2017/02/25 のログ
ご案内:「王都マグメール 王城」にタマモさんが現れました。
■タマモ > 王城内、とある師団の将軍の執務室。
その場所へと、ゆらりと姿を現わした少女。
表情はどこか不機嫌そうなものだった。
何でこんな場所にやってきたかって?
誰も居ないのを確認すれば、ずかずかと棚に歩み寄り、伸びる手が置かれていた酒瓶を掴めば分かるかもしれない。
単に、気兼ねなく無料の酒を呷れる場所として、ここが頭に浮かんだだけである。
…うん、執務室の主からすれば迷惑な話だ。
酒瓶の蓋を開け、ぐいっとラッパ飲み、行儀が悪い。
どっかとソファーに腰を下ろし、軽く考える。
あの場合、自分に一体何が出来たのだろう?何をすべきだったのだろう?
力を持とうが、永く生きてきていようが、いまだに出来ない事が数多い。
一つ一つの存在が違えば、何をしてやるも、それぞれの対応する方法も違う。
何が正しく、何が間違っているのか、何とも難しい話。
…いや、それとも、自身の存在自体に問題があるのだろうか?
人間と永い年月を共に生きようと、所詮は…人に害をなす存在だからか?
遥か遠い昔とも言える、まだ幼かった頃、ある人間と交わした約束。
そんな小難しい事を考える中、ふっと何気に思い出していた。
■タマモ > まったく、人間の飲む酒は度数が低い。
機嫌が悪ければ、普段はそれなりに美味しく頂ける酒も、味が落ちるのかもしれない。
ぐいっともう一度呷り、酒瓶をテーブルに置く。
「………難しい話は苦手じゃ」
誰にともなく、ぽつりと呟く。
まぁ、実際にその手のものが苦手なのは確か。
それもあるが、こういったものは考えれば考える程、深みに嵌っていく。
アルコールでも入れば、少しは気が紛れるかと思ったが…
「やはり、気晴らしが一番なのかのぅ?」
結局はこれに落ち着く。
適当な相手でも見付けて、気が済むまで語り合うか?
それとも、その見付けた相手で軽く遊んでやろうか?
前者はともかく、後者の考え方はあんまりよろしくない気がしないでもない。
だが、生きてきた場所が場所だけに、その手の事に関しての考え方がかなり緩いのだ。
悪戯程度、そんな感覚でしか少女には無い。
■タマモ > そんな調子で何度か酒を呷れば、酒瓶は空となる。
ひょいっとソファーから腰を上げ、テーブルへと近付く。
散らばった書類、うん、仕事だと思うが面倒なものだ。
その一つに、気になるものが目に付いた。
遠征、その場所は確か…そうだ、ラザニアの住む城だったか?…誰か、いい加減に正しい名前を教えてあげて。
それはともかく、また大掛かりなものだ、と思い見詰めていた。
以前、現われる場所を知り、立ち寄った城。
自分にはそれが出来ようが、人間にはそれを知る事は難しい話なのだろう。
ふむ、と軽くまた考える仕草。
あの時の事を思い出せば、色々と準備は整えようと、まだその差は埋め切ってはいないだろう。
更に、以前よりも嫌な感覚を不思議と感じ取れている…まぁ、これは勘だが、自分の勘は結構信用出来るものだ。
「先日と、これの駄賃代わりで良いか…うむ」
ぽんっ、と手元に出すのは、お守り一つ。
指先を表面に触れさせ、中に入れてある一枚の札に力を込める。
憑代の力、一度だけの使い切りだが、持ち主が危険だと認知した事象を代わりに受けるもので。
浮かぶのは九尾を形作る印、まぁ、これで差出人は分かるだろう。
…悪戯か、と捨てられない事を祈ろう。
それを、テーブルに置いた空瓶の側に添えておく。
「まぁ…本当は、いがみ合わず、が一番なんじゃがのぅ…?」
はふん、軽く溜息。
■タマモ > 「………おっと、これもおまけじゃ」
ごそごそと、懐を漁る。
取り出したのは、残りいくつかの木の実が入った包み。
相手が甘いものを好むのかは知らないが、頭脳労働には甘い物が一番である。
それも一緒に添えておいた。
さてはて、どうなる事やら…お互いに。
軽く肩を竦めれば、次の瞬間には少女の姿は消えていた。
ご案内:「王都マグメール 王城」からタマモさんが去りました。