2021/03/11 のログ
ご案内:「王都マグメール 富裕地区2」にブレイドさんが現れました。
■ブレイド > 富裕層や、少し羽振りがいい冒険者、平民地区の商人などがよく利用する
グレードの高い店の立ち並ぶ通り。
その中に、明らかに浮いているフードの冒険者が一人。
「どうすっかな…」
その手の中には薄っぺらい紙…どこかの店の優待券のようだ。
どこかの店、言ってしまえば高級娼館だ。
これは今回の依頼の報酬のおまけのようなもので
バフートへの行き来を護衛した貴族の男から貰ったものだ。
『良い仕事をした男なら良い遊びもするべきだ』
などといって、ほぼ無理矢理に報酬と一緒に渡されたのだ。
このあたりの貴族にしては珍しく気風のいい男であることは確かなのだが
娼館などの利用をしない自分にとってはどうしたらいいものか扱いに困るものでもあった。
これを機会に、富裕地区の高級娼館がどんなものかを試すのもいいかもしれないが
通すべき義理もある。
どこかの誰かに高額で売りさばくか?
■ブレイド > どうするべきか考えながら、宛もなく通りを真っ直ぐに歩いていると件の店が見えてくる。
ちらりと横目で見れば、まるで白亜の城と言わんばかり。言われなければ娼館だとは思うまい。
客引きなどもおらず、一軒さんお断りと言った風情の佇まい。
手の中にある優待券がなければ、それこそ一生かかわることのない場所だろうということも伺える。
とはいえ、王侯貴族のお膝元。
ミレー差別主義者の温床でもあるこの地域にある店だ。
ミレーであることがバレてしまえば蹴り出される可能性だって少なくはない。
やはり、縁がないと考えていいだろう。
チケットをポケットにしまえば再び歩き出す。
そういえばこのあたりは少し裏に行ったところには怪しげなクラブなどもあった。
一度、別の貴族が周囲に秘密でそこに通っているとのことで、見張り兼護衛でついていったのだ。
近くに教会や、飲食店もあるというのにこういう店もあるのは、やはり暗黙の了解的なものがあるのだろうか…
■ブレイド > そこらの飲食店で飯を食ってそのまま帰るのも悪くないのだが
バフートから帰り着いて、貴族の屋敷にたどり着いてから報酬を受け取るまでには
すでに夜も更けており、ラストオーダーの時間の過ぎている店も少なくはないようだった。
平民地区に抜けてもいいが、すでにこの時間帯では、宿もいいところは部屋が埋まってしまっているだろう。
貧民地区にたどり着く頃には深夜帯になっていそうだ。
今夜はこのあたりで夜を明かすのがいいだろう。
宿の宛がないのだから…
だが、このあたりの宿は、遠方から来た貴族や商人が利用するもので
一人の冒険者が利用するものではなく、どうしても目立ってしまうだろう。
ポケットの中にしまい込んだチケットを再び取り出して
平民地区の宿に泊まってる誰かにこれと部屋を交換してもらおうかなどと考えていると…
「……ぁん?」
裏に自分の名前がサインしてあった。
これをよこした貴族の筆跡で。
……余計なことを……。
ご案内:「王都マグメール 富裕地区2」からブレイドさんが去りました。