2021/11/07 のログ
ご案内:「王都マグメール 富裕地区2」にリヴェラさんが現れました。
リヴェラ > 深夜。銀の月明かりが富裕地区の石畳を照らす。
いかに治安の良い場所とはいえ、貴族の子女が出歩くには不似合いな時刻だ。
況や、共も連れず、しかも表通りから一本離れた通りならば尚更。
不心得者にかどわかされても、何の不思議もない。
だからこそ、彼女はそういう通りを選んで歩く。
秋風に澄んだ夜気の中に、まるで陽だまりの中を散歩するような靴音を響かせて。

「嗚呼――今夜はとても、月が綺麗ですね。」

囁くような声音が、薄っすらと朱を刷いた唇から零れる。
長い睫毛に縁どられた深い深い蒼い瞳。
月の銀色を映して、仄かに細まって、笑んだ。
肌寒い気温の中でも、色をもたない吐息がひとつ。
ふわり、と毀れて解けた。
「夜会は退屈でしたけれど」なんて言の葉がその中に混じっていた。

リヴェラ > そうして、夜が更けるのに合わせて、靴音は遠ざかっていく。
「La―――」のように響くのは、深、とした歌声。
それが遠く、遠くなっていって――。

ご案内:「王都マグメール 富裕地区2」からリヴェラさんが去りました。