2016/12/13 のログ
ご案内:「王都マグメール 王城 尖塔の一室」にオーギュストさんが現れました。
■オーギュスト > カリカリと。
オーギュストは机の上で手紙を書いている。
あて先は、タナール近くに居を置く商人。
第七師団の得意先のひとつである。
手紙には今の自分の現状。第七師団の現状。
そして、名前は伏せたが何かの呪いで困っている人間がいるので、力を貸して欲しいという事が書かれていた。
「よう、次はこれだ、頼むぜ」
見張りに手紙を渡す。
中身は読まれても問題ない。
王国の法に触れている事は書いていないし、知人に助けを求める事は捕えられた貴族もよくやる事だ。
金貨を握らせながら、オーギュストは次の手紙を書き始める。
■オーギュスト > あれからオーギュストは、知人という知人。
頼れそうな人間に、片っ端から手紙を書いている。
『何をしてでも、サロメを助ける』
誰にも言わなかったが、そう心で決めていた。
ならば、手段は選ぶべきではない。
普段下げない頭は、こういう時に下げる為についているのだ。
今まで助けた人間、貸しのある人間に対し、オーギュストは片っ端から手紙を書く。
『助けて欲しい』
そう、願いをこめて。
■オーギュスト > もっとも、こっちは第七師団。
恐れられ、蔑まれ、やっかまれる対魔族専門の部隊である。
何処まで効果があるかは分からない。
だが、オーギュストに出来る事はこれしかない。
ならば、全力で書くしかないのだ。
「おい、紙とペンを追加だ」
看守に頼みながらオーギュストは思い出す。
主だった王侯貴族で貸しのある奴には全部書いた。
というよりも、そんな奴らはほとんど居ない。
第七師団が懇意にしている商会にも大体は書いた。
武具商人に兵糧を扱う商人、それに飛脚を扱う商人。
タナール近くに販路を持つ商人もだ。
「……あとは、だ」
ならば、次は一般人だ。
鍛冶屋に酒場の店主、農民に旅商人、それに冒険者や娼婦。
それらの知ってる連中にも書く。
そいつらだって、何かの役に立つかもしれない。
もしかしたら、助けてくれるかもしれないのだ。
「――どんな時だって、助けて、助けられるのが友達。
だよな、ロキ」
あの島で出来た、最初の友を思い出す。
元気にしているだろうか。
■オーギュスト > 既に第七師団に命令は下してある。
今頃各地の酒場には、強力な解呪のアイテムの買取、それにサロメを浚った連中に対する懸賞金の布告が出ている事だろう。
事は急がなければならない。
あいつの言う事が本当ならば、あと1ヶ月で……
「……ちっ」
物騒な考えを払いつつ、オーギュストは次の手紙を書き上げる。
■オーギュスト > オーギュストは手紙を書き続ける。
酷な運命をなぎ払うべく
ご案内:「王都マグメール 王城 尖塔の一室」からオーギュストさんが去りました。