2022/12/04 のログ
ご案内:「王都マグメール 富裕地区2」にスマートさんが現れました。
■スマート > その店の前で悩んでいる女性を見かけると硬い靴で踵を鳴らしながら石畳を歩く音も隠さず、男は現れた。
どこか軽薄そうな印象を与える風貌だが、きっちりと隙の無いスーツ姿で皮手袋をした手を彼女に差し伸べるようにして、黒服に相対している女性にゆっくりと口を開く。
「おや、お嬢さん。こんなところでどうしたんです?」
午後の昼下がりの挨拶のような気軽さで話しかけて、黒服の間にするりと割って入るとニコニコと両方に笑顔を向ける。
人差し指を掲げて、男をけん制するように。彼女を胸に招くように囁いて。
「お困りなら力になりましょうか?」
見た目を裏切らない甘い声で、ウインクをする。そんな所作が似合う男であった。
■アストラ > 「あら」
店の護衛である男との間に割って入ってきたのは見知らぬ男性。
きっちりと隙の無いスーツを着た端正な顔立ちの人物は富裕層の人間にも見えるが、着ているものが異なれば別の場所にいそう、というような印象を抱かせる。
そんな彼の前には、やたらと露出の高めな魔術師らしき風体をしたアストラが映っていただろう。
明らかに冒険者らしいアストラに助け舟を出したということは、巻き込まれてくれるということか。
とは言え、危ういことに巻き込むつもりはないのだが。
「依頼で中に入りたいのだけれど、私一人では身体検査をされてしまうみたいで…。
届け物をする間ご一緒していただけると助かるのだけれど」
ウインクしながら囁く彼に、微笑を浮かべながら手に持つ小包を見せる。
なおこの店の中は紳士淑女の淫らな乱交場のような場所だ。
彼がそのことを知っているかどうかはさておき、入店したならばすべての行為は合意の元とみなされる。
アストラ一人で入っていたら裸に剥かれて貴族たちの見世物にされるところであった。
彼が応じてくれるならば、共に店内に入っていくことになろう。
■スマート > 「それはお困りのようだ。こんな綺麗な女性を困らせたまま放っておいては、この名に傷がついてしまう」
大げさな仕草で、空を仰いで。自らの胸に手を当てると芝居かかった仕草のまま、彼女に改めて向き直り首を垂れた。
そして悪戯めいた顔を上げる。その際、舐めるように彼女の身体を下から上までなぞって。
「その大役、スマートの名がお受けいたしましょう」
男はここで、何が行われているか知っている。それをまるで知らぬ素振りで、彼女に腕を差し出して。
共に連れだって中に入っていくつもりのようだ。見張りの男に目配せする。
「そういうことだ。通してくれるかな?」
同じ笑顔で女から男に顔を向けるが、声は少しトーンを落として有無を言わさない力強さがあった。扉が開く。
■アストラ > 【移動】
ご案内:「王都マグメール 富裕地区2」からアストラさんが去りました。
ご案内:「王都マグメール 富裕地区2」からスマートさんが去りました。