2019/10/12 のログ
ご案内:「王都マグメール 富裕地区2 裏通り」にジェイさんが現れました。
ジェイ > 冷たい風が、月明かりを食んで建物を撫でていく。
撫でられるのは様々な貴族や商人の家。
平民のそれと比較にならない家々。
けれど、表から見れば輝かしいそんな場所にも、裏はある。
邸宅と邸宅の狭間、家と家の隙間。
そこを、まるで影が滑り出るように黒い服の男は歩いていた。

「――依頼の件はこれで完了だな。」

小さく、ぽつりと独り言ちる。
背中には一軒の商人の邸宅。決して華美ではないが質素でもない家。
貴族をも相手にする高利貸の家だと知っている者は多いだろう。
そして、黒い男の手元に羊皮紙が何枚か。
それが――ぐじゅ、という微かな音と共に飲み込まれていったのを見た者はいるだろうか。
ともあれ、まるで夜の散歩という風情。
男は人気のない裏通りを歩いていた。

ジェイ > 月明かりの散歩。
あるいは何かの悪だくみの一部か。
いずれにせよ、そう大きな違いはないのだろう。
そのまま、黒い姿は闇夜に紛れて消えていった―――。

ご案内:「王都マグメール 富裕地区2 裏通り」からジェイさんが去りました。