2017/02/23 のログ
ご案内:「王都マグメール 王城 オーギュストの執務室」にオーギュストさんが現れました。
オーギュスト > オーギュストは執務室内で唸っていた。
金が足りない。遠征費用に関してだ。
計画は大体出来上がったのだが、なにせ費用が下りない。

「ちっ、あのクソアマ……」

オーギュストが指すのは、かのシャーロット・アン・エル・フェルザ。
王都に本店を構える銀行の総裁にして、オーギュストの嫌う貴族の代表みたいな奴である。

「あいつが首を縦に振らねぇ事には、どうしようもねぇな……」

王国の予算に関し、銀行は大きな権限を持っている。
そも銀行から金を借りまくる無能貴族達のせいなのだが、そいつらはシャーロットの言いなりだ。
なんの不満があるのかしらないが、あの令嬢をなだめすかさないと遠征そのものが始まらない。

「ちっ……」

オーギュスト > オーギュストはあの令嬢を心の底から嫌っている。
この王国のクソ貴族のクソな部分を煮詰めて作ったような女だ。
あの豊満な肉体を思う存分犯してから犬の餌にしたいと常日頃から考えている。

だが、現実問題としてあの女の許可がなければ、師団の遠征もままならない。
何とか付き合っていくしかないのだ。

「――にしても」

先日の近衛兵舎で起こった騒動。
どうもあの女、近衛兵を一人撃ち殺したらしい。
近衛長官が怒り心頭で高官会議に持ち込んでいたが、結果はお咎めなし。
それはそうだろう。報復が怖い。
金銭的にあらゆる締め付けを受け、おまけに

「――フェルザの猟犬め」

オーギュスト > オーギュストは数年前、あの令嬢に心底ブチキレて襲撃を計画した事がある。
結果は失敗。オーギュスト自ら率いたのにも関わらず、襲撃隊はオーギュスト一人を残し皆殺しにされた。
こちらも従騎士をある一人以外皆殺しにしたとはいえ、結果は惨敗のようなものである。
そして、第七師団の精鋭を返り討ちにし、オーギュストに今も残る額の傷をつけたのが、あの女。
フェルザの猟犬、マリアベル。

「今度会ったら生かしておかねぇからな……」

ご案内:「王都マグメール 王城 オーギュストの執務室」にシャーロットさんが現れました。
シャーロット >  
バタバタと慌てたような足音と、制止する声
何事か、と思った直後には執務室の扉はノックもなく開け放たれることだろう

その扉の奥には、
おそらく部屋の主が見たくもない、その顔

「はぁい、将軍。お元気ぃ?」

嘲笑ともとれる笑みを浮かべて、しゃなりと部屋の中へ踏み入る
後に続くようにぞろぞろとその従騎士達もまた踏み入ってくる

ご案内:「王都マグメール 王城 オーギュストの執務室」にアーヴァインさんが現れました。
オーギュスト > 「今最高に不機嫌になったとこだ」

師団の兵たちはあわてて一礼して出て行く。
この女が出てきたらロクな事にならない。それを心の底から分かっているからだ。
彼らの眼が語っている。

『あんたのお客さんだろ、なんとかしてくれ、健闘を祈る』

が、オーギュストはへりくだらない。
こいつに理由なく頭を下げるなら死んだ方がマシだ。
言葉もぶっきらぼうに。しかし、追い出す事はしない。
おそらく、何かしらの用がある事だろう。

アーヴァイン > 第九師団への上納金の報告書を届けにやってきたものの、執務室は不在。
彼に渡しておけば大丈夫だろうと、オーギュストの執務室へと向かったわけだが…どうにもおかしい。
やたらと人は多く、その傍を通り過ぎた輩の顰め面に訝しげに思いつつも、開かれた扉の中を覗き込んだ。

(「彼と……何だ、この連れの多さは」)

やたらと多い従騎士達を引き連れた、女貴族の後ろ姿に視線を向ける。
様子をうかがっている此方の姿は、将軍の視野内に入るやも知れない。

ご案内:「王都マグメール 王城 オーギュストの執務室」からアーヴァインさんが去りました。
ご案内:「王都マグメール 王城 オーギュストの執務室」にアーヴァインさんが現れました。
シャーロット >  
「相変わらず愛想の一つもないんだからぁ、
 そんなに顰めっ面ばっかりしてると余計老けて見えちゃうわよー?」

くすくす
愉快そうに笑みを深めながら勝手にソファへと足を運び、座り込む

「そうそう、用事。
 明日ねぇ。例の遠征?に関する軍議のぉ、多分最終審議があるのよねぇ。
 正直今のままだとお金を出す価値がないんだけどぉ……。
 将軍ちゃんにちょおっと打診しておきたいこともあってぇ~」

人を苛つかせる、間延びしたような口調
切り口は曖昧なまま、そんな言葉を紡ぎ出す

オーギュスト > やたら甘ったるい声に不愉快な口調。
しかし、これがこの女だ。むしろ真面目な口調だとロクでもない事しか話さないので丁度いい。

「――あぁ。よぉ、見ての通り来客中だ、中で少し待っててくれ」

扉の外のアーヴァインに声をかける。
丁度いい。予定なんぞなかったが、さもこの後来客があると見せかけられる。
これで面倒な事になったら来客を理由にして追い出してやるこのアマ。

「――その件か。
 で、総裁閣下は俺に何を望んでいるんだ?」

どうせ無理難題なんだろうと考えながら。