2018/04/04 のログ
ご案内:「王都マグメール 王城」にレヴィアさんが現れました。
レヴィア > 王都マグメール、王城にて

大理石なのかそれとももっと高価な建築材で出来ているのか、カツンカツンと歩く度に聞いていて心地良い音が響く、だからわざと足音が鳴るように歩く暇人一人……。

取材でもなく、誰かに会いに来たわけでもなく、ただただ退屈に殺されない為に知識欲を満たす為に歩いて歩いて歩き続けて、今宵は王都で一番良く目立つ王城の中を散策中である。

こんな風の気持ちよい夜だからテラスに行こうか中庭に行こうか迷ったのだけど、過ごしやすさよりも面白さを求めての散策なのでわざと知らない廊下を歩き、角をひょっこりと覗き込みながら探って歩いて、面白いものを見つけようと好奇心のレーダー全開で、でも魔力は抑え気味である。

本当なら靴底から響く心地良い震動と靴音があるのだから、何時ものように赤い蝶を飛ばして歩きたいのだけど、勘違いされても困るし、迷惑かけたくないし……と誰が見ているわけでもないが、口元に少しだけ苦い味を交えて淡く笑む。


――…退屈嫌いの吸血鬼、今宵も一人、彷徨い続ける……。

「ああ……退屈は嫌いだわ?無粋な人間も美味しくないご飯も嫌いだけど、退屈はもっと嫌い……あと可愛くないのはもっともっと嫌い……。」

病的な程に白い腕を廊下の天井へと伸ばし、もう片方の手は自分の胸元にそっと添えて、何処か役者の如く演技の如く、大げさに声高に語り、苦味を交えた笑みを何時までも残して笑うのだった。

レヴィア > はち切れんばかりの好奇心を胸に抱き、歩き続けるまだ未探索の廊下は何もかもが未知の発見に溢れてる、事はないのだけど、見知らぬ道、行く先はどの部屋か、そう考えるだけでも少しくらいは好奇心も満たされようか、だが足りない、足りない、足りない、足りない……。

もっとゾクゾクさせてくれる危険は無いか、まだ見ぬ高価な品々はないか、まだあった事がない知恵者か麗しき騎士か穢れを知らぬ美姫か、もっともっともっと筆を走らせたくなるほどの未知はないものか、無い事こそある可能性でもあるのだと考えると、多少は自分に言い訳も出来る。

が妄想だけでは腹は膨れぬ満たされぬ。
口元に浮べる淡い笑みにも陰りが浮き立てばあまり可愛くない表情になるのも仕方ない事か。
一先ず足先を向けるのは外に開けるテラスの方に……。

道はわからないので、出来る限り外に向けて広がりそうな方向へ、なるべく階段のあるほうへ、途中で案内程度は見当たるだろうし、誰かと遭遇すれば道を尋ねてば良いと、カツンカツンと足音立てて歩き続ける。

ご案内:「王都マグメール 王城」にレヴィアさんが現れました。
レヴィア > 「………ンッ…………。」

鼻から息を抜くような、少しだけ甘い響きの声を零したのは急な魔力の揺らぎの所為で妙な気分に浸りかけたから、本来の吸血鬼である本性がゾワゾワとざわめき始めたから。

だけど場所が場所なので一度ヒタっと立ち止まり、廊下の壁に背中を預けるようにして凭れ掛かると、胸元に左手を添えてから静かに深く大きく空気を吸い込んで、静かに大きく息を吐き出し、なるべく飢えと共に湧き上がる衝動を鎮めて、平静を保とうとする。

慣れたモノ、ではないけど暴走するにはまだ遠く、無差別に鮮血を求めるのはそれ以上に遠く、何度か深呼吸をくり返していくと、心臓が打つリズムも緩やかな物になり、闇に染まる魔力もまた普段どおりのモノへと戻る。


「あっ、ぶな………何だろう?この辺りに何かあるのか?」

半分ほど素が出掛かり、言葉は多少荒くなるが、それも慌てて何も仕事の無い右手で鼻先をカリっと引っ掻いて、落ち着けと、自分に言い聞かせながら何度も引っ掻けば、此処はあまり長居する場所ではないと判断し、再び歩き出す……今度は出口のほうへ、流石に道を覚えていない……わけはなく、王城より無事屋敷へと帰るのであった。

ご案内:「王都マグメール 王城」からレヴィアさんが去りました。