2017/06/14 のログ
ご案内:「王都マグメール 王城」にラフェルさんが現れました。
ラフェル > 王城にある庭園、今は人気の無いその場所に小さな天使が舞い降りる。
一度大きく羽ばたき地面へと降り立てば、その翼はたたまれて。
そうしてやってきた天使の足元には小さな雛鳥が見える。
まだ巣立つには早過ぎる、小さな小さな雛鳥だ。

屈み込み、伸ばす手が優しく雛鳥に触れる。
震えているのは怯えているせいか、それとも落ちたせいで体が傷付いているのか。
雛鳥に触れたまま目を閉じれば、触れる指先が薄っすらと白い輝きを放ち始めた。

ラフェル > 「貴方はまだ生を全うすべき道が残されています。ここで死すべき運命では無いのです。
それに…それを願う方達も居る。
私に出来る事は祈るだけ、それはほんの小さな力。
でも、貴方達が強く、強く望むならば、それは大きな力となるでしょう」

触れる指先を雛鳥から離し、胸元で両手を祈るように組む。
目は閉じたまま、唇が小さく動き何かの言葉を呟く。
雛鳥を包む輝きは少しずつ膨らみ、そして、その小さな体が緩やかに浮かび始める。

ラフェル > 時間でいえば数分程度、その雛鳥は親鳥の待つ小さな巣の中へと戻っていった。
祈りを終えて息をつく。
屈めていた身を起こせば、雛鳥の戻った巣を見上げて微笑んだ。

「私はただ祈っただけ、救いは貴方達自身が起こしたもの。
開かれた先の道を精一杯生きて下さいね?」

見上げ、微笑んだまま言葉を紡ぐ。
こうして自分が力になれる事は、いつも嬉しく思う。
未熟な自分であろうとも、こうして出来る事はあるのだから。