2023/06/25 のログ
テレサ > 声の主は変わっていると思える服装。
異国の服装だったと思い出すとこの屋敷の主の顔の広さに顔には出さないが驚き。
そしてゆっくりと近寄っていき。

「変わってますね。こういう場所に来る人はそれが目当てだと思っていました。
それに…静かは……難しいですよ。
私は雇われた護衛です。術……?魔法は使えません、教わっていないので」

静かな時間と聞けば、屋敷から聞こえる騒がしい音楽や人の声、静かな場所に行けばさ事情を行っている参加者もいるかもしれない。
なのでそれは難しいのではないかと小さく口にし。

術と聞けば最初は何かわからないという雰囲気を見せるが直ぐに察し。
魔法は使えないと静かに返して。

ファルスィーク > 本来ならばもう少し身なりは整えるべきなのだろうが、一応これも正装ではあるという事で押し通しての来場。
周囲からもそれなりに興味を持たれたので効果も十分あったが、成果については今のところ愛でるだけに抑えておいたのは、これはという相手が見つからなかったからでもあった。

「富豪が開く宴は大体が接待であり、簡易的な談合、商談も含め君の言う通りそれがメインではある。
――屋敷内に比べれば、静かな方だからね。
まあ…屋敷内の警護に当てられた輩の方は、結構な我慢を強いられて気の毒ではある。
ほう………それは何とも勿体無い話だ。人にしては結構な魔力であるのに」

此処でも時折、風に乗って艶やかな声が届いたりもするが、まだマシな方であると笑いながらグラスを傾けた後、一杯飲むかという様に空いたグラスを示してはみるが。

術が使えないとの返事には、勿体無いと率直な言葉を述べ…思案気な表情のまま少女をじっと見やる。

「君は魔法についてどのような印象を持っている?
ああ……難しく考えずに率直に答えてくれればいい」

問うのは術に関しての意識している事を尋ねてみた。

テレサ > 「それは初耳です。てっきり財の自慢の集まりだと思っていました。
……それは否定できません。
もうとっくにさぼっている可能性もありますよ。
魔法に無縁な生活でしたので」

貴族のパーティーとは財や悪趣味なコレクションの自慢会だと思っていたので男の言葉に少しだけ感心し。
屋敷内よりはと聞けば、気を付けなければ事情の声が聞こえはするは静かといえば静か。
画案強い警護ならよいが、そうでないのならメイドあたりを捕まえサボっているだろうというのは容易に想像が出来てしまい、それを口にし。
もったいないと言われても首をかしげるしかできず。

ワインを勧められるも仕事中と首を振って断り。

「便利な力、それだけです」

問いかけにはそう短く答え。
母から聞いた、使い方次第で便利になる程度、その言葉をそのまま口にして。

ファルスィーク > 「財の自慢では、それこそ浪費であり散財でしかないので、適度に周囲から食い潰されて落ちぶれていくだけだ。
興味があるようならば、警護中も耳をよく働かせている事。
意外と面白い情報を耳にする事が出来るだろう。
まあ…富豪が富豪たる所以だな。
―――警護の者も上手く行けば良いパトロンを見つける切っ掛けにもなる。
その上、手配した主催者の方の株も上がるのでお互いに美味い話か」

表向きはそのようにしか見えない部分もあるだろうが、この王都でそれなりの地位を守るには様々なやりとりがある。
中には貶める目的、足を引っ張ろうと画策する者もいるだろうが…。
さて…見目麗しい少女が警護の任についている理由も、そう言った情事を含む部分を含んで雇った可能性が無いとも言い切れない訳だが。
――魔法に無縁との言葉には肩を竦ませ、勿体無い話だとの呟きを。

「ふむ……いい返答だ。
概念に捉われているでもない」

魔法についての印象を聞くと数度頷きながら、勧めたワインを断られると残念そうにボトルから己のグラスへと注ぎ入れつつ、手招きをしてみる。
少女が近寄って来たのであれば、すっと伸ばした腕。右手の人差し指を少女の額へと当ててみるが。

「さて、切っ掛けになればいいんだが……興味があるのなら目を閉じる様に。
そして…そうだな…火を想像するように。
火の色、形、熱…できるだけリアルにな」

テレサ > 「私はあくまで警備です。貴族のやり取りに興味はありません。
それに不要な事を知れば面倒ごとに巻き込まれるリスクがあると父が言っていました。
この依頼は……報酬はいいですね」

男の並べる言葉はこの王国で貴族がどうやって地位を守っているかという事。
多少なりでも家柄がいい生まれなら別ではあるが、自分はしがない冒険者、そういう話には縁がなく。
ただ報酬が良かったので引き受けたのだと告げ。

「母の受け売りです。
ただ人より便利な事はできるだけだと」

魔法は結局は使い方。道具と変わらないと使えることを特別に思っていないことを口にし。
手招きに近寄りはするが右手が延ばされては反射的に後ろにと下がり。

「私には剣があるので十分。
二つを行えるほど器用でもないから」

きっと魔法についての何かを教える、感じさせようとしたのだろうが自分には過ぎた力。
そう思えば首を軽く振り結構という仕草を見せて。

ファルスィーク > 「成程……徹底しているんだな。
だからこそ、選任されたと言うべきか。
確かに、知ればそれなりにリスクは付いて回る。
――報酬は、連れ込まれる事も含めてだと考えておいた方が良いかもしれないな」

耳を澄ませば面白そうな話がそこかしこに転がっているが、ハイリスクハイリターンである内容が殆ど。
父の教えを徹底しているのは、身を護るには一番リスクが少ない手段とも言える。
近付かなければ危険はない。というのはその通りではあるが…報酬が良い子の仕事に関してはそれなりに理由がある件。
さて、少女は上手く立ち回れるのか。

「…良い両親を持っているようだね。
母親の方は心得があるようだが、教えなかったのには理由がありそうだ」

手招きに応じないのは、それが少女の返答。
己が魔法に関しては、巷のものよりも特異な部分ではあるので先入観がない方が良い。
切っ掛けがという経験があれば、それなりに使いこなせそうな素質はありそうだが残念だという様に。

「剣では対処しきれない時の奥の手はあった方が良いと思うが…まあ、無理強いする気も無い」

下がった少女に言葉を続けながら皿の上の肉にフォークを刺して口元に運んで咀嚼し嚥下した。
剣の腕に自信があるのは、言葉から窺え実戦も鍛錬も実直にこなしているのだろうと。
そして、随分と引き留めてしまった事に気付きふと屋敷の方へ向ける目―そろそろ喧騒も明かりも薄くなってきているのは窺え。

「足を止めさせてしまい悪かったね。
…もう少し相手になってくれるなら嬉しいが」

テレサ > 「不要な事を知る必要はない、父の口癖です。
ギルドでの募集ですのでわかりません。
知らなくていい事を知るのはリスクになります。でしたら聞きません。
依頼は明日までです、朝になれば引き上げます」

確かに知れば面白いかもしれないが危険が孕む。
一時の興味で明日が危険になるのは愚か者のやる事、その教えに沿い不要な事は知ろうとせず。
男の言葉にはやはりかと眉が動くが、明日までの依頼。
危険になる前に引き上げると告げて。

「自慢の両親です。
父と母はともに暮らしていません、時折に会う程度です」

剣士の父のもとでとだった故に魔法を得ようとは思わず。
そして母もその考えを重視してくれているので、他者から教わろうとはせず。
ただ男の親切には小さく頭を下げて礼を見せ。

「その時は…その時です」

何時かはその時が来るかもしれないがその時はと考えていると返し。
そうしてい話していれば屋敷からの賑やかな気配も静まりだしていて。

「いえ、大丈夫です。
申し訳ありません、交代になりますので」

もう少し、そういう男に静かに首を振ってはお断りし。
そうして黍を返して見回りに、そして交代してあてがわれた部屋へと戻っていく事に。

ご案内:「王都マグメール 富裕地区2」からテレサさんが去りました。
ファルスィーク > 淡々と語る内容は、石橋を叩いて渡るという言葉が似合いそうではある。
実直に堅実に、自ら危険には近寄らず避けて通るのは、生き残る為のコツともなる。
そして、己とは真逆に近い位置でもあるので、素直に関心はしていた。
少女の親は結構な辛酸を経験したのだろうか。

「旨い話には裏がある事が殆どだ。
此処に部屋が用意されているのも、それを含めての事だろうから望まないのであれば気をつける事。
中には身持ちが固いのが好みというのもいるので、下手に目を付けられなければいいが……」

少女の素性についての片鱗。
真面目である事も言葉や態度から窺えて、交わす言葉から時間が経つのも早く感じられた。
屋敷の明かりが減るごとに、己の居る辺りの暗闇も増していく。
懐から取り出した水晶柱と拳ほどの大きさの石へ魔力を籠めると、ほんのりと輝き始め、それぞれ青白い光とオレンジ色の光を放ち…それを光源として。

「一つを鍛錬し錬成して得る手段も確かにある。
が…冒険者であるならば、遭遇する事態も様々になる。
手段が多いほど選択肢が広がるし、結果的に君自身と仲間の助けになるかもしれない。
とまあ…余計なお世話だが言っておこう」

誘いを断られて少し残念そうにするが、手を振って少女を見送り――己はまだ暫し、一人での酒を楽しむ事になった。

ご案内:「王都マグメール 富裕地区2」からファルスィークさんが去りました。