2016/06/23 のログ
ご案内:「王都マグメール 王城/研究施設」にミリーディアさんが現れました。
ミリーディア > 施設内、その中でも何十人と人間を詰め込める程に広々とした場所を取ってある室内。
砲台らしき形をした設置物が2台、それを扱う研究員らしき者達が数人。
離れた場所にぽつりと少女が佇んでいた。

「………準備は良いか?
まずはティルヒアで使ったものを1発、後に改良を加えたものを5発。
威力は儂が確かめる、君達は耐久面をしっかり確認しておいてくれ」

並べられた砲台らしきもの…魔導砲、その筒先に位置する場所に少女は立ち、研究員に指示を与えている。
準備完了の声を聞けば、一つ頷き…発砲を指示した。

1発目、まずは片方の砲台が轟音を響かせ魔法弾を放つ。
目標は…前に立つ少女。
普通に考えれば、この砲撃は部屋の壁ごと少女を吹き飛ばすかと思われる行為だ。
だが、ぱきんっ!と耳を劈くような音を響かせ、少女が着弾より一瞬早く目の前に張った障壁に当たり、何事も無かったかのように消えてしまう。

「まず、これを100としよう。次」

少女は変わらぬ涼しげな表情を浮かべたまま、隣の砲台に集まる研究員達へと次の指示を与えた。

ミリーディア > ティルヒアで破壊された魔導砲、それを作るのにどれだけの資金がかかっているのだろうか。
まぁ、それをただ再び作るというだけならば、別にどうという事もない、また同じだけの資金がかかるだけだ。
それを、威力を上げたものにしてくれとか言ってくれた。
…言うだけなら楽なものだ、それにかかる費用も別に自腹という訳でもないだろう。
金の無駄遣いとは言わないが、もう少し考えて欲しいものである。

ともあれ、そちらに手をかけていた者達から完成の話がきたから、こうして試し撃ちをしようとしている訳だ。

さて、そろそろ改良型の砲撃が向けられるだろう。
やる事は先ほどと同じだ、こちらに向けて魔法弾を撃たせる。
同じように目の前に張った障壁により、それは消えていく。
今度は1発では終わらない、さすがに再発の準備もあって即発砲は出来ないが、2発目、3発目と轟音は響いていった。

ミリーディア > そして、4発目。
研究員から声がかかったのは、その時だった。
…続けての発砲はこの辺りが限度です、といったものだ。

「………121、120、122、119、予想の通りに2割増程度か。
前のままの耐久力での限界も、大体は予想した通り、と」

手にしていた資料に、なにやら書き込む。
威力が上がっているのだ、砲身に無理がくるのは当然だ。
とんとんと資料をペン先で小突きながら、研究員の集まっている場所へと歩いて行く。

ミリーディア > 真面目に自分が加わって取り組めば、こんな程度の上昇値では終わらない。
だが、そこまで威力を上げるのは正直、人間の手には余るだろうと考えた。
だから、軽く威力を上げた程度の案を研究員達に投げてやらせたのだ。
…要するに、言われた通りにやってますよ、という姿勢を見せているだけだ。

「では、後は尻の重い連中に結果を伝えて追加費用でも引き出させてやれ。
どうせ連中に使わせたって無駄な事ばかりに使うだけだろう?
追加で必要な材料は、冒険者ギルドにでも依頼をしておいてくれ。
少し色を付けておくようにな、連中の懐を潤わせるのも悪くないだろう」

ぽいっ、と修正を記した資料を研究員に放り、新たな指示を与える。
努力も何もせず遊び惚けている連中よりも、日々命を掛けて生きている連中に金は流すものだ。
少女は部屋を後にする、行く先は…室長室。美味しいお茶とお菓子が待っているだろう。

ご案内:「王都マグメール 王城/研究施設」からミリーディアさんが去りました。