2017/07/24 のログ
■タマモ > 『結界を張っているとは言え、油断すればどうなるか分からん。
悪戯も結構だが、何かある前に切り上げろ、馬鹿狐』
不意に、どこからか男のものである声が聞こえる。
その言葉を聞きながら、グラスへともう一杯注ぎ、ひらりと手を振った。
「ふむ…心配し過ぎじゃ、妾を誰と思うておる?
軽く上物のワインを頂戴してきただけで、何も問題はなかろう。
どうせ将軍様はそこらの宴で大忙しじゃろうて、のぅ?
それに、宴も開かれておらぬ場所に、立ち入る者も居らんじゃろうて…多分?」
くすくすと笑い、再びグラスを手に、唇を付けて傾けた。
今この時間もどこかで宴は開かれている、言葉の通り、そうそうここには誰か来る事もないだろう。
こうしてのんびりとワインを味わっているのは、男の言った結界がある為だ。
魔法ではない、妖力によって張り巡らされた中の存在感を希薄にさせる結界。
同じ妖の類や、この場に足を踏み入れた者にしか、今の自分の存在をはっきりと感じ取る事は出来まいと。
■タマモ > 「ふふ…そうそう見付からぬ、見付かったとしても…」
ぐいっと残りのワインを呷り、視線を廊下へと移す。
「………口封じでもすれば、良い事じゃ」
ぽつりと呟き、うんうんと自分の言葉に頷いていた。
まぁ、そんな事とならないのが、面倒もなくて一番ではある。
それが知人だったらどうするんだ?なんて意見は却下だ。
ご案内:「王都マグメール 王城」にマリエルさんが現れました。
■マリエル > そうそう誰も訪れぬはずの庭園に、人影が現れた。
国を挙げての肇国節の催しの中、ドレスアップされた甲冑を着込み、剣を携えた少女騎士。
「面妖ですね…」
まだ幼さの残る顔に、不審の色を浮かべて周囲を見回しながらゆっくりと歩く。
「この辺りから不可思議な感じを覚えたのですが……」
どうやら勘がいいらしく、効果そのものは分からずとも妖力そのものの気配を感じて見回りに来た模様だ。
■タマモ > 「おや…?」
人が寄り付かぬと思っていた庭園、そこへと近付く気配。
それを感じれば、ぴくりと耳が揺れる。
「珍しい…この気配、人間のものか?
…せっかくの来客ならば…」
来客と言う表現は少々正しくないか、ともかく、足を踏み入れられてしまっては…仕方ない。
ことりとグラスを再度テーブルに置けば、くるりと指を振る。
結界の周囲へと力が広がり、侵入者を飲み込むように包み込んでゆく。
大した事はしていない、この侵入者を結界へと取り込んだのだ。
これで少女の存在が己と同じ、結界の外部に対しての存在感は希薄なものとなっただろう。
…脱出の出来ないおまけを付けて。
■マリエル > ぴたり、足を止めた。
またしても、何がしかの術の発動を感じ取ったのだ。
魔族相手の戦いも経験した少女騎士は、そうしたことに聡かった。
「……何方ですか。人気のないこのようなところで、何をしているのです」
脱出不能の状況までは流石に知る由とてなく、まだ見えぬ存在に対し誰何する。
■タマモ > よいせ、と椅子から腰を上げる。
そうすれば、侵入者の目にも己の姿は見えるようになっただろう。
もっとも…端の席を選んで座っていたのだから、見える姿は少々影に隠れてしまっているが。
「ふむ…さてはて、お主は妾が何をしておると思う?」
くるりと振り返り、相手を見ようとするが…こちらからも影になって見え難い。
ゆらりと、物陰からその姿を現わすだろう。
狐の耳と複数の尻尾、異国風の衣裳であろう着物、そんな姿をした少女が侵入者を楽しげな表情で見詰めていた。
■マリエル > 思いがけず返事があった。
響いた声は、少女騎士と同じ年頃の、甘さを湛えた声に聞こえた。
「貴女は……」
現れた姿を碧眼に映し、声を上げた。
明らかにこの都の文化圏ではないが、今は時が時。いかな格好であれ咎める理由にはならない。
魔族、ともミレー族とも違う雰囲気に対して少女騎士は居住まいを正し、声を紡いだ。
「……それを与り知らぬがゆえにお聞きしたまで。
血の臭いはしません。で、あればこのようなところで隠れる必要もありません。
それよりも、今は奸族も入ってくることができます。
ご婦人が、人寂しい場所に1人は危険ですよ」
生来の生真面目、もしくはお人よし。
人目につかない場所で術を用いていた相手に対し、少女騎士はまず、その見目から身の心配をしていた。
戦場では武勲も上げているが、街中ではまだまだ甘さが残るといったところか。
■タマモ > おやおや、何を言い出すかと思えば…何とも間の抜けた事。
侵入者、もとい、何とも飾り気のある甲冑を身に付けた、今の己の見た目に近い年であろう少女。
その少女からの言葉に、内心そんな事を考えてしまう。
「ふむ…ここは、そんなに危険な場所か?
人寂しくと気遣うならば、少々相手をしてくれると嬉しいものじゃ」
にっこりと、人当たりの良さそうな笑みを浮かべてみる。
言葉と共にテーブルを指差し、少女がそこへと視線を向ければ、今飲んでいたワインボトルとワイングラスが見えるだろう。
■マリエル > 鮮やかな布地やフリルをつけた甲冑はそれなりに手のかかった代物と知れる。
それから浮くでもなく着こなした少女騎士は、狐少女の笑顔に若干絆されるものがあった。
「……そういうことでしたか。1人で酒席を楽しまれていた、と」
ふうと安堵の息を吐く。実のところいつでも抜剣はできるように構えていた。
「……例年、この催しでは裏で揉め事も起きるのです。
華やかではありますが、同時に祭りの熱狂は人を狂わせることもあります。
……お1人よりは2人の方がよいでしょうね。
飲むことはできませんが、お相手しましょう。
私は、マリエルと申します」
一礼を送り、歩み寄る。まだ脱出不能だなどとは全く分かっておらず。
■タマモ > 勘は鋭い、だが、相手を信用し過ぎる節が見える。
この世界でその愚直さは、余りにも危険な事だと知らぬのか。
相手よりも、まず自分を心配すべきだろうが…まだ経験が足らぬのだろう。
己を前にして、安堵の息を吐く姿に、そう思うが言葉にはしない。
「なるほどのぅ…それはそれは、恐ろしい事じゃ。
何じゃ、ワインは苦手かのぅ?…まぁ、無理には勧めんが、先を考えれば一口二口くらいはいけると良いやもしれんぞ?
おっと…マリエルか、妾はタマモじゃ。
覚えて得も損も無い、覚えるも忘れるもお主の自由じゃろう」
そんな言葉を返しながら、元居た席に戻り腰を掛ける。
と、そうした中、結界に広げた力に混ぜ、別の力を広げさせてゆく。
この空間に居れば居る程、この結界に取り込んだ者の体の火照りと感度を上げてゆくものだ。
まぁ…効果の程は相手による、効かないなら効かないで、それで良い。
もし、効くのならば…その時は、とても楽しい一時を過ごせるだろう。
■マリエル > 戦場とその危険は知っていても、この世界の悪意はまだ知らぬ身。
タマモの推察は的を射ていた。
「今は酒類は絶っております。折角お誘い頂いたところ、すみません。
……タマモ様ですね。承知しました。名を頂けるのは喜ばしいことです。ありがとうございます」
微笑みを返す。言葉は、礼儀作法の書物に出てくるような建前論だが、それを心から信じ、タマモの名を聞けたことも本当に喜びとしていた。この街では朴訥過ぎる考え方だった。
「武辺の身ゆえさして面白い話はできませんが、それでもよろしけれ、ば……?」
なんとはなしの不調を感じた。足元に若干のふらつき。
身を襲いつつある熱っぽさに足が止まった。
■タマモ > 「お、おぉ…禁酒とな?それは大変じゃ、美味しいのにのぅ…
いやいや、礼には及ばぬじゃろう」
その言葉に呟く言葉は、本当に残念そうだ。
そして、名乗るだけで喜んでいるような少女に、ひらひらと手を振って見せた。
「うむ、構わん、怖い話と痛い話以外で頼むぞ?」
そんな言葉を返しながら、グラスへとワインを注ぐ。
ゆらりと揺らぐ尻尾で、勧めるように相席となる位置の椅子を引いてみせた。
違和感に足を止める少女に、軽く首を炊げてみせて。
■マリエル > 他人事だというのに余りにも残念そうなので、思わずくすりと微笑んだ。
「タマモ様は、本当にお酒をお好きでいらっしゃるのですね。
いえ、私にとっては嬉しいことですから」
大分柔和な態度になった少女騎士はそう告げて。
「私もそうした話は得意ではありませんから、ご安心ください……
……ああ、いえ、少し疲れが出たのかも知れません。ずっと見回りをしていましたから。
お気持ちに甘えさせていただきますね」
若干の疲労、と結論付けて相席に預かる。
この甲冑は、上半身はしっかり護っているが、下半身は簡単なドレスのようなもので、こうした動きに支障はない。
だが、思った以上に体重をかけて座ってしまい。
「っふぅ……しかし、夜になっても、暑さが抜けませんね……」
自分の体の火照りをそう勘違いして会話を続けた。
■タマモ > まぁ、今は…なのだから、その内に飲めると考えれば良いか。
美味しいものは美味しい、他人であろうと、それを絶っているのを見るのは何とも言えないものだが。
「うむ、種類にもよるがな?苦味が強過ぎるのは苦手なのじゃ。
むむむ…まぁ、お主が嬉しいならば良い…のじゃろうか?」
難しい事を考えるのは、苦手だ。なので、それで良しとしておいた。
「ならば安心して聞ける、ささ、どんな話があるのじゃろうか?
ふむ…見回りか、ご苦労様じゃ」
内心細く笑みながら、席に腰掛ける少女を正面から見詰める形に。
少女の反応は、思いの外に分かり易かった。
そのまま、少しの間、少女の格好をよく見るように上へ下へと向けて…
「そんな時期じゃからな、もう少し涼しくても良いものじゃろうにのぅ?
と言うか…そんな格好だから、暑いのではないか?
どうせここには誰も居らん、その熱の篭りそうな金属…?くらいは、外しておいてはどうじゃろう?」
暑さを示すように、ぱたぱたと手で扇いでみせて。
続けて、その原因っぽい少女の格好を指摘してみる。
うん、少女の甲冑の名称がすぐに浮かばなかったので、そう呼んでおいた。
この調子なら、もう少しのんびりさせておけば、その着付けている甲冑の下の衣服が擦れてさえ、軽く感じてしまうまでになるだろうか?
■マリエル > 「お酒にも色々あるのですね……はい、良いということにしておいてください」
感心したように言っては、微笑みを見せる。
表情の変わり方は、騎士といっても年頃の少女そのものといった所か。
「戦場働きが多かったのですが、間一髪で事なきを得た話など、どうでしょうか。
ああ、ありがとうございます」
体の火照り。頭が何となくくらくらして、思考がいまいち纏まらない。
そこに、タマモの言葉が入り込む。
「あ……そう、ですね……
確かにそうかも……知れません……」
アーマードレスの胸甲部分に手を添えた。
普段なら、ここで躊躇するところである。
だが、今は暑さとなんとも言えないむずがゆさに支配され、ボタンを外して、取り去り、地面に置く。
すると、鎧に押しこめられていた大きな胸が、装飾の施された衣服越しにも存在を主張していた。
本来はこれがコンプレックスなこともあり、人前ではあまり薄着になりたがらないのだが――
「っ、く、ふ……」
漏れた声は、甲冑を取るために動き、服がすれた際に走った感覚ゆえ。
「……?」
頬を赤く染めていることにも気付かず、本来は凛としたまなざしをとろんとさせながら、首を傾げて。
■タマモ > 「もちろんじゃ、どんなものも、一つではないのじゃからのぅ?
いやはや、どんな些細な事でも喜べるのは羨ましい事じゃ」
その辺りは、自らの身をもって知っているから分かる事。
ふっ、とハズレを引いた時の事を思い出しながら、どこか遠い目をして。
と、視線を戻せば少女らしき表情の変化が見え、くすりと笑う。
「そうじゃな、では、それをお願いしようか。
うむ、皆の安全を守っておるのじゃろう?労いの言葉程度、軽いものじゃ」
少女の話も、これからの楽しみのおまけとして聞かせて貰おう。
掛ける言葉に、まるで操られるように甲冑を外し、地面に。
堅苦しい金属は取り除かれ、ドレス姿に、それによってはっきりと分かる胸の大きさに、見詰めている目を細める。
「ほれ、話とやらを始めてくれて良いぞ?
しかし…本当に暑い夜じゃな、マリエル?
こんな暑い日には、もっと涼しくなる為に…それも脱いでしまおうか?
きっと、微風がとても気持ちよく感じるじゃろうて…な?」
グラスを手に、唇を付けて味を…そして、目の前の少女の姿を楽しむ。
少女の蕩けた表情に、流れるように誘いの言葉を続けて。
遠慮するならば、それはそれで考えるが…
従い脱いだのならば、肌を撫でるような風にも軽い刺激を受ける事がその身に感じられる事だろう。
ご案内:「王都マグメール 王城」からタマモさんが去りました。
ご案内:「王都マグメール 王城」からマリエルさんが去りました。
ご案内:「王都マグメール 王城 とある姫の寝室前」に砂姫さんが現れました。