2020/04/05 のログ
ご案内:「王都マグメール 富裕地区」にアカリさんが現れました。
■アカリ > 色んな店の並ぶ富裕地区に走る大通り。
その通りの端に点在する休憩とかの出来そうなベンチ。
その一つに寛いでいるのか、一息吐いているのか、一人の少女が座っていた。
背凭れに背を凭れ掛けさせ、足を投げ出すようなちょっとだらしのない格好をしているのだが。
その服装もまた目を引くような異国風のものだろう。
「ううぅ…まったく、酷い目にあいました。
これだけ離れていますし、人も多いですし、これで大丈夫でしょう」
そんな呟きを零しながら、雲も疎らな青空を見上げる。
遺跡だったと教えられた場所で目を覚ましたのが数日前。
目覚めさせたんだろう兵士、人間の男性にいきなりの魔物扱いをされ、色々と酷い目にあって兵舎に連れられた、もちろんその後も色々と。
そんな場所から抜け出したのがつい先程で、やっとここまで逃げてこれたところであった。
「ワタクシのような高貴な者が、いつまでもあんな扱いを受けるだなんてありえません!
さっさとちゃんとした新しい方に拾われて、何不自由ない生活を送りませんとね!」
ベンチに座り直し背筋を張ってしゃんとして、グッと胸元で両手を握る。
逃げて来るような立場の筈なのに、大通りからしっかりと見える場所で意気込む。
そんな言葉や姿を見る周囲の視線はどんなものなのだろうか。
ご案内:「王都マグメール 富裕地区」にライヨウさんが現れました。
■ライヨウ > 富裕地区の大通りの一角の大きな家から出てきた大柄な男、
黒ずくめの恰好をしたその男は通りに出てくるとぐっと身体を伸ばし大きく息を吸う。
「はー、やれやれ…金持ち相手は稼ぎは良いが注文が多くて堪らんな…」
何やら一仕事終えたのか仕事の愚痴を口にしながら通りを歩き始める。
暫く次に何をしようかと思案しながら通りを歩いていればベンチが設置されている見晴らしのいい場所へと辿り着いていた…そう言えば腹が減ったな、何か露店で買って休憩も良いか等と辺りを見回せば、ベンチに座ていた少女が何かを叫んでいるのが聞こえた…
もの珍しそうにその少女へと視線を向ければ、此方では珍しい衣装を身に纏っている事に気が付き声を掛けてみることに…
「よお、こんな所で声を上げて何か困りごとか?」
周囲がやや奇異の視線で見守っているなか、そんな事気にした様子も無く近づいて行けば返事も聞かずにドカッと隣へと腰を下ろす。
■アカリ > 平民地区や貧民地区があったのに富裕地区に来た。
自分のような高貴な存在がなんで貧乏臭い生活臭漂う場所に。
きっと少女のそんな考えが向かう先に影響を与えたのだろう。
口に出せば周囲から反感を買う事受け合いな、そんな考えを。
そんな考えは余所に、意気込むところで声が掛かる。
こんな場所に知り合いなんて居る訳もない。
向けられる眼はとても胡散臭げなものを見るものだった。
いきなりベンチの隣に座ってきたのも理由だろうが。
「むっ…ワタクシには何ら困った事なんてありませんわ。
それで?お声を掛けるだなんて、アナタ何者かしら?」
ぶっきらぼうに、そんな隣に座った男性に返すのだった。
■ライヨウ > 此方に向けられる怪訝な目、まあそれも当然だろうし男は気にしない。
「おっとそうかい?まあこんな場所で大声上げてたもんだから気になってな…俺かい?俺はライヨウ、見ての通り医者なんかをやってるもんだ」
そう言い張る男の姿はどう見ても医者には見えないだろうが、男はそうは思っていない様子で。
「まあ何だ、あんたのその恰好を見るにシェンヤンの方の出じゃないかと思ってな、何だか懐かしくなって声を掛けてみたって訳だ」
そう言って彼女のドレスを指させば、自分も同じだとばかりに黒ずくめの衣装を指さす。
■アカリ > 自分の向ける眼に気にした様子も見せない男性。
それはそれで気に入らないのか、ちょっとムッとした表情を浮かべてしまう。
しかし、自身の事を医者と名乗ったならば、その言葉に反応した様に考え込む仕草をする。
「ふーん、お医者様?とてもそうは見えませんけど、そういう事にしておいてあげますわ。
でも、もしも、それが本当でしたら…」
上から目線のどこか偉そうな体でそれに答える。
ただ、その後に続く呟きは何か考えをみせているかの様で。
尤もさっきまでの言葉と態度から、そう真っ当な考えでは無さそうだと分かるかもしれない。
そんな様子を見せていたが、シェンヤンの話が出ればどこか気を取り直した様子を見せる。
少しだけイライラしていたのが和らいだのかもしれない。
落ち着いて見てみれば、確かに雰囲気がどこと無く懐かしい感じを受けたからか。
「あら、アナタはシェンヤンの出だったんですのね?
でしたら今のは許して差し上げますわ」
言葉と共に目の前の男性へと胸を張ってみせる。
そうではあるのだが、結局その尊大な態度は変わっていなかった。
■ライヨウ > 今まで相手してきた富裕地区の金持ち相手で慣れた物なのか、彼女の態度も気にした様子も見せずに軽く笑って見せ
「まあ、良く言われるな…普通の医者とはちょっと違うしな、ん?どうかすしたのか?」
何やら言いたげな様子、どんな言葉が続くのかと興味が惹かれたのか首を傾げて見せて。
「そいつは有り難いな、はは、まあ今はこうして旅のみだけどな」
許してあげると胸を張る相手、尊大な態度とも取れるが彼女がしていると何処か微笑ましく感じて笑ってしまう。
■アカリ > 慣れた様子で対応をするならば、優越感に浸れたままで機嫌は徐々に回復傾向。
下手な触れ方をせずに受け流す、少女の正しい扱いはまさにそれだった。
そして向けられる質問には、答えるか答えまいかの選択を選ぶ。
少女が選んだ選択は…
「いいえ、いいえ、大した事では御座いませんわ。
どうぞお気になさらずに」
医者だからお金を持っている、との考えは目の前の男性を見てそうとは限らないとの考えに至ったのだろう。
何でも無いと、右手を振るジェスチャーも加えて答えるのだった。
「成る程、旅医者ですのね。
それだけでは無さそうですが、ワタクシがそれをいえたものでもありませんし不問としておきますわ」
言葉を交わしながらも、落ち着いてみれば感じ取れる男性からの違和感。
立ち位置の違いだけで人間と異なる存在は同じなのだから、そこは仄めかすだけで追求はしなかった。
■ライヨウ > 右手を振りながら答える少女のを見て一瞬不思議そうにするも、まさか中々に失礼な事に懐事情を推測されていたとは思いも寄らずに「そうか?それなら良いが…」と答える男。
「はは、お互い様って事だな、ここにはそういった事情の奴も多いようだし…」
敢えて追及してこない事に安心したのか、先程より更に気を許した様子を見せれば彼女の方をじっと見つめ。
「ふうん、成程アンタも何か事情アリって奴か? シェンヤン繋がりってだけじゃなくて何やら似た気がするな?」
隠し事が有りそうな同士と知れば、先程より深く彼女を観察し、得意とする気を探ってみれば彼女に自分と似たような性質を見抜いて見せて。
■アカリ > 読心術が使えたり、それを直接聞かれたりしなければ当たり障りもない会話。
それが出来ているのがお互いにとっての救いだったかもしれないだろう。
そうでなければ、なんとも失礼な本音が駄々漏れしてしまうから。
「そうです……ん?ここは王都ですわよね?
もっと真っ当だと思ってましたのに、今では事情を抱えた方達が多いんですのね?」
困ったものですよね、みたいな感じに大袈裟に肩を竦めて。
いい掛けていた言葉を止めて、そんな疑問を投げ掛ける。
少なくとも転生前に養っていた人間は真っ当だったからだ。
「ええ、まったく困った人達でしたわ。
ワタクシが誰かも分からないなんて無礼もありましたしね!
まあ、それについてはもう良しとしてあげます。
そうですわね、ちょっと違いはありますが似た様なものでしょう」
別に自分の存在を確りと隠そうとはしていないのだから、探りを入れれば分かるのは当然。
見抜かれる事には良しとしておきながらも、先日の出来事を思い出してしまえばまた少しだけ機嫌が悪そうになる。
起伏の激しい性格で相手によっては疲れさせてしまうだろうが、今目の前の相手ならば大丈夫そうか。
■ライヨウ > 「王都だからってのもあるのかもな、何てったってこれだけ人が居れば、そりゃあ真っ当じゃないのも混じってくるさ」
正に自分達がその事情有の存在なのだから、他にも沢山そうした者は潜んでいるだろうし、こうして自分が潜んでいられるのもそうした人口の多さ故の影の広さだろう、
彼女がこの王都を真っ当だと感じているなら余程運が良かったか、警戒心が足りなすぎると心配になる程で。
「無礼ね…なるほど、それがさっき声を上げていた原因なのか?」
何かを思い出したかのように少し機嫌を損ねたかの様な表情を見せた少女、ここまで来れば何が起きたのか興味が沸いてくるのも当然の事、何でも吐き出せとばかりに彼女に事の次第を訪ねる。
■アカリ > 「むうぅ…確かに多ければ多いだけ、そういう事もありますでしょうが…」
いわれてみれば確かに、とそんな感想を述べる。
それが良くも悪くも働くが、今のところは良しとしておこう。
納得は、していないけれど。
それよりも重要な事が、まだ後に控えている。
「そうですとも、そうですとも!
鳳凰といえば、高名で!高貴で!誰もが敬うべき存在でしょう!?
それを魔物なんかと一緒にして、これ以上に失礼な事なんてないに違いませんわ!」
掘り返すような男性の言葉に、少女は見事に再加熱。
ベンチから立ち上がり男性の方へと向くと、自分を示すように胸元へと手を添えながら、そんな主張を強く唱えてしまう。
それこそ、聞かせるべきでない相手が居たら大変な事になりそうな内容を。
■ライヨウ > 「まあやっかいな事も有るが、基本的には人が多い方が都合が良いことには変わりは無いからな、要は気をつければ…」
納得したかに見えた彼女の言葉に頷きながら答えて居れば、
彼女の方は何やら火が着いてしまったらしく、ベンチに立ち上がって声を上げている…
「まて、待ってくれ!」
彼女が自らの正体を大げさに披露した瞬間、慌てて彼女に近づきその口を手で塞いで辺りを見回す…
「似たようなモノかと思ってたら、まさか鳳凰…? それをこんな所で大声で…」
シェンヤン地方だったら間違いなく大騒ぎになるだろう語句、この王都では流石にその知名度は下がるだろうが好事家や金持ちの間ではその血や肉が不老不死の薬の材料として好まれるとも聞く…よりにも寄ってこの富裕地区でその正体を大っぴらにするのはリスクしかないと、騒ぎが起きていないか注意深く周りを探る。
■アカリ > 「そう考えれば、ワタクシに対して…むぐっ!?」
収まらぬ熱を抱いたまま、尚も言葉を発しようとする口を男性の手によって塞がれる。
いきなりの事で目を白黒させるのだが、口を塞いだまま周囲を警戒する男性の様子に昂ぶっていた気持ちが少しだけ冷めた。
そのまま少女は大人しくなって。
少女自身にそこまでの自覚は無いが、男性が考える通り少女の発言はかなり危険なものだっただろう。
幸いなのは、今のところ周囲にそうした人物が居る様には見えない事か。
もっとも、もしかしたら人影に紛れて聞かれていたかもしれないが。
■ライヨウ > 「すまん…しかし、流石に場所を考えんとな」
驚いたのだろうが、意外にもさらに騒いだりせずに幾分落ち着いたかの様子を見せる彼女、もう口を塞がなくても良いだろうと手を放してやり。
「まあ俺もこんな場所で聞いたのは悪かった…流石に今のを聞きとがめられたとは思わないが、場所を移した方が良いかもしれないな…どこか落ち着ける場所に心当たりは有るか?」
人目が多いこの場所で行き成り危険が及ぶとは思えないが、ある程度は警戒が必要だろう…そう思って自分の素性を隠す為の場所は近くに有るのかと小声で尋ね。
■アカリ > 「うぅ…申し訳ありません。
流石にちょっと頭に血が上り過ぎたと反省ですわ」
確かに転生前にも狙われた事はあったが、その時は守ってくれる相手が居たのだ。
今はまだ守ってくれる相手が居ない、怒りに身を任せていって良いものではなかった。
頭を項垂れながら男性へとそう伝える。
そして、次に向けられた質問に小さく苦笑を浮かべる。
「いいえ、まだ王都に連れて来られたばかりなので王都の事はさっぱりですよ?
落ち着ける場所を探さなければとは考えていたのですけれど」
困ったように頬を指で掻きながら、そこは正直にそう答えた。
色々と事情があって不本意に連れて来られているのだ、仕方の無い事だろうが。
■ライヨウ > 「いや、俺もうっかりしてたな…とにかく落ち着いてくれて助かる」
どうやら怒りに任せて後先が無くなるタイプではない様で、しっかりと頭を垂れる姿勢にこちらも余裕を取り戻す。
「連れてこられた…? どうやら其処ら辺も訳有みたいだな…」
連れて来られたという言葉と出会った時の状況からある程度の想像は出来た…どうした物かと一瞬迷うが、直ぐに出来る事は一つしか思い浮かばず…
「しょうがない、なら念の為ここを離れて俺の宿に来るか? 一応訳有の溜り場になってる宿だ、詮索されずに身を隠すにはもってこいの場所だぞ?」
王都で自分が考えられる安全な場所を提案して見せた。
■アカリ > 「それでも、やっぱり認めたくはないものなんですよ?
国が違うだけでワタクシの名が知れ渡っていないなんて…」
反省とはまた違った理由で肩を落としている。
それだけ自分自身に自信があったのだが、この一件でちょっと考え方を変えるべきなのだろうと。
その考え方がいつまで持続されるかは分からないが。
そうした会話が交わされた後の男性からの提案。
それを聞けば、少女は少し間を空けて考え込んでしまう。
訳有りで、しかも溜まり場とか表現されるような場所。
明らかに自分に見合わぬ場所なんだろうなと想像が出来るからだ。
それでも、そこ以外に安全そうな場所があったとしても、少女はそれを知らない。
悩みに悩んで、少女が出した結論は…
「し、仕方在りませんわね。
ワタクシに見合った場所が見付かるまで、アナタのお勧めする宿で我慢してあげます。
さ、そんな訳ですから、ワタクシを案内して下さい?」
どんな話の流れになろうとも、その態度をすぐに改められるなんて出来る訳もなく。
相変わらずの尊大な対応をする少女であった。
■ライヨウ > 「知れ渡って無い訳では無いんだろうがな、流石にシェンヤンとは違うというか…」
信仰に近いシェンヤンと獲物としての名の知れ渡り方では同じ名の知れ渡り方でも大きな隔たりが有る…そこを判ってもらわねば今後も苦労する事になるだろう…肩を落とすその姿に少し苦笑して。
「まあ、大体考えている事は判るが…酷い場所ではないさ、流石に最高級とは行かないが…おお、話が決まればさっさと移動した方が良さそうだな」
少し間が有ったことから大体どんな事を考えていたかは推測できる、しかし今は贅沢は我慢してもらうしかない…
「さあ、こっちだ…」
今まで部屋に呼んだ中で一番の大物かもしれないなと考えながら、彼女を連れて宿へと戻ることにした。
■アカリ > 「ま、仕方無いですね。
王都はそんなものだって思う事にします」
それで良いのだと自信満々に胸を張りながらそう答えた。
その隔たりを深く考えたところで状況に変わりはないのだ。
ここでは表立っていわない、それだけである。
そうは考えていても、きっと自己紹介をする場面になったらいってしまうだろうと、そんな危惧をさせてしまうだろうか。
「はぁ、ワタクシの様な高貴な存在がその様な場所に来るなんて事、これから先きっとありえない事ですからね?
その幸運の強さにアナタは自信を持って良いです」
どこからそこまでの自信が湧いてくるのかと思える程か。
宿への移動が決まり、その道中もこうした会話が続けられる事となるだろう。
ただ、その間決して男性の側から一時と離れ様としないところを見れば、まったく不安が無い訳ではない事と理解出来るかもしれないが。
■ライヨウ > 「ここが俺の部屋だ、遠慮しないで入ってくれ」
富裕地区から少し離れた通りに面したいかにも酒場兼宿屋といった造りの建物、その見た目通りの構造の建物の一階で酒場のマスター兼宿の管理人の親父に客が居ることを告げて2階への自分の部屋へと…
ここ迄の道で宿の客は自分と同じく人間以外が正体を隠して王都で生活する為の宿で有る事は彼女に説明済みで、
そういった場所で有るためか主人も客を連れてくる事は深く追及しない、ただ追加の料金とばかりに金貨を握らせてやった。
彼女を連れ込んだ部屋は一人で使うには広すぎる造りで彼の私物と思われるものが部屋の片隅に纏められているだけだった。
■アカリ > 「えぇ、遠慮なくお邪魔してあげますね。
それにしても、思っていた以上に酷くなくて安心しました。
そこは褒められるところです」
これが部屋にまで案内されてから伝えられた少女の言葉。
流石に男性以外に聞こえるような状況では控えるくらいには気遣いをしたと思えるか。
追加料金を取られていたみたいだが、そこには気付いていなかった。
少なくともそこに気付いていれば、多少ながらに感謝があったかもしれないが。
連れられてきた少女だが、私物さえ持ち合わせていない。
そういった意味では部屋が少女の私物で狭くなるとかは無さそうだ。
逆に何も持っていないというところで心配をさせるだろうか。
■ライヨウ > 「何もないが、その分部屋の質は悪くないからな、安心して貰えたなら何より」
出会ってから宿に来るまでの遣り取りですっかり彼女の態度にも慣れてしまって、その言葉も笑って済ませて。
「さて、ここなら話を聞かれる心配も無いし、聞かれたとしてもこの宿の住人たちはみんな訳有だからな、態々ここで騒ぎを起こそうって奴はいないからそこん所は安心してくれ」
何もない部屋で座れそうな場所はテーブルに一つだけある木の椅子とベッドだけ、まだベッドの方が落ち着けそうかと彼女をベッドの方へ腰掛ける様に促すと、自分は向かい合う様に椅子を引きずってきて腰を下ろし…
「さあ、ここまで連れて来られたってのはどう言う訳なんだ?」
彼女がどうしてここまで来たのか、その顛末を訪ねた。
■アカリ > 「そんなものなんですね。
でもアナタがそういうならそうなのでしょうから、その点は分かりました」
促されるベッドの上に腰を下ろしながら、今までの行動や態度から多少なりの信用は置いた様子。
その言葉に素直に答えながら頷いてみせて。
「あ、あのぉ…それ、どうしても答えないとダメ、ですか?」
お互いに向き合うように座ったところで向けられる質問。
困った様に視線を彷徨わせながら、膝の上に指を絡めるようにして両手を組んだ。
少女にしては珍しく答え難そうな素振りといえようか。
その内容は確かに簡単に答えられる内容ではないからで。
意図を汲んで流してくれるか、それでも回答を求めるのか。
■ライヨウ > 「まあ自分で探す事が有れば参考にしてくれ」
王都で活動するならいずれ必要になる知識だろう、覚えて損は無いと頷いて。
「ん? まあどうして王都で宿も無しで活動する事になったか気になるしな…それに俺はまだ名前も教えて貰ってないしな?」
少女の素振り気が付くほど気が利く性分でも無いのか、
鳳凰がこの王都へ流れ着いた経緯に好奇心が刺激されたのか、話を流すことはせずに。
■アカリ > 「なんでワタクシが自分で探さないといけないのですか!?
きっとワタクシに見合う方が現れて、ワタクシに見合う場所を提供して下さいますから大丈夫です」
自信満々にそう伝える、そこにはまだ一変の曇りも無く。
それが覚えるべき事を覚えない要因となっているのが見て取れる事だろう。
「ううぅ…そ、それはぁ……あ、ワタクシの名前を教えるという事で、ここはひとつ。
さっきもいいましたが、ワタクシは鳳凰のアカリと申します。
ほらっ、ワタクシから名乗るなんて事も本当に珍しい事なのですよ?
これで良しと致しましょう!」
眉間に皺を寄せる程に考え込むのだが、名前を聞いてきた事にポンッと手を合わせる。
経緯を誤魔化すようにこうして自分から名乗る少女であった。
あくまでも少女が勝手にやった事、そこから更に聞くのは当然の主張ともなる訳だが。
そこまで食い付いてきているならば、流石の少女も諦めて答えてくれるだろう。
それは目の前に座る男性の言葉次第となるのであった。
ご案内:「王都マグメール 富裕地区」からアカリさんが去りました。
ご案内:「王都マグメール 富裕地区」からライヨウさんが去りました。