2020/02/21 のログ
■ユネ > (この辺りはホームグラウンド。というかご近所さん。
我が家から見て向こう三軒量隣。
従って、もう随分と遅い時間であるものの。その足取りには、不安や警戒心の欠片も無い。
そもそも。心配する方が難しい。深夜であろうと明るくて、賑やかで。
ひっきりなしに人々が行き交い続け。
少々猥雑だったりするが、常に活気に満ちた声に満ちているような。
それが、花街という場所なのだから)
「ぅーん、っぁー――……ぁふ…」
(といっても。流石に、無防備すぎるかもしれない。少なくとも年頃の娘としては。
道の真ん中。立ち止まり、口元に手を当てこそすれ。大あくびを決め込んでいる。
けれど、これも。仕方ないっちゃ仕方ないのだ。
本来夜行性動物めいた生活スタイルの、夜の街の住人なのに。
昨日は遅くまで、もとい、朝早くまで、仕事だったから。
…ま、要するに。一晩中ぶっ続けで、おたのしみでしたね、という意味なのだけど)
ご案内:「都マグメール 富裕地区2【イベント開催中】」にカーレルさんが現れました。
■カーレル > 色めき立つ街並みは夜になってより華やかさを増していくようで着飾った娼婦たちが店頭に立ち、
道行く人々を絡め取ろうとあれやれこれやと声をかけている
と言っても、この辺りの娼婦たちは大変に目が肥えているから、声をかけられるのは一様に、
金を持ってそうな貴族であったり、商家のボンボンであるから自分は割とすんなりと歩みを進めることが出来る
建物の中から聞こえてくる愉しげな話し声や音楽であったりに何となく耳を傾けながら、
商家のドラ息子の借金というか、ツケの代金を取り立てて店まで届けた帰り道
顔見知りの娼婦や客引き達に軽い挨拶なんぞをしながら通りを歩いていれば、
道の真ん中で立ち止まっていた彼女とぽん、と肩が触れ合った
此方も馴染みの娼婦に挨拶なんぞをしていたからつい、うっかり周りを見ていなかった
「っと、すまない…だけど、道の真ん中でつっ立ってるほうも…
って、なんだ…あんとこの娘さんか…」
顔見知り、と言うほどでもないのだが、彼女の店の主人、彼女の父親には何度か仕事を振ってもらったことがあり、
その度、娘の放蕩っぷりを聞かされていたし、出入りした時に見かけることもあったから、顔を知っていた
「…あんまり、親父さんを心配させんなよ…」
娘の愚痴にうんざりしていたと言う程の事もないのだがついつい、要らん一言を付け加えてしまう
自分も男であるから、娘を心配する男親の心というのはわからん話ではない…娘を持ったことなど無いけれども
■ユネ > 「と、わ、うわ…っ?」
(実際の所、袖擦り合うようなレベルで、軽く触れただけだろう。
その癖、娘の方が思わず声を上げてしまったのは。
完全に見ていなかった、意識に無かった為に。ただただ驚いてしまったから。
お陰で、行き交う人々の内幾人かが、こちらに目を向けたかもしれない。
未だ口元に持っていったままだった手を下ろし。ぶつかった相手から、掛けられた声に。
改めてそちらへと振り返ってみれば。
立っていたのは、何と言うべきだろう、顔くらいは知っている…という男。
例えてみれば、酒屋の御用聞き。店の屋号は知っているが、やって来る張本人の名前は知らない…というような。
ぼんやり加減の瞳を瞬かせて。「確か、何でも屋さんだったっけかなぁ…」と。記憶が合致するまで、たっぷり数秒)
「――あぁ。あぁ、あー…うん。久しぶり?
…やぁだ何それ。最近はそんな、ふりょー娘、してないんだけどなぁー…」
(秒を挟んだ二言目が。何やらお小言風味だったので。ぷぅと頬を膨らませた。
そりゃぁ色事に耽っていたなどというと、さも、遊んでいた風ではあるが。
実際の所、趣味と実益が、これ以上なく合致した――正しく。娼婦らしい仕事である、筈。
もっとも娘自身は、本来娼婦ではなくて。彼女等をマネジメントする側にならなくては、いけない筈だから。
そういう意味では…父親の愚痴、というのは。間違っていないのだけど。
とまれ、そんな膨れっ面のまま。一度、上から下まで。男の全身を視線が確認。
雰囲気的に。仕事帰りか何かかと、見て取れば……にんまり。笑みは不穏一直線)
「そう思うなら、さぁ。働かせてくれたり、しないかなーぁ…
おにーさんから、お金貰って来たなんて事になったら。うちのおとーさんも納得する…じゃない?」
(ひょいと手を伸ばして。男の腕に、腕を絡めてひっつこうと)
■カーレル > 驚きの声が上がり詫びを入れ、そのついでというか、ついついというか要らん一言をかけて数秒
彼女の瞳が此方をはて誰であったか?と瞬くのを見れば、これはいよいよ余計な一言を口にしたか、と後悔した
薄らぼんやり顔を見かけた事がある、程度の出入りの男に小言を言われて気持ち良いはずがない
彼女とは兎も角として、彼女の父親と関係がこじれるのは面倒にすぎる
「それならそれで良いけど…
まあ、偶にはおとっつぁんの心情を慮ってやんなよ…せめて俺の耳に娘の愚痴が届かない程度には、な…」
マジマジと見られている、という実感がある
未だに記憶と自分が誰であったかと擦り合わせているのだろう、そんな事を考えながら、
早々に撤退を決め込むことにした。くるり、と背を向けて、それじゃあ程々にな、とひと声かけて、
その場を後にしようとすれば伸びてきた細っこい手が腕に絡みつき、足が止まる
振り返ればにんまりと不穏に笑う表情が見えて、思わず苦笑を滲ませた
「仕事が欲しけりゃおとっつぁんに頼めよ…
そこそこ、儲かってんだから娘に回す仕事だって幾らかあるだろ?
大体、仕事ったって何が出来るんだ?ツケの取り立てでもするか?それとも貴族の御用聞きでもするか?」
自分から金を取ってきて彼女の父親が納得するのか…自分には判らない
ともあれ、不穏な笑みに何を感じ取ったか、腕を絡め取られたままポツポツと歩きだそうとする
特に目的があるわけではないのだけど
■ユネ > (まぁ、小言その物は、好きな人間など居ないだろうから。
当然といえば当然の反応を返した訳で。
ただし、相手がこの男だったから、という要素は。不快感の中には、入っていなかった。
顔も知らない男など。娼館に居れば、幾らでも見る事に、関わる事になる。
そんな環境なのだから、見掛けた事が有る、という程度でも。
ぶっちゃけた所、顔を思い出せる、というのなら。割と良い方の評価な筈。
ともあれそんな、覚えは有る相手に対し。
つつつと近寄るように、一歩か二歩、距離を詰めるのは。
娘自身、素っ頓狂な声で、耳目を集めてしまった事を自覚しており。
男という、格好の盾を。利用しようという腹で)
「この前だって、ちゃぁんと。新人さんスカウトして…って、ま、この辺は良いかー…企業秘密企業秘密。
やぁだその言い方、シェンヤンとかそっちの方の、時代がかったお話みたいじゃない?」
(おとっつぁん、なんて呼び方をされると。ついつい思い浮かべてしまったのだろう。
父一人娘一人の貧乏暮らしが、悪いお役人の被害を受けて。娘が攫われたりなんぞして。
それを流れの剣客だのが、颯爽と助け出す時代物みたいだ…などと。
単語一つで、無駄に想像力を働かせて。一人で笑ってしまいつつも。
速やかに転進を決め込もうとしたらしき男を、逃がさずにとっ捕まえて。
彼が歩き出すのなら。絡めた腕をそのまま、一緒に歩き出す。
ぱっと見、この界隈に相応しく。男が、一人の商売女を連れ歩いている…風に見えそうな)
「そっちはそっちで、ちゃんと、やってます…てば。
…親の期待やら心配やらって、タネが尽きないんだろうねー…
んー…何がって。そりゃ、一つしか出来無いけど?
おにーさんと気持ち良く……むむ。貴族ってのも、良いっちゃ良いけど」
(あっけらかんと、開き直り万歳。
引き籠もっての事務だのは駄目駄目なので。矢張り、やろうとする仕事は実務中心。
「うちに遊びに来てくれたら、お安くしますよ?」だなんて営業台詞を口にしつつも。
さもお金持ちであろう、貴族、という単語にもちょっぴり揺らぐ。
…その間も、きっと歩みは止まらない。二人共、目的地など皆無なら。一体どこに向かうやら)
■カーレル > 彼女の不穏な笑みと衆目、その2つから逃れるべく転身しようと歩を進めれば、
あっさりと彼女の腕に捕まってしまう…絡みつく細腕を振り払うことも出来ぬではないが、
衆目を集めているようであったし、何より女に無体を働くというのはどうにも性に合わない
彼女の思惑をうっすらと察すれば、一回りほど年下の女性であるが、これは侮れん、と
若干の敗北感を感じるような…しかし、まあ将来の美人に腕を取られるというのは悪い気はしない
…複雑な心境である
「へぇ…流石は未来の女主人…中々『お父様』の薫陶が行き届いているようで…
…シェンヤンか、流行ってんだろ…そういうの。一時は何処もかしこもシェンヤン風だったし」
王都に暮らしていればそんな流行り廃りにも割りと敏感になるもので
彼女ほどでは無いであろうが自分でもそれくらいの流行は知っている
知っていて「おとっつぁん」なんて口から出たわけではないのだが
歩き始めれば自然と彼女と歩調を合わせるようになり
肩が打つかった場所から離れていけば耳目もおのずと霧散していくだろう
ただまあ、今度はこの辺りで顔の知れた彼女を連れ歩いているわけだから別の耳目を集めるだろうが
「そりゃあ、そうだろ…娘が心配じゃない男親なんて中々いないと思うぜ…?
食い詰めて娘売らなきゃままならないってんじゃないんだから余計にな
……根っからの娼館育ちってわけだ、でもそれなら俺が金持ってるか持ってないか、
それくらいは鼻が利くだろ…どうだ、裕福で堪らないって顔に見えるか?」
営業台詞にぷふ、と吹き出し呆れ気味に、流石…と零す
通りを向こうから歩いてくる、如何にも裕福そうな男を顎で指し、自分と見比べてみ、
とでも言わんばかりの表情で彼女に視線をやって
■ユネ > (それはもう、こちらも。親からの薫陶というか、教育というかなのだろう。
チャンスは逃すなだとか。男はこういう風に扱えだとか。
…なかなか振り解き辛い、などという状況を作ってしまうタイミングは。
男である父親よりも…同じ女、元娼婦、そんな母親から教わっているのかもしれない)
「流行ってる流行ってる。あっちの服とか、最近も着てるよー…?
…食べ物も美味しいし。いっぺん行けたら面白い…かも、ね?」
(勿論、本来ならつい最近まで、戦争相手。そうそう赴けるような場所ではないだろうから。
今の所は、まだまだ。王都の中で、流行り廃りに便乗万歳。その程度になりそうな。
実際、辺りを見回せば。スリットから覗く脚線美も露わな街娼だとか。きっと見受けられる筈。
流行りを見逃す訳にいかない、というのは。客商売なら、誰だって同じらしく)
「そーいう事。ちゃっきちゃきの、娼館っ子…なんて?
あぁもぉ、ほんとだよ…ぅ?おとーさんおかーさんより下っ端なので、カラダで稼いでいるの、です。
ぅん…あー…あぁうん。うん。お貴族様ほどじゃ、ないよね。
だいじょぶだいじょぶ、うちって結構、手広いから。高いも安いも、ピンキリ、だよー…?
――後は、なんだ。仮に、お仕事じゃなくって、おたのしみだったら…ね。
顔も知らない、何されるか分からない、より。…おにーさんの方が、安心……じゃない…?」
(目線の先を歩く貴族。如何にも裕福そうではあるが。そういう人に限って、金に飽かせて、無茶なプレイをしたがる物。
…それはそれで、嫌いではないのだけど。気分、という物も有るのだから。
その点で、今腕を組んでいる、この男は。決して、悪い事はしないと思う。
顔位しか知らないようでいて、その癖、信用めいた判断を下せるのは…父親が、仕事相手として、信用している相手だからだ。
この点、何だかんだで。親子関係、決して悪くないのだろう)
■カーレル > ある種、英才教育を施された彼女に人生経験のみで勝とうというのが少々烏滸がましかったのかもしれない
自分だって男であるから娼館で遊ぶこともあったし、時には娼婦を手玉に取るようなこともしたけれど、
そんな娼婦たちとは違い一筋縄ではいかない娘が腕を取り横を歩いているらしかった
笑ったり話をしたり、そんな様子はそこいらの町娘と大差はないように見えるのだけど
「あっちの服…って、あの姐さんが着てるような、か?
…あー、そりゃあちょっと考えた方が良いかもな、向こうも王都と変わらず物騒って聞くしな…
それでも行くってんなら、護衛に俺を雇ってくれよ。幾らか向こうの案内も出来るし」
長年の敵国であった土地。なんの因果か、幾度か王命により足を運んだこともある土地であるから、
ここぞとばかりに自分を売り込んでいく…長期の護衛件ガイドとなれば報酬もたんまりと貰えるだろ
へらりと笑いながら、シェンヤン服に身を包んだ娼婦に視線をやりながらも耳聡い男であった
なんでも屋、何ていうのはちょっとした小話からも商機を得なければ生き残れない
なんせ、王都には冒険者を始め、同業のライバルが多い
「だろ…?お貴族様ほど、金と暇がありゃあ、わざわざ借金の取り立てなんかには行かねえよ
―――お楽しみ、ってそういうとこをおとっつぁんは気を揉んでるんだろうが……
しっかし、そうね…お楽しみ、か…ふむ…」
指差したシェンヤン服の娼婦から視線を隣の彼女に向け直す
亜麻色の髪に蒼い瞳…一見、細身に見えるが出ている所はしっかり主張している身体のライン…
今度は此方がマジマジと視線を送る番であった…ふうむ、と首を傾げながら考えるのだ
この娘が真に花開くのは3年後か、5年後か…なんて事を
■ユネ > (それはもう、幼い頃から、という奴だろうか。
教育もさる事ながら。人間を形作るのは、えてして、周囲の環境なのだから。
お陰で、時には娼婦よりも娼婦らしく。お水のお手本めいたキャッチセール。
残念ながら、現状まだまだ。男の財布を緩めさせるには到らないらしく…あちらもあちらで、一筋縄ではいかないか)
「そ、そ。良いよねぇ…あぁいうの、も。かっこいい。
でもな、ぁ、それを言っちゃうと。…何処だって、危ない物は危ないというかー…
此処だって。ちょっと、裏に入ったら。…おにーさんだって危ないよ…?
む。それは、何だか。…魅力的なお話かも、ねー…シェンヤンのお姫様、此処じゃまだまだ需要、有るし。
スカウトとかも、悪くないけど…んう…む。そしたらこっちが、払わされる側になっちゃう」
(そう、この王都だって。一皮剥けば危険が満載。
娘が平気で闊歩している、夜の繁華街ですら。幾つかメインストリートを逸れてしまったら…何が起こるやら。
まして戦地に等しい国境を越えたり。今でも国民感情はどうなっているやら、の隣国に踏み込むのは。
間違い無く、危ない目が待っている事だろうから。
何やらあちらの国にも、ある程度知識を有しているらしい相手。むむ、と考え込んでしまう。
実際に、そういう機会が訪れるのかは――それこそ。親御さん次第となるにせよ)
「だよ、ねー…でもでも、仕事が有る内が華…じゃない。食い詰めずに済んでる、内が。
…ぇー…大事な事、だよー…?嫌々するより、その気になって、楽しみながらやる方が。仕事だって、良いんだってば」
(それが娘の。娼婦と同じ目線や立場に立つ場合の。持論というか、口実というか。
うんうんと、自分で自分の台詞に頷いてから。何やらじっくりとこちらを睨め合わす視線に。小さく首を傾げてみせる。
…男が何を考えているやら。それこそ、よーく分かってしまうので。
ひらひら、男と組んでいない方の手を振って)
「…しょーがない、なぁー…もうちょっと、先の話…?予約して、いつか、抱いてくれるなら。
今日の所はー…一緒に、ごはん、とかで。勘弁してあげちゃおう」
(完全に、女として扱われないのは嫌なので。それこそ三年後だか、五年後だかまで。覚えておくつもり。
……まぁそれはそれとして。結局、今日腕を離す気は無いと。言える気もするのだけど)
■カーレル > 流行り廃りの話はこういうのも変だがなんだか勉強になったような気がする
指差した娼婦が着ているシェンヤン風の服、というのはここの所確かによく見かける気がする
辺りを見回してみれば確かにそれらしい姿の娼婦がちらほら見て取れ、自分が想っている以上に、
シェンヤンの文化が王都に広まっているのだと再確認することが出来たように思う
なんのかんのと言ってもこういう所はやはりまだ少女の面影があるというようにも思える
…ここが綺羅びやかな夜の花街でなかったらなら、一層強くそう思えたのだろうが
「確かにそうだろうが貧民地区辺りに比べりゃこの辺なんか安全なもんだろ…
それに、娘っ子1人抱えて逃げるくらいなら王都でだろうが、シェンヤン帝都でだろうがなんてこと無いさ
…それはらしくないお言葉だな。何かを欲するのであればまず与えよってのが商売の鉄則だろ?」
自衛が出来なくては王都で食っていくのは難しい
ましてや、『なんでも屋』なんて商売をしていれば危険な目に合うことも多かれ少なかれあるのだ
護衛依頼なんて仕事の経験もあるから、彼女1人抱えて逃げる程度であれば造作もない
彼女が巨躯の男ではあったりするのであれば事情も違ってくるが
何やら思案顔の彼女に、その時には是非に、と念を押すがしつこく言い募ることはない
この手のセールスはしつこくても上手くはいかないという事を経験から知っている
じ、と値踏みでもするような視線を送っていると可愛らしいほっそりとした指先が
目の前をひらひらと舞う…続いた言葉に自分の思考を悟られた事を何となく察してしまう
「敏いお嬢様だなあ…見てくれはまだまだ遊びたい盛りの癖にこっちの考えをお見通しだものな…嫌になるぜ
判ったよ、何でも好きなもの奢ってやる…俺もメシはまだだったしな」
此方の考えをあっさりと看破されてしまうと敗北を認め肩を竦めて見せた…何に負けたのかは自分でもよく判っていないけれど
呆れたような苦笑するようなそれでもどこか愉しげな様子で再び歩き始める
あとは彼女の好きな店なんかを聞き出して…言葉通り、彼女の好きなものをご馳走するのだろう
■ユネ > (商売人として、敏感な面も。勿論有るのだろうし…単純に、流行り物大好きな。少女由来の面も有る筈。
今回に限っては、それこそ後者の方が。ブームという物に、いち早く反応させているのかもしれない。
このまま、流行りについての話ばかりが続いていたら。更に諸々、唐紙細工の小物だとか、汁気たっぷりの小籠包だとか。
どんどん、話題が増え続けていたのかもしれない。
幸い、収拾が付かなくなる前に。いっそ直接現地に乗り込んでしまえ、と。そういう話に、男が持っていってくれるのだけど)
「その油断が、危ないのかも…よ?…まぁおにーさんなら、多少の荒事は平気…ぽいの、かな。
だったら、万が一の時は。お姫様抱っことか、期待しちゃう、としてー…
ん…ん。女主人に、なった後、なら?その辺、臆面無く言っちゃえるんだ…けど」
(まだまだ両親健在、現役。しがない中間管理職というか、半分は臑齧りというか。
なので、与えられるとしても。金額に限度という物が有るのだろう…流石に、湯水の如く散財するような。
それこそ貴族様のような、ずれた金銭感覚は。持ち合わせておらず真っ当な訳で。
結局今夜の所は。互いに、将来的なプランを示すに留まって。
ある程度の手応えをさえ得られたのなら、それで上々という事になりそうだった。
あまりにしつこすぎるのも考え物だと、娘も理解しているというか。
半ば以上、遊びたくてせっついているのだから。男の方に、楽しくないと思わせてしまうのは。避けたいのだろう。
やりたいのは。男と女、二人でなければ楽しめない…そういう事柄なのだから)
「何を仰る。遊びたい盛りだから、こそ。其処に敏感なんですよー…?
よーし、よし。食べさせてくれる分、そ…だね、うちに来てくれた時は、ごちそう、し返してあげるからー…
ぁ、この先にね?さっき言いそびれたんだけど、シェンヤン料理の…――――」
(あてのない足取りは。どうやら、目的地を見出す事が出来たらしい。
ぼんやり気味から、その気になってすっかり、姦し加減になった娘の声が。
男を引っ張りそうな勢いのまま、夜の街を奥へ、奥へ。
その後朝までコースに付き合わせたのか、夕飯だけで済ませたのかは。当人達だけが知るところで)
ご案内:「都マグメール 富裕地区2【イベント開催中】」からカーレルさんが去りました。
ご案内:「都マグメール 富裕地区2【イベント開催中】」からユネさんが去りました。