2015/11/24 のログ
ご案内:「王都マグメール 王城」にヴェルムさんが現れました。
ヴェルム > 王城の中、軍事部門が入っている区画にあるとある将軍の執務室。
それほど名が知られているわけではないし武勇があるわけでもない男だが、それでも将軍は将軍…油断すべき相手では無い。

そう思っていたが、存外容易かった。
そのアトモン将軍と呼ばれていた男…執務室の椅子に腰掛けぐったりと両手を垂れ下げている。
瞳孔の開ききった目は天を仰ぎ、その喉には王国軍の刻印のある短剣が突き刺さっており、傷からは僅かな血が垂れるのみ。
騎士の格好をして戦況報告と言ったらあっさりと部屋に入れたのだ、おまけに背後まで取れてしまい、この結果だ。
将軍の寝室のベッドはぬくもりがあり、そして濡れていた…ちょうど女を連れ込んで情事を行った直後だったのだろう。

静まり返った亡き将軍の執務室では、王国軍の騎士の姿をした人影が室内を物色している。
月明かりで照らされてはいるが、顔はアーメットヘルムを着用しているがために顔立ちや表情をうかがうことはできないだろう。
ヴェルムは一言も言葉を発することなく、室内を荒らし、情報を見て、金品を盗む。

この殺人は王国内の策略になってはならない、王城内に敵がいると知らしめなければならないからだ。
誰にも見られず用事が済めば、次はどこに向かうか。

ヴェルム > それほど戦争に関わっている将軍ではなかったが、それでも巷で手に入る情報より正確なものは手に入った。
やはり戦況は拮抗…と言いたいところだが圧され気味か、例の龍の出現によって王国軍艦隊に甚大な被害が出たものの、ティルヒア側も損害を受けて後退したと、そしてその隙に王国軍艦隊は攻勢をかけようというもの。
ただ戦線が伸びきって各所で戦闘が起こっており、どう転ぶかといったところか…。
情報は持ち帰りたいところだが、持ち帰ったところで時既に遅いだろう。
変装した騎士はこれ以上将軍の執務室にいる必要は無いと判断し、静かに部屋のドアを開ける。
静かにではなく、堂々と…自分は王国軍の騎士なのだから、コソコソする必要は無いと。
実際戦争中にも関わらずやはり城の中は兵士だらけ…それでもここまであっさり来れたのは、戦争の及ばないところにいるという油断、そして身内の策略を気にしすぎるせいだろう。
ヴェルムは執務室を出て、次に目指すは別の将軍の執務室にでもするか…特に第七師団の将軍は要注意人物…前線に出ているのならば今なら入れるだろうか。
アトモン将軍の死に気づかれるまで数時間…あるいは数十分といったところか…。