2017/03/28 のログ
ご案内:「王都マグメール 王城」にシャーロットさんが現れました。
シャーロット >  
「──え?」

"カタン"

静まり返った室内に響く小さな音
単にカップを皿へと置いただけの音がその時は妙に大きく聞こえた

王城内、フェルザ家に宛てがわれた資質
そこでティータイムを楽しんでいたシャーロットの表情は驚きの色に染まっていた

シャーロット >  
"第零師団の団長が王族の養子に"

その事実を伝えに来たフェルザ家に使える侍女は慌てるように一礼してその部屋を出た

既に王国貴族の間では話題となっているらしい、
それもその筈、王族の家柄だけならば兎も角、その名に連なる力といえば……

「……何を企んでいるのかしら」

眉を顰め、キリ…と歯を鳴らす

全てが全てのまま事実ならば、
もはやフェルザ家の名をもってしても飼い慣らせるものではない

元々周到な人物であったのは承知の上だったが……

立ち上がり、紅茶など放置したままその部屋を出る
廊下を歩むその歩調は苛立ちというよりもどこか、焦りのようなものを感じさせる

シャーロット >  
「(私のやってきたことを振り返れば、フェルザ家の今の立場から崩されかねない…)」

すれ違う王国貴族に事の信用性を問い詰めるも、どの貴族も首を振るばかり
"否定"を意味するその動作は、この件に関する肯定性をより強めてゆく

「(認めないわぁ、そんなこと)」

急ぎ手を回さなければならない
王国貴族などではなく、フェルザ家に徴税監査官を任せた王族の系譜
我が家系と懇意にしている一部の王族達にだ

シャーロットの見せる珍しい余裕のない表情に、
問い詰められる貴族達は顔を見合わせその背を見送ってゆく

廊下を歩く歩調は更に早まり、誰が見てもその焦りを見て取れる───

ご案内:「王都マグメール 王城」にカレリアさんが現れました。
カレリア > 「珍しいものが見れましたわね」

廊下を進む主人シャーロット
部屋での会話を盗み聞いていたのでどうして彼女の様子がおかしいのかは理解している
自分が彼女の側に居て初めて見る焦りの表情

「流石にいつもの余裕を見せていられる状況ではないのですか?」

廊下を歩くシャーロットの進路を塞ぐ様に立ったカレリア
自分の行動を邪魔したのだから勿論黙って許す彼女ではないだろう

シャーロット >  
「!」

自分の前に現れた影にその足を止める

「退きなさいカレリア、邪魔だわぁ」

自身の奴隷を睨めつけるその表情は普段はまず見せることのないもの

カレリアの言葉通り、余裕を見せられる状況ではない
あの男の考えがどうであれ、フェルザ家の牙城を足元から崩される"可能性"がないとは言えない

シャーロットもまた保身を第一に考える王国貴族の一人、
そこに脅威を感じないわけがない

カレリア > 「もちろん退きますわよ。いつもの貴女に戻るなら」

数歩近付き顔を覗き込む
この距離で見ればより深く確信する
自身の根底から崩される恐怖、そしてとても大きな不安を感じていると

「座して待つほど愚かだとは思っていませんわ
けれど、弱ったままの貴女を通しては優しい奴隷の名折れですので♪」

普段であれば彼女はミスを犯すこと等ないだろう
賢い狂人、それが自分の中での彼女の評価
しかしやはり彼女も感情を持つ人間、焦りや恐怖は時に自分でも気づかない失敗を産む
ましてやこれから彼女が相手にするのは只の人間ではない

「焦る気持ちは分かりますがいったん深呼吸でもした方がいいですわ。
子供が見ても分かる程動揺したまま何ができると言いますの?」

シャーロット >  
「手は必ず相手よりも先に打たなければいけないのよぉ…?
 落ち着いて深呼吸なんてしている暇はないの、わかるぅ?」

苛立たしげに鞭を取り出し足元に向けて振るう
こんな場所で、と遠巻きに見ていた貴族達も一歩下がりはじめた

「貴女は奴隷だからいいかもしれないけどぉ…
 私は今の立場から下に身を窶すだなんて我慢できないの」

カレリア > 「先手を打ち損なえば元も子もないですわよ?」

廊下に響く鞭の音
彼女の怒りを買えばどうなるかよく理解している貴族が怖じ気付くのは仕方ない事だろう
自分だってそんな事は理解している

「いつもであれば嫌味の一つでも挟む貴女が直ぐに得物に手を伸ばしましたわね?
自分がどれほど冷静さを欠いているか、理解してくださいませ。」

そう言って頭を下げる
頭を上げたカレリアの瞳には悪意の色は一切ない

「主人であり、親しい貴女の事を心配しただけですわ
私は貴女の身の破滅を望んでいません…」

友人として、そう言えば彼女はその言葉をどう感じるのだろう
奴隷の同情なんて深いと言われてしまうのだろうか

シャーロット >  
「打ち損ないも出遅れるも同じこと、この場合はいち早く動くことが肝要なの」

そう言って片手を振るうと、再び弾けるような高い音が響く
カレリアの立つ、その真横の床へと打ち下ろされたのだ

「退きなさい!!
 私の身を案じるならば尚のことだわ!!」

続いたのは、怒声
くわばらくわばらと貴族達が廊下から去り、再び静けさが訪れる

カレリア > 「…では、どうぞお先へ」

半歩ずれて進もうとした先を手で示す
今これ以上彼女を引き留めても逆効果になってしまう
怒り心頭の様子で進む彼女の背中を見送り

「仕方ないですわね」

奴隷は奴隷らしく表ではなく裏で動くしかない
視界で彼女を見失えばそこからまた歩き出す
城内の構造は既に覚えている、シャーロットの魔力も追えるので追跡の問題はない筈