2022/12/25 のログ
バルゴラ > 王都マグメールの富裕地区に存在する図書館。
位置的には富裕地区の中央よりも若干であるが平民地区との境に建てられており、貴族階級や王族の人間たち以外にもそれなりの身分……例えばラジエル学院の生徒や教職員も利用する。

此処は図書館であり、平民の身分のものでも利用できないわけではないが、当然ながらそれなりの扱いがされるだろうし、実際に幾度かそんな眼にあっている人間を見ている。
奥に連れ込まれたり、或いはストレスの発散に……と、する側もされる側もご苦労なことである。

その中に積極的に混ざりたいとは思わないので、どうぞご自由にというスタンスで、ああ、でも虐げるのは少し面白そうだ、とか、色々と腹に抱えながら、今夜も図書館を利用する。

今夜探しているのは以前平民地区にある図書館で探したが見つからなかった今だ正体不明の物質に関わりそうな情報の記載ある本。

薄い緑の透明な楕円形の種子に見える何かだが、透明なその中には濃い緑色?青色?の球体が幾つか浮いているように見える――…故に、これは魔物の卵、特殊な植物の種子、諸々と推測を立て、その正解を知りに来たのだ。

足は迷うことなく植物について詳しい本がならぶ書架。
柔らかな絨毯を踏みしめ、温かな橙色の魔法灯が照らす中を歩き、書架を目指す。

途中で眼鏡のブリッジ部分を中指で押上げて、眼鏡のズレを直し、書架に間違いが無いか、近くに目的以外に近しそうな本が並ぶ書架が無いか、視線をあちらこちらに送りながらであった。

バルゴラ > 植物だと絞り込んだのは形状と色。
形状は間違いなく種子であり、色は植物を想像させる緑。
若い種であるかすればその緑色も不自然には思えない。

もうひとつ言えば他が否定する要素が多いのもある。
例えば魔物の卵であれば鳴動を感じるはずだし、鼓動も感じれる筈だが、現状でこれは生命力の欠片を感じはするが卵のように動きはしない。

鉱石と断ずるにもそれが引っ掛かる。
生命力を感じるので鉱石ではない、ただ割ろうとか粉末にしようとしたが、硬くてどうにもならなかったので、鉱石ではと当初は予想もした。

――……まさか植物系の魔物?

「……ないか、あるか、と言われるとあるな。植物タイプの魔物の種子……そうならば……。」

そうならば、もう少し魔物としての香りがしても良いはず。
こう見えても魔族に属する存在であり、流石に魔物であるならばもう少しヒリつくモノを感じるはずだが、それもないのだ……。

今夜は予定通り植物の線で本を探す。
なるべく厚みのある本を魔物に関わるような本を、背表紙を指先でなぞりながら、口の中で本のタイトルを呟きながら、本を探す――…できれば良い感じの本を数冊、見つけて奥の個室かそこらのソファーで読みたい。

バルゴラ > ――…暫くは本を探す事に没頭し続けるが、望んだ本がないと判ると、大きなため息を吐き出しながら、眼鏡のブリッジ部分を中指で押上げて眼鏡のズレを直す。

「……学院の図書館、或いは実家に相談するか、その手に詳しい教員とか学友を当たるか、になるなぁ……。」

それも仕方ない。
或いはこれプランターか鉢に植えてみるか。

等諸々考えながら、まだ暫くは本を漁る。
あちらの書架に、こちらの書架に、ウロウロする姿がみれるだろう。

ご案内:「王都マグメール 富裕地区/図書館」からバルゴラさんが去りました。