2023/07/17 のログ
ご案内:「王都マグメール 富裕地区2」にサウロさんが現れました。
サウロ > (貴族や資産家が多く居を構える富裕地区。
 今日はとある貴族からの依頼で、潜入調査をすることになった。
 それも滅多に行動を共にしない隊の長である槍使いの壮年の男と共に。
 わざわざ女物に近い少女が着ても違和感のないシャツとキュロットを用意して少女になれと。
 どうやら潜入する先は年頃の少女が入る店のようで、叔父と姪という親戚という設定で店に入ることになった。
 「悲観してる暇があるなら利用しろ」とばっさり言ってのける剛毅な隊長に任ぜられたら、否やを唱えることもできず。
 三つ揃えのスーツを着た隊長と共に、店にやってきたわけだ。)

『これが終わったら冷たいものでも食べに行こうな』
「は、はい、叔父様」

(頬が引きつっていないだろうかとハラハラしながら、サウロは笑みを零す。
 親子連れじゃないところはまぁ「似てなさすぎ」という指摘を受けたからなのだが。
 ともあれ店内に入れば、年頃の貴族の少女たちが好みそうな詩集や恋愛小説の本から、
 刺繍に仕えそうな糸や布、レース飾り、あるいはきらきらした小物など、
 少女性を非常に刺激しそうな数々が美しいレイアウトで並んでいる。
 隊長の違和感が凄まじいが、さすがそこは隊長、平然として──。)

『…………怪しい所があれば伝えろ。俺は虚無になる』
「ちょ……っ!?」

(そうして入ってすぐ出ていった隊長を恨めしく思いながら、サウロは一人取り残された。)

サウロ > (とにかく動かなくては……。
 サウロという青年──今は少女の姿──は、とても真面目な性格だった。
 不慣れながらも少女の姿をイメージして、勝手に出て行ってしまった親族に怒っていると周囲に見えるように眉根をきゅっと寄せる。
 これで大丈夫なのか…?と周囲をチラチラしてしまうのは、実際には取り残されて心細そうに見えているかもしれないが。

 ともかく、年若い貴族子女を狙う誘拐犯罪者の隠れ蓑になっていると噂の店だ。
 何か証拠に繋がるものはないかと店内を見て回る。
 こう、年頃の少女が好きそうなキラキラふわふわした物を前に表情を強張らせるのは、性自認が男だというせいか……。
 リボンをつけたくまや可愛いドレスを着たウサギのぬいぐるみを前に、ぽつりと零す。)

「……ワ、ワァ……カワイイー……」

(あまりにも下手。棒読み。
 もう少し女の子らしく振るまえと同僚の女性から厳しい言葉が飛んできそうである。)

サウロ > (しばらくは調査を称して様々な商品を眺め、店員の同行を観察し。
 その中でも花柄のグラス彫刻などを見れば綺麗だなと素直に思い。
 ────その値段を見て目を大きく見開く。
 すぐに首を振って、新たな客が入るタイミングで外へと出た。)

『────で、どうだった?』
「目に見える範囲には特に異常は。ただ、店員の何名かの視線は感じました」

(外で待っていた隊長と合流し、店から離れながら小さな声で話しをして────。)

ご案内:「王都マグメール 富裕地区2」からサウロさんが去りました。