2016/11/27 のログ
ご案内:「王城 アダンの執務室」にアダンさんが現れました。
■アダン > 王城の一角にアダンの執務室はあった。
有力貴族の部屋といういことで、それなりに大きく、調度も高価な物が多い。
アダンは執務机の椅子に腰掛けながら、ある人物を待っていた。
とある王族の娘、つまりは王女である。
「さて、来るかどうか」
茶でも飲みましょうなどと、王族に対してはやや敬意に欠けるような誘いを、使いをやって王女に届けていた。
今はその王女が来るのを待っているところである。
以前、屋敷に招待してから幾許かの時が過ぎている。
もちろん、本当に茶を飲もうなどと考えているわけではなかった。
その目的は他にあった。
ご案内:「王城 アダンの執務室」にシェリルさんが現れました。
■シェリル > いささか不愉快な記憶として残っている相手からの使いの携えたメッセージ。
茶でも飲みませんかとの誘いだが、その誘いを額面通りに受け止めるほどに素直でもなければ、相手の評価も悪い。
それは表向きの理由として、何か裏向きの理由があるのだろうと眉をひそめて不快の意を表したものの、誘いに乗らないのも逃げるようだと乗る事にし。
裏向きの話でもあれば、余計な耳はいらないと誘いに乗ってひとりでアダンの執務室へと。
いくばくもなく、取次の人間が姫の来訪をアダンへと告げ。それに対する応答を待つ気もないとばかりに、機嫌の悪さが見え隠れする表情で執務室へと当人が足を踏み入れる。
「こんばんは。お茶の誘いに応じてやってきたわよ。当然、おもてなしの用意はできているのでしょうね?」
アダンへと向ける視線は、相手への感情を示すように氷点下の冷たさを帯び。内心の警戒心の表れか組んだ腕が、胸の双球を寄せてあげてその豊かさを強調している。
■アダン > 「ほう」
取次のアダンの部下が部屋を訪れるとともに、こちらの返答も待たぬままに人影が部屋へと入ってきた。
アダンが誘った女性、王族のシェリルだ。
明らかにこちらへの感情はよくない様子を見せている。それは当然である。
アダンが屋敷で彼女に行ったことは、彼女への陵辱だった。
にもかかわず、アダンは今もこの王城におり、彼女もまたアダンの誘いに乗った。
普通なら受けるはずのない再度の誘いを彼女が承諾したことを知り、アダンは感嘆の声を漏らす。
「ようこそいらっしゃいました。ええ、もちろんおもてなしの準備はさせていただいておりますよ」
彼女に対して散々な行為を行ったというのに、アダンは何も気にしていないかのように涼しい表情を見せる。
相手の不機嫌そうな顔と、冷たい視線とはあまりに落差がある。
「また私の屋敷にご招待してもよかったのですが、それはまた別の機会に。
今日及びしたのは他でもありません。宴へのお誘いですよ」
アダンの部屋には香が焚かれている。
アダンの邸でシェリルに向けられた、あの淫気満ちるものと同じものだ。
これは人間にはあまり効かず、魔族に強い効果を及ぼすもの。
相手にこれが効いたということは、相手が魔族である可能性が高いが、アダンにとってはあまり重要ではない。
彼女を部屋においてある机の一つに導きつつ、茶を用意する。
そこに注がれているのは、邸と同様、白濁の液体だった。彼女を明らかに虚仮にしていた。
「ひとまずこれをご覧いただきたいのですが」
アダンは彼女の側に遠慮なく近づくと、その机の上に一つの水晶玉を置いた。
手をかざせば、そこに映像が流れ始める。――あの屋敷での出来事、シェリルの痴態が映し出されていた。
「以前のこの記録をあるお方たちにお見せしたら、酷く興味を惹かれたようでしてね」