2020/07/10 のログ
ご案内:「王都マグメール パーティー会場」にリズ・リナさんが現れました。
ご案内:「王都マグメール パーティー会場」にヴァレリー=D=ツインテイルさんが現れました。
リズ・リナ > 上長からの指令で、今日はパーティー会場に潜入していた。
ワゴンを押してドリンクテーブルの氷を交換したり、空のグラスを洗い場へ下げる仕事だ。

「~~~~♪」

何に関しての祝宴の場かは知らないが、流れる音楽や陽気に交わされる挨拶の言葉にすっかり影響されて今の『給仕』という仕事が楽しくなりつつある。
指令内容自体は忘れがち、でもあった。

「いらっしゃいませーっ」

そしてまたパーティホールへ入られたお客様にお辞儀して。

ヴァレリー=D=ツインテイル > 「さて、今日もお仕事がんばりますわー」

貴族主催のパーティ会場で、鼻息荒く決意を新たにする少女。
今宵も悪事に精を出します、という決意のまま、会場へと入っていくのだが。

「……え?」

そこで目にした人の姿に、思わず固まってしまい。
周囲を確認した後、その少女へと近づいていく。

「……ちょっとアナタ。なにしてますのこんなところで!」

小声で叫ぶ、という器用な真似をしつつ。
相手にそう問う少女。
まさか、一課の人間がいるとは思っていなかった様子で。

リズ・リナ > そしてまた一人、会場にお召しになったお嬢様へ一礼。

「ようこそいらっしゃいませ──あー、やっと会えたぁ。
 ドリーちゃん会いたかったよぉ?」

お屋敷の小間使いと変わらぬ格好だが、持て成そうとした令嬢が良く知った相手と見るや破顔して。

「──えーとね、そうだった……『エメラルド』からの申しつけで『タイガーズアイ』のサポートを、との事でぇ……」

いけしゃあしゃあと発したのは幹部のコードネームであった。
ぴん、と人差し指を立ててくりんっと首を傾げ。

「いかがサポート致しましょう?」

どこか得意げな語調で聞く。
身振り手振りは若干、『エメラルド』の影響が見られる。

ヴァレリー=D=ツインテイル > 「やっと会えた、ですって?」

相手の言葉に、眉を吊り上げる少女。
しかして、その言葉の意味を理解すれば。

「……っく、ぅ、うぅぅぅぅっ……!
 そいつぁ、有体に言えば監視じゃねぇーですの……!」

まさかの、別部署幹部からの支援と言う名の監視。
ここ最近、少し金回りがよくなったことがいまだに気に食わないのか。
あるいは、他に何らかの理由があるのか。
なんにせよ、どうやら少女は目をつけられているようだが。

「……はぁ。まぁいいですわ。
 ここでゴチャゴチャやってても仕事がうまくいくわけもなし。
 ……じゃあ、アナタ。私が合図したらドリンクを持ってきなさい」

やれやれ、とため息を吐き、少女がそう命じる。
そのまま、少女は適当な貴族に声をかけ。
ひとしきり話をして盛り上がったときに。

「そこの給仕。飲み物を持ってきてくれるかしら」

と、少女が合図を出す。

リズ・リナ > 「監視なのなの?」

甘い笑顔を浮かべて妙な語尾で首を傾げる。
それは、幹部同士の確執には疎いヒラ構成員の仕草らしく。

「うん、頑張るねっ!」

相手からの指示には円盤投げられた犬の如きを瞳に宿してコクコクと頷く。
ガッツポーズを小さく向けたからはグラスを下げたりしながら、相手との距離を付かず離れずに保ち。

「かしこまりましたあ」

合図には教えられた通りの言葉で答えてドリンクカウンターへ。
銀のトレイに炭酸水やシャンパンの入ったグラスを幾つか載せて戻ってくる。

「お待たせいたしました、お好きなものを」

表情はせめて控えめな微笑に変えるが、招待客の視界から外れると褒めて欲しそうに熱視線を相手へ投じ。

ヴァレリー=D=ツインテイル > 「どう考えてもそうでしょうが」

と、言ったところで。どうしようもない部分ではある。
もしもここでこの少女を追い返せば、それはそれで一課に目をつけられるだけなのだから。

「よろしく頼みますわよ。
 あくまでも、自然に、ですからね?」

少女の悪事……とある薬の流通・蔓延。
それを実行するためには、違和感などあっては上手くいかない。
なので、くどいほどに、自然に、ということを強調する少女。

「それで、これがその薬ですの。
 どの飲み物で飲んで頂いても、悪影響などございませんわ」

相手が飲み物を持ってくれば、貴族に薬を差し出し。
ついでに、飲み物を適当に渡す。

「……では、私はこれで。
 まだお話したい方もいらっしゃいますので」

監視の少女の様子を見れば、少女は貴族にそう言い、その場を離れ。
そのまま、褒めて欲しそうな相手の頭を撫でつつ、別の獲物を狙う。

「……よし。今日はあと二、三人は狙いますわよ」

少女はそう言いながら、相手のほうを見る。
しっかりとサポートしろ、という意味らしい。

リズ・リナ > 「リズはドリーちゃんに会えたらなんでもいいよ」

相手の言葉には小声でそう言い添えるのだった。

丁度良い距離から相手の仕事っぷりを眺め、頭を撫でられればへれっと笑顔を浮かべる。

「今のは、上手くいったの。そう」

薬が効き始めて腑抜けになり始めたお客の手からカクテルグラスも回収する。
どうせ記憶も残らないのだ、少々の失礼でもきっと平気。

「ガンガンいくー?
 ドリーちゃんカッコイイ!」

聞き耳立てながら相手に従ったパーティー会場を歩く。
ふと聞きとめるのは痩身や美顔といった話題をタネに、悩みを語る女性客の声。

(どうかしら?)と問うような視線を相手へ向けながら指先でちょいとその話題のある方向を示し。

ヴァレリー=D=ツインテイル > 「……アナタがよくっても、私は良くありませんのよ。
 ……いえ、アナタに非があるわけでもありませんわね」

はぁ、とため息を繰り返す少女であったが。
この相手が悪いわけでもないので、言葉自体は刺々しくはなく。

「えぇ、そうですわね。
 タイミングもバッチリでしたわ」

相手の頭を撫でつつ、褒める少女。
そのまま、周囲を確認するのだが。

「ふふん。おだてても何も出ませんわよ。
 ……と、ととと……」

相手の褒め言葉に上機嫌になりつつも。
すぐさま、相手が抜け目なく次の獲物を見つければ、立ち止まり。

(……ふむ。女性客相手なら、一気に話題が広がる可能性もありますわね)

そう判断し、相手にうなずくと。一緒に来い、と合図。
そのまま、少女はその女性客に近づいて。

「失礼。今、少しお悩みについて聞こえまして……」

そうして、少女はまさしく、虫も殺さぬ、という顔で女性客に近づき。
また薬を紹介し始める。相手が飲み物を持ってくればさっきと同じ。
あっさりと、少女の悪事は完了するだろう。

リズ・リナ > 「良くないんだ」

少し困った笑みが浮かんでしょんぼりと。

それから進んだ先でも、相手は獲物と見定めれば積極的に会話へ向かう。
ここでも己は、程々に本来──ではない方の、仕事をこなしががら頃合いを見計らってはドリンクテーブルから飲み物の入ったグラスを運んで自然と相手の視界へと入る。

先程得た要領でトレイを向け、

「宜しければどうぞー」

パーティメイド然として声を掛けた。

ヴァレリー=D=ツインテイル > 「私の立場的には、ですけれども」

アナタ個人を嫌っているわけではありませんわ、と。
少女は小声でささやき、相手の頬を撫でる。

「……というわけで、この薬、健康だけではなく美容にもいいんですのよ」

女性客に接近し、饒舌に会話を進め。
そして、ちょうどのタイミングでドリンクが届けば。

「さぁ、どうぞどうぞ。
 今回はお近づきのしるし、ということで。
 お代は結構ですわ」

にこやかな笑顔で、善人ぶって薬を提供する。
ついでに、薬を多めに渡しておき、女性客同士の間で勝手に薬が広まるようにし。
そのまま、会話を終えれば、少女は相手の頭を撫でつつ、また会場を歩く。

「……今のも良かったですわよ。リズ・リナ。
 後は、薬は勝手に広まるでしょう。
 今日は仕事はこの辺にして、単純にパーティを楽しむとしましょうか」

髪をかき上げながら、そういう少女。
表情には、満足そうな笑みが浮かんでいた。

リズ・リナ > 相手の囁き声でぽっと頬を赤らめてから笑顔を浮かべた。

(頂いても宜しいんですの?)(お詳しいんですね)と、上流階級らしき女性客は疑うことも知らない様子で良い反応を見せただろう。
そうした、また彼女たちが空けたグラスはトレイへと回収して洗い場へ回す。

その後、相手から向けられた言葉には。

「うん、やっぱりドリーちゃんはやり手だよね。すごい」

お世辞でもなく、真摯な表情で賞賛してから。

「パーティーを楽しむ、かぁ。
 リズ今お手伝いさんだからなぁ。
 ん、ここは皆踊ってるね──ドリーちゃんが踊ってるの見たいなぁ」

穏やかな室内楽団の調べに乗せてソシアルダンスを踊る男女の姿を見て、相手へと視線を転じる。

「カッコイイ人いたら誘って踊ってきてよ、リズ見てるよ!」

与えられた役割のせいで、目立つことはできないだろう。
けれど相手の表情が見れれば、己も満足そうで。

ヴァレリー=D=ツインテイル > 見事に仕事をやり遂げれば、相手から褒められ。
少女は、体を仰け反らせて高笑いをする。

「おーっほっほっほっほ! 当然ですわ!」

褒められれば、すぐに調子に乗る。
それがこの少女の悪い点だが。
少女は、とりあえずかなりの上機嫌。

「……ふむ。そうですわね。
 ……ダンスですか」

相手の言葉に、ふ~む、と考え込むものの。
少女は、相手の手を引き、ダンスの輪へと歩みを進める。

「なら、アナタ。付き合いなさい。
 どうせこの場なら、ダンスの手ほどきをしてる、程度に思われるでしょう」

そのまま、相手をエスコートし、踊り始める少女。

「それに、アナタも、ダンスの一つくらい踊れなくては。
 淑女のたしなみ、ですわよ」

少女は相手に笑みを向け、そう言ってのける。
事実、少女のエスコートに従えば、ダンスの経験がなくとも、形にはなるだろう。

リズ・リナ > そうしてこの高笑いの声に己もにっこりと笑みを浮かべるのだった。

そうしてダンスの披露を希望したものの、手を取られるときょとりと目を丸くして。
こんな時の使用人の言葉遣いというのを必死に思い出そうとするような沈黙の後。

「おっ、おたわ!
 おたわむれっ、
 おたわむれを、お嬢様!」

別の給仕にトレイを預けて、文字通り踊り出したダンスフロア。
微笑ましいものを見るような大人たちの視線が突き刺さる。

取られる手に任せ、見よう見真似でくるくると回って踊るうちに次第に表情は笑顔になる。
──そうしてそのまま演奏が途切れるまで。たくさんの客人に紛れて幸せそうに踊り。

ヴァレリー=D=ツインテイル > 半ば無理やりに相手の手を引き、ダンスの場へと引きずりこむ少女。
そうして、相手が踊りながら何かを言うのを無視し。

「ふふっ、なかなかいいですわよ。
 そう、そう。そこでステップを……」

少女自身も、相手に踊りを教えるうちに、楽しくなってきて。
次第に、柔らかな笑顔を浮かべていく。

そうして、音楽が途切れるまで踊って見せれば。
そのまま、相手と手をとり、パーティ会場を後にすることだろう。
見事、仕事をやりとげ、満足しながら……。

ご案内:「王都マグメール パーティー会場」からリズ・リナさんが去りました。
ご案内:「王都マグメール パーティー会場」からヴァレリー=D=ツインテイルさんが去りました。