2017/12/02 のログ
ご案内:「王都マグメール 王城」にルクレースさんが現れました。
■ルクレース > パラ、パラと書類を捲る音が静かな執務室に響いていく。
時折音が途切れては、書類の底を机で叩いて紙と紙の上下を整える音が響いてまた書類を捲る音が繰り返される。
ドラゴンフィートの収支報告書から、各部隊の活動報告。
他の師団や騎士団の動向をまとめたもの、師団長宛の書簡、私信の書簡とそれぞれのカテゴリに分類しては、読みやすいように重要度順に並べていく。
それらの作業が終われば、次は既に読み終えられている書類をファイリングして、と黙々とルークは書類の整理を行っていく。
「………。」
ちらりと、視線が書記官に返信を以来するボックスに放り込まれている書簡類へと向く。
そこには、既に幾度も見た箔押しされた冊子の数々は積み上げられている。
王族となった彼と、繋がりを作りたい貴族は多く未だに彼のもとにはこういったものがよく届いている。
箔押しされたそれは、開かなくとも中にはきれいに着飾った女性のポートレイト収められているのを知っている。
彼と婚姻関係を結ぶ前は、いくつもそういった類の書簡の処理を行っていたからだ。
「………。」
ふ、と微かな吐息を零して視線をそこから引き剥がす。
より優秀な子孫や、貴族や他の王族とのつながりを持つためには、必要なものであると冷静に理解している部分と、胸の中でざわつくものが混在している。
それは、以前知った嫉妬という感情に似ているようで少し異なる。
彼の傍にいられるだけで、その立場と力を与えてもらっただけで十分なはず、これ以上望むのは贅沢だとざわつく胸の中のものを押し込めるように、また少し長い吐息がルークの唇からこぼれ落ちた。
ご案内:「王都マグメール 王城」からルクレースさんが去りました。