2018/01/23 のログ
ご案内:「王都マグメール 王城 図書室」にツァリエルさんが現れました。
ツァリエル > 昨夜から降り出した雪は王都の至る所を真っ白に染め上げてしまった。
そして今日は雪も止んで快晴ではあるのだが、ひどく冷える気温だった。
王城と言えど廊下は通る度に凍えるような寒さで、時折侍女たちが白い息を吐きながら行き交う姿を見た。

ツァリエルはといえば、なんだか体がだるく重いし庭園は風邪を引いてしまうからと
侍女たちにきつく言い含められて散歩にも出かけられなかった。
仕方なく、何か勉強でもしようと本を借りに図書室へと出かけてきた次第である。

そういえばこの間してしまった情事の頃から体調がなんとなく悪い。
腹部はさほど膨らんではいないが、どうも中に何か熱を孕んでいるような気がする。
そう思うと、自然と勉強の課題の本棚からは遠ざかり、女性の生理現象について書かれている本を探してしまう。
ためらう心は合った。年頃の自分が女性のそうした秘め事について生意気にも知恵をつけているところを見られたら
からかわれるのではないかという恥じらいも合った。
しかし今は一大事である。何より自分の体のことなのに自分で知らなさすぎるのはそれこそまずいと思えたのだ。

ツァリエル > きょろきょろと周りを伺い、誰も居ないことを確認するとそっと書架と本の背表紙を眺めて目的の本を探す。
どちらかというと医学書だろうか。
あまり専門的なものだとツァリエルの頭では理解出来無さそうだし
簡単な解説や基礎的なものが載っているものが好ましい。

それと思えるものを一冊抜き出してパラパラとページを捲ってみる。
が、赤裸々に描かれた挿絵にびっくりして思わず本を取り落としそうになった。
顔を真赤にした後すぐに書架に本を戻してしまう。

ツァリエル > 恥ずかしさを押し殺して、結局女学生向けの解説本を抜き出すと
趣味の英雄譚や絵本の間に隠し持つようにして借りてしまった。
司書が訝しげな顔をしているのを恥ずかしそうに俯いて避け、
足早に私室へ戻るとベッドに置かれた枕の下へ本を隠してしまう。

意識せずともそれほど如何わしい本ではないのに、やっぱり少年の心には恥ずかしい。
こういうときに相談できる相手でもいれば良いのだが、とため息をついてベッドに潜り込んだ。

ご案内:「王都マグメール 王城 図書室」からツァリエルさんが去りました。