、くるり、と回ってみせる。
ローブの裾がはためき、ふわり、と持ち上がれば。
少女の肉体の華奢さ加減が相手に見えてしまうことだろう。

「説明ねぇ。機を読め、つってもムリか。
 いいぜ、説明してやるよ。
 アサシンギルドはアンタの腕前を評価してる。で、ギルドに引き入れたい。
 アンタのご主人様のシュタルク伯は有名だ。言い意味でも、悪い意味でも」

腰に手を当て、得意気に説明を開始するネコ。そのまま、器用に背後の扉へと小石を投げ、半開きだった扉を閉める。

「当然ギルドはアンタの境遇も知ってる。そこでギルドの皆さんからメッセージだ。
 ……飼われたままでいいのなら、アタシの助けを拒め。
 人生を取り戻したけりゃ、ギルドに入れ。ってね」

くすくすと笑う少女。その語る言葉は、さながら悪魔の契約か。
さぁどうする? とばかりに。少女は相手を見つめる。

フェイレン > 己の主人の暴虐ぶりが名高いことは想定内だ。
彼は権力でもってそれをねじ伏せ、悪評でさえも利用している。
だが、よもやギルドなどという相手に自分の行いが知られているとは思わなかった。
それは己の落ち度ではないだろうか。

含みのある笑顔で彼女は、この場所にない自由を示すように軽やかに舞い、
色づいた唇で得意そうに言ってのける。主人を裏切り、ここを離れろと。
彼女の言葉がすとんと胸に落ち、ようやく状況を理解する。
そして真っ先に思った。――ならばこの娘は、主人にとって敵以外の何者でもない、と。

「……言いたいことはわかった」

落ち着いた足取りで台座を回り込み、相手との距離を詰める。
鋭さを湛えた虚ろな目で、小柄な少女の足先から顔までを撫で上げて。

「――もうお前を帰すわけにはいかなくなった」

低い声でそう言うと、華奢な手首に向け素早く掴みかかる。
武器がない分、体術勝負となる。俊敏そうな娘を捕らえるのは難しいだろうが、
彼女の身体の一部でもこの手に収まれば、重心を傾け強引に台座の上まで引きずり倒そうとするだろう。

ネコ > 全てを説明し、相手の反応を窺う少女。前かがみになり、相手を覗き込むように。
ん~? ん~? なんて、相手にどうするのか、と返答をせっつく。

そうして、相手がゆるり、と口を開けば。
少女はふんぞり返り、うんうん、と頷く。

「理解が早くて助かる。
 で、どうする? アタシにとっちゃアンタの選択なんぞどっちでもいいんだけどな」

救出の依頼とはいえ、どういったことをしろ、とまでは指示されていない少女。
最低限の仕事として、ギルドからの伝言は伝えたし。あとは相手の選択次第だよね、と思っていたが。
次の瞬間、相手が実に見事に奇襲をしてきて。

「……っ……。

 あんっ♪」

しかして、少女は何の抵抗もなく腕をつかまれ、台座の上へと倒されてしまう。
だがその表情は笑顔のままで、しかもなぜか楽しげな悲鳴まで上げていた。

「さっすが、ギルドが目をつけるだけはあるなぁ。
 ったく、オマエ、短気だとか、せっかちって言われないか?」

くつくつと笑いつつ、相手を見ながら目を細める少女。
圧倒的不利な状況だというのに、少女は余裕を見せている。

フェイレン > 誰かが自分を助けようとしている。その言葉が今も胸に反芻されていたが、
幼少の頃から植え付けられたこの生き方を易々と変えられるほどの度胸を持ち合わせていなかった。

掴んだ腕を引き倒すようにして彼女の身体を台座へ倒すものの、
間近から聞こえたのは愉快さを隠そうともしない声と笑みだった。
てっきり暴れ出すものと思っていたので少々面食らってしまう。

「何が可笑しい。……変な女だ」

よほど勝算があるのだろうか。
選択はどうでもいいと言っていたから、彼女自身はギルドの人間ではないのかもしれない。
細い腰に跨って自由を制したまま、黒いローブに手を掛け左右に剥ぎ取ると、
今度は華奢な両手首をひとまとめに掴み、女の頭上へと押し付けて。

ネコ > 相手の境遇については、ギルドは知っている。
だが、少女はそれを聞いてはいなかった。
そもそも少女はアサシンギルドに依頼されただけの冒険者なのだ。
だが、この一件でコネを作り、アサシンギルドに所属するつもりではあった。

掴まれ、倒されるまでの時間は僅か2秒未満。
相手の実力の高さが窺える、見事な手腕であった。
だが、少女は笑みを零すのを辞めない。

「何がおかしいってそりゃ、オマエの性急っぷりが、かなぁ。
 別にギルドは、ご主人様を殺せだの没落させろだのっては言ってないぜ」

相手に完全に拘束されながらも、少女はいまだ余裕の表情だ。
ローブを剥ぎ取られれば、その下はなぜかメイド服であった。
そのまま腕を頭上で拘束されるが、少女は言葉を続ける。

「ご主人様の下で働きながら、アサシンギルドにも貢献しろ、って話さ。
 そんで……。もしもシュタルク伯の暴虐が目に余るようになったら、裏切れ、って話。
 ってとこまで説明を聞いてから動いてほしかったねぇ」

ケタケタ、というよりはゲタゲタと笑う少女。相手がその言葉をどの様に取るかは分からないが。
少女の瞳は潤み、頬は朱に染まっていた。まるで、これからの展開を予期し、期待しているかのように。

フェイレン > 性急と揶揄されて尚、青年は眉一つ動かさずに眼下の少女を見据えている。
変わらず向けられる人懐っこい笑みにはどうも調子が狂いそうになる。

「お前が何のために働いているかは知らないが……この話を旦那様が知ればお怒りになるはずだ。
 そうなればギルドもお前も無事で済むとは思えない」

こうして虐げられようとも、主人にとって価値のある配下であろうことは自負している。
自分が主人の元を離れ、ギルドの庇護を受けることは反逆の意と捉えられるだろう。
気に入らないものは惜しみなく叩きにかかる。主人はそういう男だ。

やけに肝の据わった発言といい、ローブの中から現れたこの場に似つかわしくない服装といい、娘には驚かされてばかりだ。
一度手首を解放すると、彼女の脚の間に腰を下ろし、短いスカートの中に手を入れ、下着を引き抜いて床に放る。
その後、天井の金具から吊り下げられたベルトに片脚ずつを乗せると、まるで分娩時のように開脚する形となり、恥部が露わになる。

「……旦那様は獣の奴隷をお持ちではない。お前を差し出せばきっとお喜びになるだろう」

痣だらけの顔でそう告げ、娘のシャツの胸元を引きちぎる。
寝台から降りて主人の残した馬鞭を取ると、鞭の先にある革の部分で、すい、と女の白い太ももをなぞった。

ネコ > 笑顔満面の少女に比べ、相手は酷く無表情だった。
だが、そんな相手の様子も少女は気にした様子はない。

「何のため? そりゃあ決まってる。金さ。金。金の為だよ。
 アタシはアタシの身分を買い戻すために金がいるんだ。
 ……ありゃ。もしかして心配してくれてる?」

相手の言葉を捉え、少女はそう断言する。すべては金のためだ、と。
しかし、最後の一言には驚いたような表情で尋ねるが。
多分、そういう意味ではないのだろうな、と少女は理解している。

メイド服の中、下着を奪われ捨てられれば、少女は舌で唇を舐めるが。
足を拘束され、分娩台の上の妊婦のような姿勢になれば。

「あ~れ~、犯される~♪ やめて~、このヘンターイ♪
 ケダモノ~♪ 誰か助けて~♪」

まったく緊張感の無い悲鳴を、小声で上げつつ。少女は笑ったままだ。
露になったセクスからは既に蜜が滴り、少女のヒップまでをべったりと濡らしていた。

「……まぁ、それがアンタの選択なら私は何も言わないけどさー。
 言っておくけど、アンタに犯されるのはともかく、クソッタレの伯爵さまの所になんかいかないよ?
 そんなことになったら……アンタを殺してでも逃げてやる」

相手の恫喝のような一言に、少女は笑顔を消す。
代わりに浮かび上がるは殺意、敵意、害意。それまでの様子など欠片も残さず、少女は明確にそう宣言したが。
太股を鞭で撫ぜられれば、微かに身をよじり、また笑顔に。

「っつ~かさぁ、噂じゃアンタ、この手のプレイ得意なんっしょ?
 アタシもうここに来る前から期待でマンコ濡れっ濡れだったんだよぉ。
 早く、早くしようぜ♪」