2015/11/27 のログ
ご案内:「王都マグメール 王城」にフィリオソリスさんが現れました。
フィリオソリス > 空を舞う黒い影.それがひらりと身を翻すと王城の窓から飛び込む.
それは窓を突き抜け部屋を転がり廊下の壁に鈍い音を立ててぶつかるとようやく止まった.

「これは割りと成功……じゃろう?」

でんぐり返しの途中のようなポーズで誰にいうでもなくつぶやく.

その正体はいつものごとくあまりうまくないもない飛行で建物につっこむ龍の少女である.
といっても今回に限っては自己などではない,今回の目的地はここ.マグメール王城である.
壁を突き破っらなかっただけスマートに入室したといえる……かもしれない.

フィリオソリス > スマートとはいってもいつもに比べればである.
大きな音もしたしそれなりに高層階でもある.
普段では起こらない異常事態に衛兵が現れるのも時間の問題だろう.

だがそれを知ってか知らずか慌てる風もない.
むくりと起き上がると裾をパンパンと払う.

「これが王族とやらが住む根城か.なるほど外面以上に豪華じゃのう」

とぼとぼと廊下を歩きながら調度品や装飾を見て回る.

それは国民の血税を吸い上げ,ただ飾り威光を示すためだけに施され集められた装飾たち.
民衆たちが見れば暴動の一つもおこるかもしれない.
だが美そのものに罪はない.

国と関わらずに生きる彼女の目にはそれはただ美しくみえた.

フィリオソリス > 衛兵たちがどやどやと側を通り過ぎる.

彼女が元凶であるとは思わなかったのだろう.
その見目麗しい立ち姿にシンプルであるが仕立ての良い服を見て王族に連なるものと勘違いしたのかもしれない.
美貌はともかくとして着ている服はある王族の一人が彼女のためにと献上したものである.
勘違いするのも無理はないかもしれなかった.

「なんじゃ.そうぞうしいのう」

自分が原因とも知らずあきれたような声を出す.

それらを尻目にまた歩き出す.
何はともあれ見学である.

そう,今回はダンジョンをより魅力的するため装飾の研究に来たのだ.
強大さと言うのも重要な点であるが美しさもやはり捨て置くことは出来ない.

そこでそれらの参考にするために選ばれたのが王城であった.

人々を修める王とやらの住処ならば内装もさぞ豪華であろう,などというごくごく短絡的な思考からである.