2020/03/18 のログ
ご案内:「王都マグメール 富裕地区2 豪商の屋敷」にギュンター・ホーレルヴァッハさんが現れました。
ギュンター・ホーレルヴァッハ > 宴に招かれて訪れた屋敷の第一印象は「眩しい」であった。
そこかしこに鎮座する黄金の像。宝飾品や高価な武具がこれみよがしに飾られた壁。磨き上げられた大理石の床。
日中は目が眩んでしまうのではないか、と思う様な内装の館であった。

「……まあ、財力の鼓舞という点においてはこれ以上のものは無いのだろうが…」

そんな屋敷で繰り広げられているのが接待を兼ねた乱痴気騒ぎでは、飾られた黄金も泣くのではないかと苦笑い。
メイドから受け取ったグラスを呷って喉を潤しつつ、用意された女達に群がる同胞貴族達を眺めながら溜息を吐き出した。

「…こういうのも、付き合いの内とは言うが…」

もう少し内装が目に優しければ良かったのに、と再度溜息を一つ。

ギュンター・ホーレルヴァッハ > そう、付き合い。例え気乗りしなくとも、こういった手合いの催し物には逐次顔を出さなければならない。
尤も、自らの様に王国内で確固たる地位を持つ貴族――の嫡男ともなれば、無理に社交界で顔を売る必要も無いのだが。
人間、直接会って顔を合わせ、話をした者には親近感を覚えるもの。であれば、どの様な形であれこうした集いに参加する事に意義がある――筈だ。

「とはいえ、挨拶を受けるだけというのもな…」

参加した貴族の顔ぶれを見れば、若き当主。自らと同じ様に貴族の嫡男。或いは、富豪豪商の息子達等々。そういった若者達に社交の場を与えた主催者の富豪には感心するものの、
結果として己の元にはそういった若者達が挨拶だけでもと大挙して押し寄せる結果となっていた。

そんな貴族達を捌き終え、各々が気に入った女を連れて別室へと消えていく様を眺めていれば、何の為に此処迄来たのかと溜息を吐き出したくもなる。というかもう何回も吐き出した。
此方も、手ごろな相手を見つけて部屋で休もうか、と思案しながら、飲みかけのグラスを空にした。