2018/03/27 のログ
ご案内:「王城内の練兵場」にフォーコさんが現れました。
フォーコ > 王城内の練兵場にて、主に第五師団のメンバー内でも実戦経験が浅い者を相手に稽古をしていた。
私一人で全員の面倒を見ることは不可能なので、私以外にも腕に覚えがある者を指導役で呼んでいる。

師団以外でも所属先の事情などで稽古の機会に恵まれない者も混じっていた。

「そうそう、その調子だ。 ちなみに実践では二人以上でかかるように。
君らはまだ若いんだし、無理をする必要はないぞ。」

私は刃挽きした剣を手に新兵達と打ち合いをしていた。
型通りの動きをくるだす彼らに対し、私は武器を弾き飛ばしたり、あるいは足で蹴り飛ばしたりして応戦していた。

私の剣は実戦で培ったと言えば聞こえは良いが、汚い我流。
あまり人に教えて良いか悩むところだが、それでも実践の練習には良いだろう。

「よしよし、そのまま。 そのまま。 よし、いまだ!」

私が振りかぶり、相手の首元へ狙いを定めた所で背後からもう一人が現れ
私の背中を斬り付ける。
実際は彼らの武器も刃挽きをしているので軽く当たって終わりだが。

フォーコ > 「素晴らしいではないか。
ちゃんと私が教えたとおりに動いてくれたな。」

私は新米の兵士二人と拳を突き合わせた。

「今ので良い。 うちは他よりも危険度の高い戦場が多いんだ。
だから君たちも騎士道とかはいったん忘れて敵を潰すことだけを考えておくれ。
それと、わが身の安全。 戦場では私もずっと隣には居れない。
自分よりも強い相手が出てきても今の戦い方を守れば勝機はある。」

私の代になってから色々とやり方を変えた。
それまで同様、難易度が高い戦地へ送り込まれる状況は変わらないが、
此方側の被害が格段に減少したのだ。

「後は他の者に教わると良い。
私は疲れたので少し休ませてもらうとするよ。」

私は訓練の輪から外れた。
練兵場の隅で床の上に尻を置くと、彼らの練習風景を眺めている。

フォーコ > 休憩している所で私を呼ぶ声が。
私は剣を手に取ると呼ばれた方へ。

ご案内:「王城内の練兵場」からフォーコさんが去りました。
ご案内:「王都マグメール 王城」にルクレースさんが現れました。
ルクレース > 春の女神が、ショールを広げるように、薄紅色の小さな花が満開に咲き誇って空に枝を広げる様が庭園に見られるようになった。
春のひとときに咲いて、散ってしまうその花が咲くのを待っていたように、その時がやってきた。
初めてのお産は、陣痛が始まってから長い時間を要し、傷の痛みとは全く異なる陣痛の痛みは想像以上のものだった。
陣痛の感覚にあわせてかけられる、産婆の声にいきみ、力をゆるめて、と何度繰り返したことだろう。

「………っ」

小さな命が、その産声を響かせた瞬間に琥珀色の瞳から涙が零れおちた。
小さい命なのに、その力強い産声に胸の内に洪水のように言い表せないほどの歓喜が沸き立っていって、言葉もなく涙としてこぼれ落ちていく。
女性が子供を産むという仕組みも、頭では理解していたし、
ずっと誰よりも傍にいて、大きくなってからはしきりにお腹を蹴る動きに、お腹の中で確かに息づいているという実感もあった。
けれど、こうやって産声を直に聞くと母になったのだという実感はより強くなって、命が生まれる喜びは何よりも代え難いものだと感じて。

ルクレース > 部屋の外にまで響くのではないかと思うほどの、元気な声を響かせる赤子は侍女の手によって柔らかな布で羊水を拭われていく。
その間に、後産を産婆の手によって済ませられると、そっと絹のおくるみに包まれた赤子がルークの腕の中へと手渡される。

「……かわいい…。」

思わず、そんなつぶやきが溢れるほどに小さな我が子がかわいいと思った。
まだ目も開かず、シワシワなその子は懸命に生きようとするかのように、触れたルークの指を小さな小さな手でぎゅっと握る。
その小さな手には、ルークと同じようにけれど、とても小さな爪があるのが見て取れた。
湧き上がるのは、愛しさと庇護欲。
その気持ちに呼応するかのように、じわりと母乳があふれてくる。
そっと胸へと顔を近づけるようにして抱きなおすと、目も見えていないはずなのに、その子は母乳の滲み始めたそこを間違わずに口に含んで乳を吸い始めた。
可愛くて、愛しくて、生まれてきてくれたことが嬉しくて、会えたことが嬉しくて、自然と目尻が下がって唇が綻んでいくのが感じられる。

ルクレース > 乳を飲ませたあと、ゲップのさせ方などを産婆や侍女に教わりながら夜は更けていった。
ご案内:「王都マグメール 王城」からルクレースさんが去りました。