2015/11/25 のログ
■ヴェルム > 第七師団将軍の執務室前に人はいなかった。
それもそうだ、兵たちの話を聞く限りは第七師団の主要メンバーは前線に出ているか、それ以外の場所にいるかとのこと。
噂どおり椅子にふんぞり返って頭を使うタイプの者はそれほどいないらしい。
そのため執務室にもあっさり入ることができた。
いや寧ろ別に入られても構わん…といった具合なのだろうか。
事実オーギュスト将軍の執務室から得られた情報は、どれもこれも知っているものばかりだった。
せっかくの敵の椅子、ここまで来て何もしないというのももったいない…さて何をしてくれようかと思案する。
ちょっと考えて思いついたのは、行うにしては幼稚すぎるだろうか…。
執務室にある道具を用い、手作りしたるはティルヒア軍の軍旗…のミニチュア。
我ながらよくできてると力強く頷くと、それを将軍の机の上に置いてみる。
旗を立てるという行為は、占領したという宣言。
もちろん机を占領したからなんだというところだし、我ながら陳腐で幼稚な行いでもあるという認識はある。
まぁからかってやろうぐらいの気持ちしかないが、とりあえず置いておこう。
こうして第七師団の執務室から、これまたあっさりと出てくる。
内勤の将軍の暗殺。
オーギュスト将軍の机の上にティルヒア軍旗のミニチュア。
これくらいやれば王国軍も少しは足元に気を取られてくれるか。
騎士の男は楽観的すぎるかと思いつつ、城から去っていく。
と同時に城内がやや騒がしくなる…死体が見つかったのだろう…。
後ほど城外の木々の陰に、変装に用いられたと思われる、脱ぎ捨てられた騎士の鎧と兜が見つかったらしい。
ご案内:「王都マグメール 王城」からヴェルムさんが去りました。