2017/02/15 のログ
ご案内:「王都マグメール 王城」にシャーロットさんが現れました。
■シャーロット >
「……ふぁ」
王城の地下
かつての貴族達の、淫蕩に塗れた娯楽の部屋
シャーロットは退屈そうに足を組んで、椅子にかけて小さな欠伸を噛み殺す
「此処もつまらない場所になったわね」
冷ややかに、退屈そうな視線を巡らせる
貴族の男たちがミレー族の少女を囲み、思う存分にその欲望を吐き出している……
虚ろな瞳の少女はもうとっくに限界を迎えているのか、糸の切れた操り人形のように豚のような男たちに身体を揺さぶられるだけ
その声すらもうしばらく聞いていない
ご案内:「王都マグメール 王城」にシドさんが現れました。
■シャーロット >
「(ただ獣を犯すだけなんて、文字通りけだものと変わりないわ)」
男どもはそんなことの何が楽しいのか
見下した、冷たい視線
そんな視線にすら気づかず男達は少女を囲み続ける
───やがて、手元の水晶の杯に注がれた神の血がなくなる頃合い、
ようやく男たちの宴が終わる
小さくため息をついてグラスを放り投げ、立ち上がる
もはや虫の息の、ミレー族の少女に近づいていく…少女は動きもしない
「───臭い、魔族もけだものだけど、ミレーは文字通りの獣ね。
久しぶりの王城だし、と献上品を持ってきたはいいけれど1日で壊れてしまうなんて」
情けない、安玩具でももう少しは持つ
ゴミを扱うように少女を足蹴にする、小さな小さなうめき声が聞こえた
■シド > 「それくらいにしておいたらどうですかね。」
階段から跫音を響かせては薄闇の中から現れるのは青年。
慇懃深く腰元まで頭を下げては長い銀髪が篝火に鮮やかにたなびいた。
「奴隷といえど、貴族の玩具。楽しむためには加減をもって接するべきかと思われますが。
シャーロット様、お名前はお伺いしております。私めはシドと申します。
箴言はまことに恐縮ですが、何卒ご理解頂ければ。」
目元和らげる微笑み携えながらミレー族の少女の元へと歩みゆく。
足蹴にするその繊細な靴をそっと己の腕で受け止め。
厭わぬならば片手にもった毛布を殴打と体液に汚されたミレー族の少女の肌に羽織らせようとしていた。
■シャーロット >
シャーロットの靴を受け止めたその行動に小さなどよめきが走る
…どよめきの発信源は、エルフェルザ家のお付きの者達である
彼らはよく知っているのだ、シャーロットが自分のやろうとすることを制止させられることが何よりも───
「あら…突然腕を出さないでくれる?
泥がついてしまうわ、それに、その毛布も汚れちゃうわよ。
──シドニウス卿?」
くすっと笑みを浮かべて足を退ける
この国の貴族のデータはあらかた頭に入っている。当然目の前のこの男も
怒りではない対応に、従者達から安堵したような溜息が一斉に漏れた
「だあって、すぐに声も出さなくなってしまうし、楽しくないのだもの、その玩具。
面白くないものは壊して、捨てて、次の玩具はいくらでもあるのよ?」
奴隷に加減するよう言うその言葉には本当に意味がわからないというように首を傾げた
■シド > 騒然とする衆目に柳眉を吊り上げて睥睨するは一瞬。
嗜虐に滲む眸の少女の前で跪くは一瞬ならず続く。
「……いえ、泥がついてもかまわないから腕を出したまで。
この毛布も汚れてもいいから差し出したまで。
貴女がお気になさることはありません。
――末端のこの私も覚えて頂き光栄でございます。」
長い銀髪をヴェールの如く顔を隠さんばかりに項垂れながら。
されど貴族にありまじきその背筋は盛り上がり微かに震えゆく。
叱咤でも挑発でもなく、無知なる様が葡萄色の眸に光を失わせた。
――ひどくゆっくりと立ち上がる長身。そして周囲の貴族や付人など意識に介さず。
弓月に引き絞る唇が謳うように朗らかな声を紡ぐ。
「シャーロット様。楽しくないものにお時間を掛けるのはよろしくないかと。
貴重な時間、もっと楽しいことをしませんか?
その代わり。この少女は、今日のところは休ませてあげて下さい。
また明日には良い悲鳴を出すでしょう。」
■シャーロット >
「ふぅん……?」
頭を下げるシドをまじまじと値踏みするように眺めて、
その桃色の唇が歌うように、黒い言葉を吐き出し始める
「でも"ソレ"、私のモノなんだけど?
捨てた後に拾う分には構わないけど明日まで借りたいというのなら借用書がいるわね。
でもわたしにゴミを貸す趣味なんてものはないの…勿論売る趣味も。
んん、そうね。貴方の言葉を聞いて尚更、臭いし、汚いし、壊して捨てることに決ーめた♪」
脇に携えた黄金のロッドを振り上げ、そのまま少女の頭目掛けて振り下ろす───
■シド > 「……そうですか。ならば私も何も言うことはありません。」
鈍器が薄闇に金の軌跡を描いて少女の頭に振り落とされ――る前に止まる。
青年が差し出した足が先端を受け止めたから。
そのまま足を振り上げて少女の手からロッドを弾いた。
「申し訳ありません。この少女が貴女のもののように。
この足は私のものなので、勝手に動いてしまいました。
謝罪の言葉は見つかりません。」
声が低く押し潰れる。顔に添えた掌が無造作に髪を掻き上げた後には
葡萄色の眸が射抜くように視射する。
「……身分は低いとは言え。大の男がここまで頼んで、そういう物言いしかできないか。
教育がなってないなシャーロット。
まぁ、こんなボンクラ共に囲まれていたら仕方ないか。
――俺が教育してやろうか。」
すわ何事かとどよめく観衆を睨みつけ。
そして金髪の少女の乳房に無骨な掌を伸ばす。
愛撫ではなく、掴み取るように。
何も抵抗がないならばその矮躯をこちらに引き寄せようと五指が肉にきつく食らい込むだろう。
■シャーロット >
「!」
ロッドを弾かれる
一瞬の驚いた表情の後に見せる眼は、憎悪に染まっている
「平民気分の抜けない放蕩貴族なんて、所詮その程度のものね。
その安い頭を下げる程度でわたしに物を申そうということ時代が浅はかで下劣な発想だわ」
ざざっと慌てた様子で控えていた騎士達が駆け寄る
そしてそれ寄り一瞬早く───
「っ!?」
シドの手指が柔らかな乳肉に潜り込むように、乳房を掴まれる
その手を跳ね除けるのにそれほど時間は掛らず、シャーロットとシドの間に護衛の騎士達が踏み入り、割り込む
「平民あがりのくせに、よくもわたしの体に!!
その腕を斬り落とす程度では許さないわよ!!!」
怒りの形相に歪み、烈火の如く言葉を放つ
見下した相手からの行為としては、これ以上ない屈辱
騎士達はシャーロットの怒りを代弁するかのように、壁となってシドへの距離を詰めていく
■シド > 「お前ら貴族が好き勝手やって国を弱体化させている。
権力をひけらかして平民を統一する時代は続かない。
奴隷をやめろとも平民と仲良くしろとも言わないが。
彼らなくては国が成り立たないことは分かるだろう?
時代錯誤もいい加減してもらいたいな。」
跳ね除けられた掌をひらひらと振り煽り。
居丈高に挑まれて尚、怒髪をもってしたたかな視線を投じた娘に
怒気では無く痛ましさに寄せる眉宇をその儘に、幽かに吐く詞。
取り巻きを後ろに吠え立てる台詞には
今度こそ明白に眉間に皺寄せて腰元に預けた剣を掲げた。
「その平民あがりに言葉一つで説き伏せなくて何が貴族だ。
結局最後に頼るのは暴力とは、底が知れたなシャーロット。」
躙り寄る護衛達。青年との間合いに入ると共に剣先が鳴いた。
幾多もの軌跡が光を照り返し、その甲冑の隙間を突いてはうめき声を上げていく。
■シャーロット >
「非礼を働いた後に言うセリフかしら…!?
ゴミに触れた汚らしい手でわたしの体に触れるだなんて、万死に値する!!
──暴力?いいえこれは制裁よ、そしてこれはわたしの力!!
許しを乞うなら、手足を全て落とす程度で済ませて───」
ドドッ…
「……え?」
自分の前に立ちふさがった壁
王城地下に付き従った騎士達が、倒れ伏している
戦闘など経験をしたこともないシャーロットには何が起きたかすら理解できていない
「ちょ、ちょっと!何を寝ているの!?
はやくこの無礼な男を───」
途端に狼狽する様子を見せる
王城への足運び、ということで必要最低限の護衛ではあったが、全員手練の者であっただけに…
「──っ…役立たず!!お前達全員明日は首がないものと思いなさい!!」
倒れた騎士達の首を、背を、何度も蹴りつけ、踏みつける
───そして、ゆっくりとその視線をシドへと向ける
「…随分と腕が立つのね?
その腕をわたしの為に使うって誓うなら、こいつらの代わりに雇ってあげましょうか?
先程のようなセリフがすっかり出なくなるような贅沢な暮らしが出来るわよ」
向けられる視線は。人の心は一切感じられない、それでも透き通るようなものだった
■シド > 護衛は何人か……数える必要はない。
刃圏に入ったものを突き、袈裟懸けに降ろされる剣先が届く前に手の健を切り。
押し寄せる圧力を無造作に詰めて肩を当てて吹き飛ばして白刃の餌食にする。
命こそ取らなかったものの刃一つ重ねることなく金髪の少女まで距離を詰めた。
まずは部下を蹴り上げるその足の脹脛を、ぱん、とかろく脛でける為に。
女の筋力では痛みで動かすこともできぬだろう。
「Lesson1だ。身の程を知れ。彼らがいなければ、
今頃お前はこの場で俺に辱めを受けていたやもしれないんだぞ?
嫌悪するミレー族と同じようにな。」
仰ぎ見る血の通わぬ眼差しに薄闇の中に仄かな葡萄色が燃え滾る。
「Lesson2。この場に護衛がいないならば勝者は俺だ。
敗者が勝者に交渉するなら、好条件が必要だが……
誰がお前のような馬鹿女を仰ぎ見るか。
それよりも、このことが明るみに出ないようにもみ消さないといけない。」
もう一度伸ばす掌は、痛みこそ与えぬ者のその肢体をきつく羽交い締めして。
肩上に担ごうとする動き。
「――俺が貴族になれた理由。戦功をあげただけじゃないってこと。
たっぷり教えてあげるよ。」
厭わぬならば地下室から連れ去ろうとする。
■シャーロット >
「ひぐっ!?」
脛を蹴られ蹲る
キリ…と歯ぎしりの音が聞こえる程の歯噛み
見上げる視線は敵意と殺意、憎悪に満ちる
「───ふざけたことを──身の程を知るのはアンタよ!
わたしにこんなことをして……この王国で生きる場所をなくしてやる…!!」
呪いを、悪意を吐き出してゆく
よくぞ年端も行かぬ少女にここまでの悪情を溜め込ませたものと感心するほどに
「──!?
離しなさい!!離せ───!!
アンタ達!見ていないでこいつを───」
抱え上げられ、ばたばたと暴れながら地下室から連れ出される
状況を見守っていた観衆たる貴族達は、ざわざわとどよめきを残すのみだった
ご案内:「王都マグメール 王城」からシドさんが去りました。
ご案内:「王都マグメール 王城」からシャーロットさんが去りました。