2015/10/24 のログ
ご案内:「王都マグメール 王城」にユリアさんが現れました。
■ユリア > (穏やかな午後の光が降り注ぐ王城内の庭園。手入れの行き届いたその場所は、城壁の内側にあるとはいえ、ところどころに東屋があるような広大さであり、騎士団が警備に駆り出されることもしばしば)はい、異常はありません。(王城の役人なのか、文官らしい男とすれ違い、そう答え、その人物を見送ると、はー、と思わずため息が)今日は庭の警備かぁ…ヘンな人とか入ってきたらヤだな…。(騎士らしからぬ怠惰な呟きを一つ。空は青く澄み渡り、木々から注ぐ陽光はきらきらと眩しいくらい。その平和さを覆すようなことがないように祈りつつ、止めていた足を再び動かして、庭園の縁、城壁そばの木々が生い茂る場所の警備へと戻る)
ご案内:「王都マグメール 王城」にワルセイ・イダーヤさんが現れました。
■ワルセイ・イダーヤ > あぁ、これがその薬だ。容量、使用法を守って、白湯で飲むがいい。
(そう言いながら。男は、王城の外壁近くにある森の中でメイドに薬を渡す。渡した薬は避妊薬。どうやら、とある貴族に呼び出され不安に思い、男に連絡してきたようだ。メイドが消えれば、男は溜息を吐いて。)
……ふん、まさか、再び王城に来る日がこようとはな。
(王城に来るなど60年ぶりで。久しく見なかかった森も様変わりしている)
……誰かに見つかったらうっとおしいか。とっとと離れよう。
(そう呟き、男は森の中を歩く。男の姿は、自分から見ても不審者だというのは自覚していて。だが、ふと、王城の庭に咲く花を見て)
……あの花は…
(つい、少し見つかりやすい場所で立ち止まってしまって)
■ユリア > (僅かに武具の擦れる音を響かせながら、警備を再開すれば、木々の合間に目を光らせるのは当然のこと。鳥のさえずりも聞こえるし、どこからか嬌声めいた声も聞こえてはくるが、職務に集中しているようで、気にする様子は見せない。その足取りがふと止まる。同時に、利き手が剣の柄へと伸び)そこの…。何をしているんですか。ここは神聖なる王城です、不敬は許されませんよ。(森の中に立ち止まる人影。王城に似つかわしくないその姿を認めるや、やや鋭い声をかけ。距離は少しあるが、発した声が相手には十分届く距離であり、互いに踏み込まない限り、一足には剣戟が合わない微妙なもの。その距離を保ったまま、相手の容姿を用心深く見る瞳はやや険しく遠慮がない)
■ワルセイ・イダーヤ > ……警備の者か。
(少し顔をしかめ、しまったといった表情を作る。この距離なら一撃は避けられるであろうが…だが、見たところ相手は女騎士。なら……)
……なに、王城には久しく来なかった故、色々物珍しく感じてなぁ。森の中を散策しておったのよ。
(そう言いながら、男は手に持っている武器になりそうなステッキをひょいと捨てて)
ほれ、俺に戦闘の意思はない。無手の人間を切るのが誇りある騎士の仕事かね?
(そう言いつつ、先ほど見た花に近づいて)
まあ、王城へ物取りしに来たわけではないことは信じてほしい。ただ、この花を眺めることは許してほしいな。
(そう言って、優しい表情で花を眺めて…実のところ、持っているカバンに、催涙の煙や催淫の煙を出す機能が備わっているので、この余裕があるのだが……)
■ユリア > (柄を握る手に少しばかり力が入る。利き足が自然と踏ん張るように爪先が土を踏みしめ、相手の出方を伺う素振りを見せ。が、その緊張を一気に解くように投げ出されたステッキ。え、とばかりに瞳を見開いては)あ、ええと………。(拍子抜けしたみたいに続く言葉を失って。代わりに相手同様にこちらも戦闘の意思がないことを示すように剣の柄から手を離し、踏み込んでいた足も緊張を解くようにすると)ごめんなさい、つい、そのー…ヘンな人かと思って。(ずいぶん失礼な物言いだが、素直な感想を口にしてから、相手の歩む先、その花へと視線を向ける。相手との距離は取ったままだが、相手の様相と不釣り合いと言うべき可憐な花とそれを見つめる表情に気を許したように笑みを浮かべる姿は年相応の少女らしさがあり)そんなところに花が咲いてたんですね、どうぞ、お花ぐらいなら、王様も許してくれると思います。(日がな一日警備のために、このあたりうろうろしていたものの、気付かなかった花の姿に目を細めつつ、暢気な口振りで相槌打ち)
■ワルセイ・イダーヤ > ……っふ、警戒を解いてくれたこと、感謝する。
(まあ、王城の中で事件など起こせば、まず首が飛ぶ。男は、カバンの中の装置を使わなくてよかったことに内心ほっとして)
変な人…か。否定はせんよ。そう見える格好をしていることはな。……っふ、足元はよく見ておくべきだ。いつ、すくわれるかわからぬからな。
(そう言いながら、花を眺めていた目を女騎士に向けて)
この花は妹が好きでなぁ。よく、花壇からつんできて、母上に怒られていたよ……一応名乗っておこうか。俺はワルセイという。そなたは?……まぁ、名乗るのは強制ではないが…
(そう名前を聞いて)
■ユリア > (感謝との言葉に、また意外そうに目を瞬かせると)いえ、私の方こそ、…一応仕事なんです、こういうの。あまり戦闘は好きじゃないので、よかったです。(職務ゆえの警戒であったことを合わせて伝えては、少しばかり困ったみたいに笑って見せ。相手の言葉に相槌を打つと)そうですか、妹さんが…。じゃあ、ほかにもあったら持って帰っちゃいましょう!妹さん、喜んでくれますよ!(不審者扱いした詫びとばかりに、ぱっと明るく弾む声を上げ、ほかにも花がないかと探すように視線を地面に馳せながら)あ、私は、ユリアと言います。王都の騎士団に所属しています、ワルセイさん。(相手に視線を向け、名を名乗っては、にこやかに微笑みかけるあたり、先ほどまでの警戒心剥き出しの様子は微塵もなく。そして、同じ花がないかと地面ばかり見ながら歩を進め。相手との距離、などということも忘れたように距離を削ぐ形になっても花を探すことに夢中のようで)
■ワルセイ・イダーヤ > ……ユリア…か。ユリア、そなたは優しいのだな。
(ユリアの笑顔、そして、ユリアの行動に目を細めながら、優しく口元を笑顔にして……)
妹も、そなたのように、優しく、元気だったなぁ……
(そういう男の言葉は、まるで老人のよう。)
だがな、ユリア。その行動はあり難いが、今はもう、無意味なのだ。
(そういう男の笑顔は悲し気になり)
俺の妹は、もう死んでいるも当然の状態なのだ……病のせいで、俺の、せいでな。
(そう言いながら、男はユリアに近づいて。)
……女騎士を見るとなぁ、何とも悲しくなるのよ。あいつが果たせなかった、夢だからなぁ…
(そう言って、ユリアの頭を、そっと抱きしめる)
■ユリア > 優しいなんてそんなことは。(軽く身を屈めて、地面をじろじろ。謙遜というより、自認していないように首を振って。だがすぐに、相手を見る視線が、不思議そうに瞬く。彼の口ぶりからくる違和感)でも、好きな花なんじゃ…?(無意味だと言われた言葉に対して発した言葉ではあったが、続く言葉に息を詰めるように言葉を失い)ご、ごめんなさい、私…。(相手の表情も手伝って、最愛の妹の存在を知り、咄嗟に謝罪の言葉が口を突く。それに続く言葉を探すように黙ったまま佇むしかなかったが、相手との距離が削がれ、抱きしめるように腕が伸びてくる。相手の言葉と表情とに同情を抑えきれず、大人しく抱き寄せられては)そうだったんですか…。………あの、あの、でも!お花を妹さんに持っていったりすると、喜んでくれるのではないでしょうか、ワルセイさん!(大人しく抱かれてはいるが、少しでも元気づけようとするように努めて明るい口調で提案し)
■ワルセイ・イダーヤ > っふ、…妹としては、今の状態を望んでいるかはわからんがね。もしかしたら、死んだ方がましだと思っているかもしれぬ…
(そういう男の言葉には、深い悲しみが入っていて)
……俺は、段々症状が重くなる妹が見ていられなくてなぁ…だが、今の医療では治せぬ。どうすればいいか考えたとき、悪魔のような考えがよぎったのだ。妹を冷凍保存し…直せる世になったら蘇生させればいい…とな。
(そう語る男の言葉は、信じられないほど冷たく場に響く)
俺は、家から妹をさらい、特殊な魔導道具で、その体を北の果ての永久凍土に封印した……もう、60年も昔の話だ…
(その声は、冷たさを通りこし、亡霊が語っているかのよう。)
そして俺は、妹を治す技術ができる世まで生きるために、とある代償を払って、不老の技術を得た。その代償は…
(そして男は、ユリアの胸の鎧をコツコツと指でたたき)
永遠に、母乳を摂取しなければ、肉体が崩壊するという、笑い話のようなものだ…ふふ、軽蔑したまえ、妹を冷凍保存し、赤ん坊のための飲み物で命を繋ぐ異常者を…っぐ、ごほ、ぐふ…
(そう語る男の腕には力がこもり、ユリアを強く抱きしめる。その顔から、大粒の涙を流して…そして、何事か咳をし始め、胸のポケットから、乳白色の液体の入った小瓶が落ちて……)
■ユリア > (抱きしめてくるその背に片手を回し、慈しむように優しく撫で擦り。掛けるべき言葉がない代わりに、その仕草で相手を慰めようと努めながら)………。(しかし、本来、生のあるべき姿に逆らうような相手の言葉に手の動きが止まる。怜悧なその響きを持つ言葉に怯えにも似た感情を抱いたのか、竦んだように身体が硬くなってしまう)………ワルセイ、さん?(相手に対する恐怖にも似た感情と、60年前の話、と言う言葉に混乱したようで、相手の名を呼び、その指先が叩く胸当てへと視線を落とし。意味を理解していないのか、再び視線が相手を捉え)ぼっ…ぼ、ぼにゅ…って。(思いもよらない言葉に、顔が真っ赤になって大きく首を振れば)そ、その、軽蔑はしません、お、お兄様として、妹を助けたいのは…わかります、けどっ、あの、あの……―――だっ、大丈夫ですか?!(悲痛な言葉に対して大よそ似つかわしくない慌てようを晒してしまうも、咳込んだ相手に驚いて、その背を擦り。転げ落ちた小瓶を見ると、その色といい相手が言う母乳なのかと勘繰るに十分。とはいえ、ここで放っておけるほど非情でもないし、強く抱かれているせいで逃げられるはずもなく、背を擦る手はそのままに)大丈夫です。きっと、いつか、…妹さん、元気になりますから。(気休めと言うべき言葉で相手を慰めるしかなく。自分にできる最大限の慰めは、大人しく相手に抱きしめられること、とでも思っているかのように大人しくその腕の中に納まったまま)
■ワルセイ・イダーヤ > グフ…ごほ……
(男は。咳きこみながらも、小瓶を拾うと、中身を飲みほして、咳を止める)
……ふぅ……っふ、気休めでも、こんな話を聞いて、そのようなやさしい言葉が言えるそなたは優しいなぁ。
(そう言いながら、ユリアの体を離す。ユリアが母乳のことで真っ赤になれば)
はは、俺も妊婦から母乳を絞るような鬼畜なことはせぬさ。ただ、妊娠せずとも母乳を出すようにする薬があるのだ…まあ、そなたには使わぬから安心したまえ。
(そう言いながら、男は懐に手をいれて、美しいガラス細工の小瓶に入った何かを取り出し)
初めて会った人間にこれほどまで優しくできるそなたに礼だ。中身は香水だが…ま、騎士に必要ないと思ったら捨てたまえ。重要なのは、このビンだ。かなり価値があるらしいから、プレゼントしよう
(そう言って小瓶を手渡して。)
■ユリア > (背を撫でていた手を一旦止め、相手から一歩身を引いてから、小瓶の中身を飲み干す姿に目を見張り。咳が止まったことで、その中身を察したらしい)…あぁ、いえいえっ、これくらいはお安い御用ですのでっ!(僅かに反応が遅れたものの、すぐに笑顔を浮かべて敬礼でもしかねない勢いで返事をし。はぁ、と驚きを隠せぬ様子で、続く話を聞いている。時折理解を示すよう、相槌を打ってから)いろんなお薬、あるんですね。きっと…はい、妹さんも大丈夫です!(根拠はないが、自信たっぷりに言い切るあたり、確信があるようなないような。差し出された小瓶を見てから、両手を伸ばしては)香水…。確かに騎士には不要ではありますが…大事にしますね!女性は誰しも、こういうものは好きですし。ありがとうございます、ワルセイさん。(騎士の風体をしていても、中身は一応女性なのだから、プレゼントとなればありがたく頂戴するわけで、両手で大切そうに受け取って。それを陽光に翳し、細やかな細工の施された瓶を眩しそうに眺めて)
■ワルセイ・イダーヤ > (男は、ユリアの嬉しそうな表情を目を細めて眺めて、薄っすらとだが…妹を、重ねて見てしまって、頭を振る。この女騎士は、妹では無いのだから)
……ユリア、こちらを向け。
(そう言って、ユリアが此方を向けば、その顔を優しく掌で包んで、クチュ…と、唇にくちづけ)
……っふ。では、な。
(そういって、森の奥に消える。もし追いかけていけば、城壁があるだけで、まるで、亡霊のように消えているであろう……実際は、この壁に隠しの仕掛けがあるだけなのだが…こうして男は城を後にする。出会った女騎士の…一瞬でも妹を重ねてしまった相手の幸を祈りながら)
■ユリア > (小瓶の中身が陽光に反射してきらりと光り。それを眺めたあとで、相手に名を呼ばれたことでそちらへと視線を向け)はい、何でしょう?(小首をかしげる形にてそちらを向くと、頬に添えられた手に瞳が瞬くまま、唇が触れると驚いたように少し身体が固まってしまう)…っ、あ、は、…はい、し、失礼します!(意味なく声を張って相手を見送り。手の内の残る小瓶と、木々の合間へと消えていく相手を交互に眺めて。何度目か視線を送った先、いつの間にか消えた相手にまた瞳を瞬かせて)…妹さん、元気になるといいなぁ。(のんびりとした口調で呟き。もう一度小瓶を陽光に翳し。そして再び警備へと戻るべく歩み出し)
ご案内:「王都マグメール 王城」からユリアさんが去りました。
ご案内:「王都マグメール 王城」からワルセイ・イダーヤさんが去りました。