2020/05/19 のログ
ご案内:「王都マグメール 富裕地区2 音楽堂」にエリアさんが現れました。
■エリア > 夜の部の公演が終わって、それぞれに客席からサロンスペースへと向かう波ができる。自分もその波に乗ってゆったりと歩みを進めた。
聴いている時は非常に心地よく――眠ってしまった。聴いておかねば惜しいという気持ちもなく。ただただ、心地よいオーケストラが眠気を誘ったもので、瞼を閉じて音楽に包まれて微睡んだ。
まるで、その甘やかな微睡みの為に演奏会に来たようなものだったから、ふぁ……と小さく零れる欠伸も当然のこととして口元に手を翳して口を開けたが――、
「……いけない、公の場でしたわ……」
はしたない、と見咎められてしまう。油断しきっていた気持ちを引き締めるようにこめかみに手を当てて小さく首を振り。
音楽堂に併設されたサロンへと進めば、軽く辺りを見回し、窓際に設置されたビロード張りのスツールへと腰を下ろして小さく息を吐き出し、演奏会の演目が記された羊皮紙を取り出して広げ。
「……3曲目から記憶にありませんわね……」
おっとりと小首を倒して呟いた。後で感想を訊かれたらなんと応えよう、と悩ましげに眉を潜めて。
■エリア > 素直に、3曲目から寝入ってしまっていました、と返答するしかないだろか。しかし演奏会のチケットを頂いた方にはそうは言えまい。
「………どなたか……」
人もまばらな夜のサロン内を見渡して、知った顔か……それとも演奏会の感想を教えてくれそうな人物がいないか探る様な視線を巡らせた。演奏会の後と言えば自分のように寝入っていた質でなければ、その感想や個人的な評価を評論家を気取って話したがる方も珍しくはない――ぜひともそのご意見を拝聴し、チケットをくれた友人にはそれを丸パクした感想を伝える所存。
一人で訪れている客の中にはサロンで演奏会についての話を誰かにしたがる方もおられる……と信じたい。今日に限って一人もその手の方がおられないという……そんな試練は神よ、お与え下さるなと祈るような心地で、緑青の眸が一人一人を確認するように見つめていた。
そして、巡らせてた視線がふと、止まる。一人の人物と目が合った故に。反らすでもなく慌てるでもなく、唇を綻ばせ目元を柔く崩したおっとりとした笑みを重ね合った眸に投げかけて軽く会釈を。
■エリア > ――その、目が合った人物と上手く会話を始めることができた。それは、求めていた感想を話したがるタイプの方、でまるでいっぱしの音楽評論家かのように微細な評価をお聞かせ下さった。
温和な微笑みを湛えながら、その言葉に耳を傾けては相槌を打ち。良く聞き入る態度にその方は調子に乗り話はとても長くなったが――参考にはなった。
友人に感想を聞かれた際に話した時には、その方のお話を大分搔い摘んで伝えたけれど。
ご案内:「王都マグメール 富裕地区2 音楽堂」からエリアさんが去りました。