2021/05/06 のログ
ご案内:「トゥルネソル家」にリスさんが現れました。
■リス > 富裕地区の一角にある、広大な敷地と砦のような大きな屋敷が目印である、トゥルネソル家。
通称は、竜の巣と呼ばれる場所で、その名の通りに大量のドラゴンが其処に住まう家である。
家の家長であり、三姉妹の長女であるリス、トゥルネソルは一階の談話室で、ソファーに一人座っていた。
家のメイドたちは仕事を終えて、自由時間にしている、家令長も、自室で呼ばれるのを待ち、控えている様子。
娘たちは今頃部屋で遊んでいるだろう、妹は、一人はどこかに遊びに行っていて、もう一人は自室で研究。
嫁は―――ゼナは冒険に出ているのか、家にいない。
今は、実質一人で、ソファーに凭れ掛かる少女が一人、ソファーは少女を受け止めて、ふんわりと撓む。
静かな時間、本を読んだり、魔法の訓練をしても良いのだけども、一つだけ、気になる事があった。
それが、思考の中心で、誰に相談するとかそういう訳でもなかった。
来客があれば、クール系の家令長が華麗にお出迎えして、呼びに来てくれるので、大丈夫だろう。
なので、一人のんびり思考に耽る事が出来た。
「―――なんで、皆闇属性なの?」
そう、今までの娘、長女から末の4女迄。
リスの娘はすべからく、闇の属性を抱えている、三女は厳密には違うと思うが。
唯々、性格的な物を考えると、闇属性と言って、納得されてしまうレベルの娘だ。
どの子も可愛いし、目に入れても居たくないのだけど、此処まで闇属性ばかりだと、自分に何か問題があるのでは?
とそんな気にもなる。
闇属性がいけないという訳ではなく、沢山属性あるのに、闇が揃うという稀少性の方だ。
私が、闇なのかしら、とか、何とか、考えてしまうのである。
■リス > 先ず、自分の事を考えてみよう、自分は竜としては、雷竜と、火竜の属性を持つ、竜の種族としては何の竜なのだろうか。
妹たちとは違い、自分の竜種は、未だに判らない。
竜胆のような竜神の現身と言われるバハムート種ではない。
ラファルのような、風竜、テュポーンでも、無い。ましてや、母と同じリヴァイアサンでも、無い。
人と竜が交わると、人の可能性の性で、種族がバラバラになると言うのは母親から聞いているのだけど。
いまだに、竜種が判らない、定まっていない、というのは自分ぐらいなものだ。それは―――人として考えるなら気にするほどではないが。
竜としての自分から言えば、コンプレックスを感じている。自分は、何の竜なのか、と。
だからなのか、とも考えてしまう物だ。
「うー……でも、本当に、それが理由、なのかしら?」
相手の事を考える。
みんな、人間であり、闇属性とかとは縁のない娘たちだ。
シロナとクロナの母親……ゼナは、底抜けに明るく活発でエッチな、冒険者。
フィリの母親に関しては、まあ、相手との約束があるし、今思考するのは止めておこう。
プレシアの母親であるミリーディア……彼女は偉大な魔法使いだけど、闇属性とは聞いていない、というか、無属性だったはずでは?
そう考えると、相方の遺伝というのは、違う様な気がする。
「次に、娘たち。」
先ずは双子。長女のクロナは、竜というよりも淫魔……。淫魔?あれ?なんで淫魔。
ゼナは人間だし、自分はドラゴン。淫魔は何処から来たのだろう、首を傾ぐしかないリス。
自分もゼナも淫乱であることは間違いない、インフォマニアと言われても、まあ、そうよね、と肯定するレベル。
とは言え、淫魔が生まれるものなのだろうか?あれ?あれ?と首を傾ぐ。
そして、次女のシロナは、闇属性のドラゴン、ついでに淫魔。あの子たちは、自分の血を継いでいるのは判る。
竜としてのつながりも感じられるし、間違いはない筈なのだ。なので、淫魔、は少し置いておこう。」
クロナは、性格からいえば、小悪魔だ。人をから買いながら誘っていったりするのが得意、そして、表情の薄さとは裏腹に、押しが強い。
自分のペースに巻き込んで、相手を性的に食べる、そんな娘。
それに、色々器用で、何でも、一定以上の効率で熟す、そんな娘だと、認識している。
正直、もう少し面と向かって会話したい所がある、避けられているのか、余り合わない。
シロナは、豪快なドラゴン、まあ、若いからというか思考が少したらず、力こそパワー、筋肉は嘘つかないを地で行く娘。
本人的には色々考えて居るようなのだけど、結果が力押し、という結果に結びつくタイプだ。
肉体を鍛えたりムキムキするのが好きな反面、可愛らしい洋服とかに興味があり、偶に実家の母親の所で、新しい服を強請っているようだ。
彼女的には、何になりたいのか、自分なりに模索している模様。
三女のフィリは、地竜、闇の属性は持っていないのは間違いないのだけども。
彼女は、物凄い引っ込み思案、理由はわかるのだけども、気質と性質が見事にかみ合ってしまったというしかない。
あと、人に寄りすぎているからか、竜の詞が苦手で、それをうまく繰れない事をコンプレックスに思って居る。
そのコンプレックスがあるから、引きこもり、人との会話に苦手を感じて、隠れてしまう。
母親として、何とかしたいのだけど―――竜胆の所で勉強しているらしく、手を出すべきかどうか悩む。
四女のプリシア、最近生まれた闇の竜。属性は闇と地として、フィリに似ているが非なる育ち方。
フィリのコンプレックスが無ければ、こんな風に育ったのではないだろうか、と思う。
親ばかと言われてもいいけれど。
控えめにいって天使だ。
「―――あら?」
思考が、何かずれてきている気がしなくも、無い。
■リス > しばし考えて居た物の、娘たちは全員可愛い。
親目線の上に、親ばかなのは、否定できないが、可愛いのは可愛い、間違いはない。大事にしていきたいし、可愛がって行きたい。
その辺りを再確認して、ふぅ、と少女はため息を一つ吐き出す。
考えて居て、考えて、結果、闇属性ばかりの理由は判らなかったが、如何でもいいや、という結論に至る。
娘が愛おしくて、可愛くて、大事にしたい、それで十分だ。
「……何か?」
いつの間にか、お茶を持ってきていた、メイド長にて、義理の妹シスカちゃん、そして、お菓子を持ってきていた家令長。
凄く生暖かく見守られている、何を言いたいのかは、聞かなくても判る。
もう、良いじゃない、と小さく頬を膨らませて見せる。
結論が出たのだからお茶にするから、付き合いなさい。
少女は、部下たちに命令をすることにした。
トゥルネソルの家の中で、三本の指に入る良識を持つドラゴンの家令長ヴァール。
トゥルネソルの家の中で、一番真面目で、人間としての常識のあるメイド長シスカ。
その二人と一緒に、娘たちの育成に関して相談することにしよう。
そこで決まったことなどを、彼女たちと相談して、今後どうするか、決めていくことにする。
そんな親ばかな母親の一幕―――。
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