2023/06/05 のログ
ご案内:「王都マグメール 富裕地区2」にサウロさんが現れました。
■サウロ > (富裕地区。言葉通り、富裕層と類される下位から上位までの貴族のタウンハウス。
爵位を持たないものの商売でなり上がった者や、資産家なども含めて、豪奢な屋敷が並ぶ通り。
平民地区と違って歩きやすく舗装された通りの道や、屋敷を囲う柵や、馬車と歩行の道が分けられている箇所もある。
数年前まで騎士団に在籍し、王城で勤めを果たしていたサウロにとっては、そう珍しくもないけれど、
平民であるが故に中々出歩くことが出来なかった場所だ。)
「……まさか貴族からの依頼がくるとは」
(自由を掲げ、正義の為に行動することを理念とした組織集団に属する身としては、
後ろ盾ともなる貴族はいくらかいるけれど、基本的に正規の国家騎士団へ依頼が行くのが常。
こうして内々に依頼をしてくるのは、王国騎士団に内密にしたいのか、あるいは信用が出来ないのか。
何にせよ、サウロが今、日ごろより少し質のよい服に身を包んで移動しているのも、
下級貴族出身の、使用人風に変装した上で依頼である『とある商店の調査』を実行するため。
若い貴族や使用人などの娘たちに人気のある宝飾店だが、そこへ行って数日後にしばらく行方知れずになるのだとか。
もしかしたら、奴隷売買に携わっている可能性も。
しかし可能性だけでは騎士団では大掛かりな調査が出来ない。故に、身動きの取りやすい自由騎士で何らかの情報を得て欲しい──そんな内容だ。
思う所はあれど、依頼ならばこなさなければならない。
白羽の矢が立ったのは、貴族に多くいる金髪碧眼の特徴を持った、見目の良いサウロだった。)
「ここか……」
(高級感がありながら、ショーケースなどは若人向けらしく華やな色合いで飾られ、どこか入りやすそうな雰囲気だ。
そんな例の宝飾店を前にしてサウロは呼吸を一つしてから、店内へと足を踏み込んだ──。)
■サウロ > (店内は広々として、ディスプレイとして飾られている白いドレスを着たマネキンには
ネックレスやイヤリング、指輪などの装飾品がつけられ、ポーズをとっている。
それが貴族の間ではデビュタントに使われるドレスであることは常識的なことかもしれないが、
貴族社会に偏った知識しかないサウロは「結婚式…?」という疑問に首を傾げた。
他にもいくつかあるトルソーにも流行らしき首飾りが様々飾られている。
防犯用の結界魔導具の中なので、安全性も確保されているのだろう。
店内には若い子女たちがお付きのメイドや使用人数名と一緒にいるようで、
高級感のある富裕層独特の空気感に、緊張で息を吞む。)
「……(確か、こういう場では店員の案内を待つものだったか)」
(店内を静かに見渡せば、数少ない商店員は他の客を案内しているようだ。
他にもただ見学に立ち寄っているという人もいるので、それに倣って店内を見ておこうと、
店内のディスプレイを眺める振りをしながら、店内の様子をつぶさに観察する。
今の所、雰囲気だけは下位貴族のお忍びぐらいには見えているかもしれない。)
■サウロ > (やがて奥からやってきた店員らしき壮年の男性に声をかけられた。
丁寧な接客の中に値踏みするような視線、来店の目的などを尋ねられ、
好いた女性に贈り物をしたいという偽の目的を伝え、奥へと案内された──。)
ご案内:「王都マグメール 富裕地区2」からサウロさんが去りました。