2018/03/08 のログ
■ゼロ > 気を取り直してしまえば、お腹がすいてくるものである。
食堂に寄ろうか、と考える。
しかし、ここであれば、街に出ても良いかも知れない。
タナール砦も、それなりに気を使われているものの、美味しいものは、やはり街であろう。
ずっと砦にいたからか、給料は溜まっているし懐はそれなりに有る。
それでもまあ、今から繰り出すには少し遅いかも知れない。
なら、今日は我慢してここで食べることにして、明日外で食べるのもいいだろう。
決めた。
そう考えてから、少年は兵舎の食堂へと移動することにした。
砦のそれとは違う、豊富な食材のご飯。
たのしみである。
■ゼロ > カツコツと少年は食堂までやってくる。
先程、我慢と言っていたが、我慢というのは表現としては正しくないかもしれない。
だって、今までずっと食べていたものよりも美味しいのだから。
たまに戻った時にここで食べたけれど、毎回砦のものよりも美味しい、それは間違いがない。
食べること以外にほとんど楽しみがないから少年としては、美味しいものを腹いっぱい食べるのはこの上ない幸せである。
仮面の下で、少年は口元が緩むのを覚える。
食堂にたどり着けば、少年は受付へと移動する。
そして、2~3人前の食事を注文して、驚かせてしまうものの、軽く謝罪しつつトレイに盛ってもらう。
人がいないのだけれども、癖である隅っこの席に移動し、腰掛ける。
そして、仮面を少し上にずらして黙々と食事の開始。
■ゼロ > 一人では食事は早く終わってしまうものである。
もぐもぐもぐもぐしていれば、どんどん減っていく料理。
肉も、魚も野菜も果物も穀物も。
べりー。美味し。
こういうふうに食事をしていると生きてるなって思う。
我ながらに安い幸せではあるけれど、それでいいような気もする。
ある程度お腹に収めてから、のどが渇くので、水をぐびぐび。
ぷは、と軽く息を吐き出して、残りに挑戦する。
大丈夫、注文した分は食べきれる、というか少し物足りない気もする。
普段暴れまわるからだろう、食べる量はそれなりにある方だと思う。
食堂で一人、黙々と食事する少年。
■ゼロ > 「けふ」
静かに食事を摂っていれば直ぐに終わるものである。
最後の一口を口に運んでから軽く息を吐いて水を飲む。
それから忘れずに仮面を下ろして自分の顔を隠す。
それら一連の作業が終わってから少年は、トレイを持ち上げて歩き始める。
受付にトレイを返して、食堂の人にお礼を言って。
それから、そのまま食堂を出て、隊舎へ戻る事にする。
何ヶ月ぶり家の部屋で、のんびりと休むことにしよう。
ご案内:「王都マグメール 王城」からゼロさんが去りました。