2019/10/26 のログ
レミィ > 「あら、そう……そんなに。まだ衰える歳でもないでしょうに節制なさい。
──それと、レディよりもボーイの方がデカブツチャレンジに好奇心旺盛だから、ミッドナイトメンズサウナにでも行けばあなたモテモテよ?」

幾らかは会話も酒場の雑談めいてくる。
あらヤダなんて口元笑って作り笑いをしながら。
「ええ、自宅にお持ち帰りするわ──客商売の、窮屈なトコね」
寝起きにうっかり一服つけてしまったがための香水、であったり口寂しさからのキャンディであったり、諸々含めて苦笑い。

仕立ての話には、瞳に真剣さ帯びて、ベストに暴力を振るおうとする手を一度は制止しようとするが
「ええ───…!!」
何をしても傷みそうにないベストに絶句。

「──これがドレス生地になったら商売上がったりだけれどね…… 
少しよく見せて、針は立つのかしら? 必要な生地は戴けて?
何かしら、対銃弾……少しクサいわね……魔法でも祝福儀礼でもなさそう、これは”こういう生地”なのよね?」

相手が持ったベストの生地に相当な興味を示し、引っかいたり引っ張ったり、「失礼」と断ってから糸切り歯を立ててみたり、諸々のことを試み。

「今のあたしに作れる、とは断言できないわ。
ただし、これだけは──対価は、それなりに高額になるわ。
……一着でも、ざっと男の一生に必要なベスト代金と同じだけ頂くわよ?」
考え考え話してから、またベストを手に取ろうとする。目下一番の懸念は通常の縫い針が立つかどうかのようだ。

セイン=ディバン > 「それができたら苦労はしない、というところですね。
 ……いや~、そっちも不可能では無いんですが。
 最近そっちに踏み込みすぎてて、戻れなくなりそうで怖いんですよねぇ……」

乾いた笑いを零しながら、視線を外す男。
いよいよ雑食じみてきた自分の性癖に、ちょっと自分でも辟易しているのである。
相手が煙草を受け取れば、男もまた、人差し指を口にあて、内緒、のジェスチャーであった。

「あぁ、どうぞどうぞ。
 ……実は、これに関しては自分も入手経路などは知らないんですよ。
 胡散臭い町の、胡散臭い商人から買っただけでして」

相手にベストを渡し、肩を竦める男。
一ついえるのは、この防御性能は魔術による付与ではない、ということは確かであるということだけ。
相手の見立てどおり。生地が特別製、と考えるのが自然であろう。

「生地に関しては、その商人から買えばお渡しできるでしょうが。
 ……あぁ、なんならそのベストはお渡ししますよ。
 代金に関しても、全然結構です。これでも稼いでいる方なので。
 レミィ様の言い値で払いましょう。
 ……それだけの価値のある依頼だと、思っておりますので」

流石に真剣さを増した相手の様子に、男は内心拍手をする。
こういったところで気迫・気概を見せる辺り。
やはり噂どおりのプロだな、と。

そうして、男は相手にベストを預け、改めて依頼をするだろう。
後日、相手の店にはシャツ用、ズボン用、ベスト用の生地が届けられることになるだろうが。
問題は、その生地が【布と金属の中間】のような物体であり。
そもそも男の服もドワーフの拵えであったということ。
はてさて、この依頼完遂なるかどうかは……相手の手腕次第、であろうか。

レミィ > 「あら、どっちもイけるのは気が合いそうですわね?」

こちらとも雑食、なれど自分自身様々な属性の入り混じり故に深い感慨もなく。
内緒のジェスチャーが通じれば笑みを交わし。

「──1週間。
心当たりを当たってみて返事をするわ。
今見せてくれたのがまやかしではないとすれば、この生地を作れるかもしれないから──
頂けるならそれが間違いないと思うのだけれど、この生地すごく興味深いから…」

ベストを預かって、しっかりと頷き返す。

「いずれにしても今度採寸にいらっしゃらない?
──アナタと仲良くなりたいわ」
真剣になりすぎた頭ほぐすようにふわっと社交的な笑みを浮かべる。
予定を確認すれば、先ほど聞いた屋敷へと信書でも送るだろう。

この夜は「確かに」と預かったベストを確認して公園を去った。
己のドレス工房で、朝まで一通り特殊金属の鋏や針を試したという。

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