2022/02/01 のログ
ご案内:「王都マグメール 富裕地区2」にファイネアさんが現れました。
ファイネア > グラス片手に鼻歌混じりに会場を歩いて行く。
今日はそれなりに機嫌がいい。
会場内は魔法か暖炉かこの寒い時期でも室温が保たれており、外に比べれば暖かだ。
それでお酒も合わせて楽しめるっていうのだから自身にとってはこの上ない。

あえて不平を言うとすれば呼んでくれた主催があまり好みでない見てくれだった…という所だけだが。
チラリと上階のソファに腰掛けている主催の貴族を見やる。
典型的な成金趣味。「いかにも」という風体に微かにため息。

…まぁそれはいいのだ。感謝の念が無いわけではない。
あとは、と周囲の人波を見回す。
個室も与えられている事だし、誰か連れ立ってもいいかしらねぇ…と考えを巡らせる。
さっきからちょくちょく開いた白い背筋にも視線を感じる事だし。
可愛い子か、イケメンでもいればねぇと邪な頭でキョロキョロ。

時折グラスを傾けながら会場を歩く。
さて、目に留まる人物がいるだろうか―――?

ご案内:「王都マグメール 富裕地区2」にサシャさんが現れました。
サシャ > 主催者の成金貴族はこの混沌とした国で成り上った貴族らしく、敵であるはずの魔族達とも裏で繋がっていた。
そのため、魔族の国の諜報員たるサシャも連絡役として何度か訪れていた。
今回も、王都に潜伏している魔族達との接触を終え、もののついでとばかりにこうしてお呼ばれしていたのだ。

「…ま、料理はいいものを出しますわね」

テーブルに並べられた、蛙料理を一つ手に取って口に運ぶ。
ここに来る人間達の人間関係に興味はなく、美味しい食べ物と飲み物が目当てである。
見た目は良家の令嬢にしか見えないが、どこの家の令嬢か分からなければ声を掛けてくる者も少ない。

「あと少し食べたら部屋に戻ろうかしら…」

今日はこの主催貴族が部屋を貸してくれている。宿の心配は無い。
そんなことを考えつつ、ふと目についた大胆に背中を開いたドレスの少女を、なんとなしに視線で追っていた。

ファイネア > こくり。再度グラスを傾け、中の赤いワインを口にする。
ほぅと息をついていれば、多少なり声をかけてくる男もいようというもの。
とは言え、その視線には下卑た下心が透けて見える。
それをコロコロとした微笑のまますげなく断っていくだろう。

好みじゃないのよね、と思いながら―――。

ふと視線を感じた。
開いた背筋はよくよく視線を集める。主に男性のものだが。
視線の先を気にすれば、予想とは違い青い髪の少女の物。
ふぅん。と思えば、すいっと年の割に色香のある秋波を少女に送り、また視線を外す。
思わせぶりな態度は少女の気を引くだろうか。
同時にちらりちらりとドレスが艶めかしく煌くような。蛇の鱗は魔族の少女の理性にどれだけ効果があるだろうか…?

サシャ > (ふーん……?)

目を向けていた少女が一瞬こちらに視線を送って来て、サシャもまたそう思っていた。
同時に、そのドレスもまた、何らかの幻惑作用をサシャに送ってきているらしい。

「……人間なら効くでしょうね」

何なら、魔族たるサシャも少しむらっときている。
と同時に、興味も湧いてきた。彼女は人間ではなさそうだ。
魔族の国の者なら把握していないはずはないのだが…。
サシャはテーブルにグラスを置き、優雅さを崩さず、しかし少し足早に歩きだす。
会場の人間に視線を向けたり、数少ない知り合いに笑いかけたりしながらも、追うのは当然彼女の背中。
そして、自然に追い越すと見せかけながら、すれ違う一瞬、彼女にだけ聞こえるように耳元で囁いた。

「少し、お話はいかがかしら?」

ハーピー特有の、幻惑と誘惑の声。
そして追い越した彼女にこちらも色香ある視線を送ると、そのまま視線を前に戻して、何事もなかったかのように会場を出ていく。

「…今夜は意外に楽しめるかしら?」

そして、出口付近の壁に寄りかかりながら、彼女を待った。

ファイネア > 背を向けて入ればやってくる気配。
先程の少女のものかしらね、と考えながらしかし歩みは変えず。
どうするのかしら、と考えていれば。
すれ違い間際に耳元に囁かれる言葉。しかも言葉には魔力が込められている。

へぇぇ。と思いながら会場を出ていく姿を見送った。
彼女もまた、王国内にいる魔族。もしくは魔族に近いモノのようだ。
持っていたワイングラスを干し、グラスを給仕に預ける。
こちらはゆっくりと会場の出口を目指して。

いっそ優雅な足取りで出入り口を抜ければ、そこで待っている姿に気づく。

「素敵なお声。どきどきしちゃった。」

と笑みを浮かべながら声をかける。
敵対心はない様子を出し、友好的な様子を見せて。

サシャ > 出入口から出てくる彼女の姿が目に入れば、こちらも笑みを向けて。

「あら、そちらが先に誘惑してきたんじゃありませんの」

そう言いながら、連れ立って歩き始める。

「私、サシャと言いますの。立ち話もなんですし、私、ここの主に部屋を貸して貰ってますから、良ければそこでお話しましょう?」

成金貴族の屋敷の、無駄に豪勢な廊下を進み、パーティーの喧騒も遠くなってきた頃。
ようやく、一つの部屋にたどり着き、サシャはその扉を開けた。

「さ、入って頂戴?」

そう言って通された部屋は、ファイネアに貸されている部屋とさして変わらないだろう。
扉を閉じ、誰も入れぬよう鍵を閉めてから、サシャは少女に視線を戻す。

「ふふ、ここで何を話しても、人間にはバレませんわ」

扉には、一種の結界が施されているようだった。

ファイネア > 向けられるのは笑顔。向こうとしても争うつもりは無い様子。
面倒ごとが無くて何よりね、と内心で考える。

「ふふ。種族柄ついね。私はファイネア。」

誘われるまま、部屋へと案内される。
こちらも使っていい部屋を預かってはいるが、部屋は売るほどあるだろうし別に構わないだろう。
ずいぶん奥まった部屋ねと思ったが―――なるほど、密談もOKという事か、と納得する。

「あの人ずいぶん私に目をかけると思えば、そういう事。」

裏でつながっているという事か、と。
さて、誘われるままついては来たが、

「で、私とお話だったかしら。…まぁ、そんなに込み入った話があるとは思ってないのだけど。
誘ったのが不快だったのなら謝るわ。魔族だって気づかなくて。」

腕を広げて笑みを浮かべる。こちらから何かはしない、とアピール。

サシャ > 「不快だったら部屋に呼んだりしませんわ?私も貴女に興味が湧きましたの。
魔族の国では見かけなかった顔ですし」

ファイネアの目の前で腕を広げ、踊るようにくるくると回る。
すると、その腕と脚はたちまちのうちに青い羽毛に覆われ形を変え、鳥のそれへと変化する。

「私は見ての通り、で、貴女の真の姿は何かしら?」

くすくすと、笑いを浮かべながら、サシャは問う。

「私女の子にしか興味がありませんの。貴女が女に化けてるスライムとかだったら興ざめですわ」

からかうような視線で、ファイネアを見る。

ファイネア > 「そうね。国にいるよりこっちの方が退屈しなかったから。」

くるりと回る姿。
次第に変化するそれはまごう事無きハーピー種のもの。
くすくすと笑うその姿を見て、ふぅん、と面白そうに眺める。

「あぁ…綺麗な羽毛。青い鳥、あまり見ないものね。
そっちの興味? ふふ、別にいいけれど。」

しゅるりと相手の足元に蛇の尾先が踊る。
気づけばドレスの裾から覗く両足は、太く鱗に覆われたもの。大蛇の尾となっている。
見つめていた瞳は瞳孔が縦に割れた蛇のものに。どことなく纏う空気も蠱惑的な雰囲気を醸し出している。

「さすがにスライムではないわね。あまり王都ではこの姿はとらないけれど。」

人の姿も楽でいいわ、とちろりと舌を出しながら笑う。

サシャ > ファイネアの変化する両脚と瞳に、興味深げに視線を送っていたが、
彼女の正体が知れれば笑みを浮かべ。

「まぁラミア!卵が好物だったりするのかしら?」

冗談めかして言いながらも、すすす、と鳥の脚で蛇の尻尾を撫でて。
双方鱗に覆われているため、人間の状態で肌を合わせるのとはまた別の感触だ。

「王都で魔族の姿になったら大騒ぎになりますものね。
それに……貴女には脚が無くて私には腕が無い」

語りながら、サシャはファイネアのほうへと寄っていく。
彼女の手足はまた変化し、徐々に人間のそれへと変わっていく。

「それだと、一緒に夜を過ごすには少し不便じゃなくて?」

ファイネアの首から顎先へと指を這わせながら、サシャは見せつけるように唇を舌で濡らした。