2021/10/01 のログ
ご案内:「王都マグメール 富裕地区2」にシシィさんが現れました。
■シシィ > 「───はい、本日はありがとうございました」
家令にそう告げて頭を下げる。
場所はとある貴族邸宅の通用門───いつもの御用聞きの一環として。とりあえず、かの屋敷の主が欲していたものを届け、役目は果たした。
それがどのように使われるのか、といったことはあまり口を差しはさまない、ともすれば、一見の客で終わるのかもしれないが、その時は、その時だ。
挨拶口上を述べ、その感情はどうあれ特に差別することもなく己を客人として扱ってくれた使用人は門を閉ざし──、女はふう、と吐息とともに肩にこもっていた力を緩めるのだった。
通用門といえども、しっかりとしたつくりの門はすでに閉ざされ、その向こうに人がいるのかどうかももうわかりはしないが、もう一度軽く頭を下げると、女は踵を返してゆっくりと歩きだした。
一仕事終えたことだし、この区画は、それほど気を張らなくてもいい。どちらかというと歩哨に己が呼び止められる可能性があるが、それは置いておいて。
綺麗に舗装された石畳の上をそぞろ歩きながら、ひとまずは大通りに向かおうか、とその方向を定めながら、秋めいた色に染まる街路の様子を眺めつつ。
そろそろ毛織物の冊子でもご婦人用にまとめるべきだろうか、などと思いをはせて。職人方への挨拶もまた、この後回らねば、と差し当たって急ぎはしないものの、必要な行動を己の中でまとめながら
■シシィ > 気が済むまで歩いたら、大通りで乗合馬車を拾い、区画を超えて職人街へと向かうことにした。明るいうちにあっておきたい人物はいるし、借りている倉庫の確認もしないと、と、やるべきことを一つ一つ組み立てながら、車窓の風景を眺めることにするのだ。
ご案内:「王都マグメール 富裕地区2」からシシィさんが去りました。