2017/02/21 のログ
ご案内:「王都マグメール 王城・兵舎」にシャーロットさんが現れました。
■シャーロット >
「汗くさぁい」
不機嫌そうに眉を顰めて兵舎を歩くシャーロット
その装いも立ち振舞も、その場には僅かに似合わない
視察という名目で現れた少女は此処で人材を探していた
■シャーロット >
先日のミレー族集落での一件で手駒を随分と落としてしまった
「弱い人間はいらないし、我こそはと思う人だけ名乗りをあげてね
相応の待遇は約束してあげるから♪」
そう、駒を補填しにやってきたのだ
集められた騎士達は僅かに戸惑いを見せている
騎士達の中には金ではなく忠誠で動く者も多い
話にならないと吐き捨て場を去る者、互いに顔を見合わせ困惑する者
反応は多様であった
■シャーロット >
厚遇されるとはいえ、シャーロットの"悪名"はそれなりに知れ渡っている
金に魂を売れる人間でもなければ、おいそれとは動かない
「……ふぅ~ん…?なんだか大したことないのね。
私に雇われるだけの腕も自信もないんだぁ。
こんなんで王都を守れるのかしらぁ」
くすくすと嘲笑うようにして肩を竦め戯ける
「──あなた達が此処で働けるのは誰のおかげ?
装備や、運営にかかる費用を捻出しているのは?」
■シャーロット >
「こんな玉無しどもにお金を使う必要ないわぁ。
私は王都なんかどうなっても別に構わないんだしぃ」
あははと笑い踵を返す
──そこでようやく、その隊を指揮する騎士の一人が動いた
手練を何人かフェルザ家へ派遣するという
…過去にもこうやって脅す形で、優秀な騎士達を抱き込んできたシャーロット
隊の長は、気取られないよう歯噛みする
結局この国の騎士達は、王族や貴族の手のひらの上で動くしかない現実がある
「……そう?
それじゃよろしくねぇ?6人程、使える騎士が欲しいわぁ。
簡単には死なない、強いのをちょうだいね♡」
プライドを横倒しにした相手を更に蹴倒すような言葉を投げかけ、満足げに兵舎の外へと出ていく
外ではまだこの騒ぎを知らない兵士達が訓練を行っていた
■シャーロット >
まじまじとその兵士達を遠くから眺める
屈強な男たちに混じり、ちらほらと女の姿も見える
「……女の子の騎士、っていうのも良いわねぇ」
当然、戦力としてだけではなく、玩具として
忠誠心で動く、男だてらに気を張りつめた女に
ありとあらゆる屈辱を与えていくのは実に心が踊りそうだ
ぺろりと小さく舌舐めずり
しかしそのためには、上等な女騎士が必要だ
簡単には折れない、弄びがいのある……
ご案内:「王都マグメール 王城・兵舎」にカリギラさんが現れました。
■カリギラ > 王城で最も掃除が求められるのは?
王族様の居室を除けばそれは兵舎だと自分は思う
女性騎士はともかく男性騎士達は訓練で疲れた後に掃除なんてしない
一部はしていても大多数がそのまま放置
なので臭いし汚いのは間違いない。間違い無いのだが…
「だからってあれは…」
今日も綺麗に掃除を終え気分爽快
そんな折に貴族の御令嬢が現れた
見目麗しい彼女は第一声に臭いと言ってその後も可愛らしい口から毒を吐く
王城で働かせてもらい始めて数か月、このレベルの貴族様は初めて見た
「世の中上には上が居るものですね」
どうにもここに居る騎士達をある程度自由に扱える高貴な方らしい
何故舌なめずりをしながら女性騎士を品定めしているのか
触らぬ神にの精神で目を逸らし魔法で掃除を進める
臭いと言われたので匂い消しをしておかないと
■シャーロット >
その後もシャーロットは馬車の準備が出来るまでの間、
兵士達の懸命な鍛錬を見学する
しかし剣戟踊り血肉舞う、そんな戦場とは違って
日々の研鑽、鍛錬など地味な積み重ねに過ぎない
シャーロットが楽しめるわけでもなく、すぐに飽きてしまう
「あんなことやっててほんとに強くなれるのかしら、
他の兵舎覗いてからにしたほうが良かったかもしれないわねぇ」
王国にはいくつかの騎士団が存在し、
その中には王都に駐屯地を持たない前線部隊なども存在する
実戦経験だけで言うならばそちらのほうが上なのだろうが、
わざわざ足を運ぶのが面倒ということもあり、今回は王城の兵舎の一つに定めたのだったが……
その声が聞こえたのであろう男の兵士がムッとした様子を見せる
■カリギラ > 「っ……」
御令嬢がまた毒を吐き始めた
そりゃぁ真面目に訓練している所を小娘に馬鹿にされたと言ってもいい言葉を吐かれたのだ
元々高圧的な態度もあって心象は最悪
それに加え王に仕える騎士は何かとプライドが高い
「…嫌な予感がします」
掃除係の自分が何か口を挟んでも火に油
どうかあの表情と心が繋がっている輩が妙な事をしませんようにと祈る
あの御令嬢を別の場所へ誘導するのも…掃除係が出過ぎた真似と処断されかねない
けれど…一応何かあった時の為に御令嬢の近くに位置取っておく
騎士の忍耐力に期待を込めつつ
■シャーロット >
兵士の男は怒りを噛み殺し、鍛錬へと戻る
相手は一目で上流貴族だとわかる風貌
戦いのことなど何も知らない箱入りなのだと自分を納得させたのだろう
故に男のとった行動のフィックスは正しかった
ただ……
銃声が響き、兵士の男が倒れる
頭を撃ち抜かれ、即死だった
シャーロットの前では行動の修正は特に問題にならない
一瞬でも不遜な様子を見せた、それだけで処分されるには十分な理由となってしまう
「ほらぁ、ああいうのってやっぱり弱いのよ。簡単に死んじゃったもの
此処の騎士ちょっとダメそう~、別のトコロに行こうかしら、あはっ♡」
銃で頭を撃ち抜かれれば練度の問題でなく生きていられるわけがない
どよめきだつ訓練場で、火薬の匂いを放つ銃を片手に少女が笑う
■カリギラ > 「ふぅ…っ!」
何も起こらず一安心
流石に騎士も馬鹿ではなかった
これで安心して掃除に戻れる…そう思った瞬間に銃声が響く
「いったい、何を……」
声が漏れる
いきなり兵士を射殺、絶対にあり得ない行動
どよめきだす兵士達…それどころか剣を御令嬢に向け怒り心頭な騎士が殆ど
仲間がいきなり殺され続くこの言葉
殺されても文句は言えない…
「皆さん!
お願いです、王の判断が下るまで待って下さい!!」
この御令嬢は何を言っても無駄
だから今は兵士達を止めなければならない
怒りに任せた行動は後の事なんて考えないのだから
フードを脱ぎ素顔を晒し騎士達を睨みつける
殺意をぶつけての牽制、言葉だけで止められないのは分かっている
■シャーロット >
突然の凶行にいきり立つ兵士達
対するシャーロットはどこ吹く風といった様子で肩を竦める
剣を向けての怒りすら届きもしない
文字通り住んでいる世界が違うのだと言わんばかりの憮然とした態度
「王城の兵士ってこんなに短気なの~?
簡単に人に剣を向けるなんてぇ、私が誰か知っててやってるならちょっと問題よねぇ」
シャーロットの側に控えていた従騎士数人が前へと出る
最高級の武具に最高ランクのエンチャントを施したシャーロットの私衛騎士の戦力は
一回の兵士達など相手にもならないことは目に見えている
あわや大惨事か、と思われたが…
そこへ響く声、そして銃声とそれによって騒ぎを察知した隊長の一人が泡を食って表へと現れる
──隊長の制止を受け、いきり立つ兵士達は歯噛みしつつも剣を収めるのだった
■カリギラ > 「…お願いですから口を閉じててもらえませんか?」
なぜこの御令嬢はこの状況でまだ煽るのか
こんな場所でこれ以上血を流したいのか?
何とか隊長がやってきたおかげで最悪の事態は逃れた
本当に最悪の事態は…
「……彼は私が運びます。はい、いつも通りの場所に」
頭を撃ち抜かれ死亡した男に近付き遺体を収納する
いつまでも晒している訳にもいかない、王国騎士として丁重に葬られなければ
周りを見れば怒りと…そして少なくない殺意が御令嬢に向けられている
気持ちは分かるので何も言わない、けれどそんな事をしても無駄なのに
「ご家族にどう説明するんでしょうね…」
それを思うと気分が重くなる
貴族の気紛れで死亡、そんな説明出来る訳がない
■シャーロット >
「あら、まるで私が悪いみたいなこと言わないでほしいわぁ」
くすくす
口を閉じていろと言われても暖簾に腕押し
自分を中心に世界がまわる、どころではなく
自分が世界を回しているのだと信じて一切を疑わない
そんな薄ら寒いような自負心を覗かせる
「だってその男、私の事ちらっと睨んだものぉ。
屈強な兵士に睨まれてぇ、こわくてこわくてつい撃っちゃった♡うふっ、あはははっ♡」
隊長は、耐えた
もっとも激昂する筈の感情を押し殺し耐える姿に部下も習った
騒動が終われば、なぜ黙っていたのだと隊長に詰め寄る兵士もいることだろう
ただそれを今この場でやらない程度には、王国の兵士達は耐え忍ぶ心を持っている
「ところで貴方だあれ?兵士には見えないんだけどぉ…?」
■カリギラ > 「貴方は悪ですよ。歪み切っているせいでそれが普通なんでしょうけどね」
貴女以外悪者がどこに居るのか聞いてみたい
睨まれて怖かった、それだって先に煽ったのは貴女だろう
「私はカリギラ、王族の方に縁がありここで働く事を許されている者です。」
きちんと一礼し目を見てみる
玉虫色の瞳…見なければ良かったと思う程にこの少女は歪んでいる
はっきり言って気持ち悪い、そう言える程に
「貴女がこの国に無くてはならない存在とは言え、王城内で悪戯に騎士の命を奪ったのです。
それなりの覚悟はしておいた方が賢明かと」
■シャーロット >
「? 変なことを言う人ね。
私のことを睨んだのだからそのゴミが悪に決まってるじゃなぁい?」
何を言っているのかまるでわからない、といった顔で戯けてみせる
「ふぅん、気が向いたら覚えておいてあげるぅ」
玉虫色のその瞳は美しく絢爛
それでもそれを見る人間には等しく、闇が潜んでいることを理解させる
「そうねぇ、可哀想~。
私の命を心配した従者がついついやっちゃったものだからぁ、
情状酌量の余地はぁ、ちゃあんとあるから安心してねぇ?」
笑みを浮かべ、はい。と
まるでハンカチでも渡すかのように従者の一人にその銃を持たせた
■カリギラ > 「…ゴミ、ですか」
日々訓練に励み仲間に惜しまれている彼がゴミ
確かに、変な事を言ってしまった
「言葉は通じない、か…」
獣に言葉は通じない、まして子供となれば尚更
責任は従者に押し付け、ここに居る騎士達の意見なんて関係なく揉み潰す
そう宣言している
「もしその時があれば貴女に情状酌量の余地は無いでしょうね
恐らく死神も笑顔で迎えに来てくれますよ」
笑みを張り付け頭を下げる
彼女は想像してないのだろう、人の悪意の恐ろしさを
それはそうだ。彼女にとって人間は玩具かゴミ
子供が玩具を怖がる筈がない
全ての怒りが殺意に変わるのを肌で感じながら…考察する
■シャーロット >
「そ、だってもう動かないもの。何の役にも立たなくなっちゃったら、ゴミでしょ♡」
うふ、と笑ってみせる
一件無邪気な少女の笑みにも見えるそれは、その場にいる誰が見ても凍てつきそうな程に醜悪である
「うふふ、皮肉ぅ?」
少女に触れた人間は、単なる箱入り貴族の少女だと侮るか
もしくは気の触れた人間だと距離を置くか…
自分以外の人間を玩具としてしか見ない、悪だと見るか
しかし本質はもっと恐ろしいもの
「そうなったら死神さんも殺しちゃわないとね」
少女にとっては玩具かゴミと呼ぶべきものは人間ではなく、
"自分を除く全て"なのだ
■カリギラ > 「いえいえ皮肉なんて事実を認識しただけですよ」
侮ってなどいない、気が触れているとも思わない
歪み歪んだ人外、相手は人ではなく人の形をした何か
「そうですか。ではそうなるのを楽しみにしていますよ」
死神を殺すなんて
彼女の口から出た言葉で初めて愉快に感じられた
けれど同じほど…
「可哀想ですね…」
彼女はある種の作品
周りの影響を受けてこうなったと思えばいっそ哀れにも思える
騎士に守られ好き勝手に玩具で遊んでも何をしていても
「1人なんですね、貴女は」
冷めていた瞳に憐れみが少しだけ宿る
世界の中で1人きりなんて…
■シャーロット >
「…可哀想?」
少女の顔から笑みが消える
今まで、怒りや、憎悪、憎しみ…
羨望、嫉妬、あらゆる感情を見てきたけれど
自分に憐れみを示した存在は例がない
「でもぉ、支配者ってそういうものじゃなぁい?
"一人"じゃなくて、"孤高"と呼ぶのが正しいわね♪」
が、次の言葉を紡ぐ時にはまた無垢な笑みへと戻ってしまった
■カリギラ > 「貴女のそれは孤高ではなく孤独です
周囲を寄せ付けないのではなく、周りに誰も居ない…」
何処まで行っても1人きり
周りにいるのは姿形だけは一緒の何か
そんな世界で普通である事は果たして可能なのか?
「貴女に友人でも居れば世界は変わっていたんでしょうね
もしくは貴女を心の底から愛してくれる存在が…」
友の愛も親の愛も感じる事はもうできないだろう
張り付いた笑みも剥がれ彼女に感じていた不快感も霧散する
騎士達の中にも片手で数えられる程だがシャーロットを暴君としてではなく
哀れな子供として見る者が出始める
■シャーロット >
「そんなものが在るわけないでしょお?
所詮私欲と実利だけで構成された欲求や幻想を友情とか愛とか呼んでるだけだもの」
再び肩を竦めて見せる
よくもそんな言葉を平然と吐けるものと斜に見ながら
「友情ごっこで傷の舐め合い?
恋愛ごっこで互いが必要とされてることを確認して安心する?
くだらなぁい、所詮それ意外に欲求を満たすことのできない屑の逃げ道なのよねぇ。
お金で買えないモノって言い張って、形のないものに価値を見出そうとする、
そんなの子供のおままごとと何も代わりはしないのよねぇ」
うふふ、と笑うその笑みの影はより深くなる
「そんな頭の中だけが幸せなお話はお前達底辺の連中だけで共有してればいいの、
おひさまのあたるお花畑で愛ってなぁに?とかおしゃべりしてたらぁ?」
■カリギラ > 「えぇ、人は1人きりで生きるのは辛いですからね
貴女は強いr、そう育ってきたとは言え1人でも生きていられる」
友情に愛情
どれも感じた事がない彼女に何を言った所で受け入れられはしないだろう
認知できないものの価値を測れない
「貴女も、逃げているんじゃないですか?
愛や友情なんて訳が分からない。だから理解しようともしない
どれだけ考えても貴女にはそれがどんなものか知る事すらできないから」
貴女の言うくだらないおままごとすら貴女にはどうあがいても出来ないのでは?
そう尋ねた
■シャーロット >
「理解はしているわよぉ?
くだらない幻想でそれ以上でもそれ以下でもないって、
ちゃあんと知ってるから、安心してねぇ♡」
空虚な幻を欲しがるなど、卑しさしか感じない
くすくすと笑みを浮かべる少女
「無駄なものは要らないの、要らないものには近づかないし興味も沸かないでしょお?
そういうのを欲しがるみんなで奪い合ったらいいじゃなぁい?」
ただ単に、興味が沸かない
「平民が不味いスープを差し出して『お前にこの味はわからない』って言ってるようなものなのよねぇ?
とっても滑稽、結構面白い人ねぇ、貴方」
■カリギラ > 「愉快に感じて頂ければよかったです」
笑みを浮かべる少女は楽しそうに笑う
彼女が楽しいと言うならそれで良いだろう
要らない、興味がない…確かに興味が沸く訳がない
全てが全て彼女の認知の外なのだから
「スープを貴女が不味いとしか感じられないだけの事ですよ。例えどれだけ美味であってもね
滑稽で愉快で…見ていて虚しくなる人ですね、貴女は」
■シャーロット >
「うふふ、おかげでちょうどよい暇つぶしができたわぁ」
馬車の準備も出来たのか、ガラガラと大きな音を立ててそれが到着する
「でもぉ、少しだけ、そのお口はまわりすぎかしらね?
冗句も度が過ぎれば、耳障りよぉ?」
従者に手渡した銃
華美な装飾が施されたフリントロックをするりと手にとり、銃口をカリギラへと向ける
「お駄賃くらいはあげないとね」
そのまま躊躇なく引き金を引く
銃口は、当然のように当たるコース
兵舎に今日二度目となる銃声が響いた
■カリギラ > 「それは良かったです」
馬車の音が聞こえる
彼女の足が到着したのだろう
「耳障りな音、ですか…では」
向けられる銃口
頭部を狙うそれが見えているのに当たりはしない
身体を捻り弾丸を躱す
「私の事は追い払いにくい羽虫とでも思ってくださいませ」
何もなかったかのように一礼
素人の、それも態々銃口を見せてくれている一撃では死ねない
■シャーロット >
外したならば銃弾は兵舎の壁に当たり破片を散らす
あら、と意外そうな顔を浮かべる少女
「さっきのゴミ兵士よりも使えるんじゃなぁい?」
別段当たらなかったことを悔しがる様子もなく、
従者に手を引かせ馬車へと乗り込む
ガラガラと音を立てて馬車が出立する
その上で頬杖を立てて少女は笑みを深める
「名前なんて言ってたっけ?…あぁ、そうそう、カリギラ、ね」
従者の耳打ちにそうそれ、と笑いながら、フェルザ家の馬車は兵舎を後にする
その後今回の事件の顛末は、
気を違えた兵士の一人をフェルザ家の従者が射殺した、という全く違う事実に塗り潰され終息するのだった
ご案内:「王都マグメール 王城・兵舎」からシャーロットさんが去りました。
ご案内:「王都マグメール 王城・兵舎」からカリギラさんが去りました。